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第一章

4.

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 すると、こちらの敵意を感じ取ったのか、百層のエリアボスが目を覚ます。
 百層のエリアボスは、どこかで見たことある様な形をしている気がする敵だった。
 四足歩行の怪物。

「ベリルテル・ナノ・ホーン、よ」

 カラミラは、そう言った。

「マテリアル……」

 俺は,そう言って、駆け出した。
 目の前には,異形のエリアボスが立っている。
 しかし,そんなことは,お構いなしに、突進する。
 多分、カラミラの仲間は,食われていない。
 これは,用意されたやつだ。
 エリアボスは,一度倒されると、復活するまで、一週間は,かかる。
 俺は,ポーションが切れたため、一度地上に戻っている。
 その時、百二十五層まで、降りているため実際存在するわけがないのだ。
 その時、異形のエリアボスが背中から青っぽい緑色の触手を生やして、こちらに襲いかかってくる。

「くっ……」

 俺は,咄嗟の行動で銃でガードする。
 そして,一回後ろに飛び、もう一度突進する。
 次こそは,油断などしない。
 確実に仕留める。
 俺は,突進する。
 異形のエリアボスは,触手を二十本まで増やして、その触手を使って俺を殺そうとする。
 右からの足払い五本。
 左からの頭突き三本。
 正面からの突進六本。
 後方からの突き五本。
 ボスに息がかかりそうなくらい接近していた。
 いや、実際かかっていたのかもしれない。
 俺は,銃を構えて、撃った。
 玉は、黒く、禍々しかった。
 それは,エリアボスに対してではない。
 残り一本の触手に対してだ。
 その触手にあたり、ぶちっとちぎれて、青い血が飛び散る。
 そして,もう一撃のために構える。
 否、その前に残りの触手を回避しなければならない。
 そのため、俺は、しゃがみ、左斜め前に飛び出す。
 そして,異形の怪物の右目に一撃をぶち込む。
 さらに,そこから、ジャンプして、空中で回転し、右側の壁に足をつける。
 そして,一瞬止まったチャンスを生かし、左目に一撃をぶち込む。
 すると、触手が暴走し、俺に向けて、青い血を吐き出す。
 その血を避ける。
 左右右左右左左右左右右左左。
 俺は,いつの間にか、入り口に立っていた。
 怪物は、十発以上吐き出したせいか、貧血になったため動きが鈍くなったところに、俺は、地面を蹴り、飛び上がって、上から、

「デッドバレッド」

 トリガーに手をかけて、それを精一杯引いた。

「バンっ!」

 その声と同時に異形の怪物は、倒れた。
 脳みそをつらむ抜いて、後ろ足の方から玉が飛び出していた。
 俺は,軽々と着地して、

「じゃあな」

 俺は、近づいて、銃を振り上げて、銃口が当たると思って、思いっきり脳に振り下ろした。
 グチャっ、と音を立てて脳が潰れる。
 そして、俺は、振り返る。

「カラミラ、殺したぞ」

 そこで見た景色は、想像通り、

「さて、そこのお前は、なんで殺してくれるのかなぁ?意味がわからないねぇ?」

 カラミラは、謎の男二人と女一人に捕まっていた。
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