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第一章
9.
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✴︎
さて、あれからの話をしよう。
あれから百五十層まであるダイガラス迷宮。
その百四十層にいた。
「あんたねぇ、百二十五層までしか降りたことないんでしよ?」
「そうだな」
「じゃ、一回上がりましょ」
「なぜ?」
「みてわからない?」
「わからない」
「この謎解けると思う?」
「思う」
そう、俺たちは,百四十層の大図書館で止まっていたんだ。
約二日間で、一層からリスタートした俺に取っては、今日で約三日になるか。
「あのねぇ、この謎が貴方が五時間かけて解けなかったのよ」
「そうだな」
「だから、一度上がりましょ」
「だめだ」
「なんでなの」
「じゃ、なんでだと思う?」
俺は、笑ってカラミラに問いかけた。
その時の俺は、ダメにされた人間みたいに見えただろう。
否、ダメ人間だ。
俺は、自分の今の状況をそう思っている。
だから、カラミラがいう理由もわかる。
だって、おかしいから。
「わからないわ。貴方じゃないもの」
「じゃ、アンサータイム……」
「……」
「もう少しだから」
「はぁ?」
彼女の意味がわからないという様な声だけが響いていた。
だから、俺は、歩き出した。
そして、本に手をかける。
そして、情報を整理する。
まず、この大図書館の部屋の扉は、二つある。
一つは、入ってきた扉。
いえば、階段に繋がる扉。
そして、今目の前にあるのは、本棚。
この後ろに扉があるのは、わかっている。
そして、この本棚には、赤と緑の背表紙の本がバラバラに置かれている。
ちなみに文字は、読めない。
だから、やりようがなかった。
だけど、解けた。
「じゃ、失敗したら、その時は、その時だ」
俺は,赤の本の数と緑の本の数を数えた。
そして、本棚に、一体何冊入るのか。
一箇所の棚に十冊は,入るらしい。
ということは,状況を整理しよう。
まず、本は,合計、この本棚に七十九冊ある。
そして、棚は,二つがくっついている形になるだろう。
要は,四十冊分の本棚が二つくっついている状況だ。
そして、一冊足りない。
まだ、言えば、なぜバラバラなのかは,わからない。
しかし、一つだけ読める文字があった。
「数字だ」
「え?す、数字?」
「そうだ、数字なら、読める」
「ま、まさか、数字順に置くっていうんじゃないでしょうね?」
「いや、数字順に置くのは,数が少ない赤の本だけだ」
そう言って、俺は,赤の本を一冊ずつ取り出した。
そして、床に並べる。
「だいぶんわかってきたな」
「な、なぜ、赤の本なんですか?」
「そんなの決まってるだろ、赤の本は,死を意味する」
「え?」
「そして、少し考えればわかるはずだ。この本たちの並びからに順番があることに」
まだ、カラミラは,ぽかんと口を開けている。
「ま、やるから見とけって」
俺は,そう言って本棚と向き合う。
そして、赤の本を数字順に並べる。
どの本も数字は,バラバラだった。
そこまでは,わかってる。
ここからだ。
俺は,その時、笑っていた。
狂っているぐらいに。
さて、あれからの話をしよう。
あれから百五十層まであるダイガラス迷宮。
その百四十層にいた。
「あんたねぇ、百二十五層までしか降りたことないんでしよ?」
「そうだな」
「じゃ、一回上がりましょ」
「なぜ?」
「みてわからない?」
「わからない」
「この謎解けると思う?」
「思う」
そう、俺たちは,百四十層の大図書館で止まっていたんだ。
約二日間で、一層からリスタートした俺に取っては、今日で約三日になるか。
「あのねぇ、この謎が貴方が五時間かけて解けなかったのよ」
「そうだな」
「だから、一度上がりましょ」
「だめだ」
「なんでなの」
「じゃ、なんでだと思う?」
俺は、笑ってカラミラに問いかけた。
その時の俺は、ダメにされた人間みたいに見えただろう。
否、ダメ人間だ。
俺は、自分の今の状況をそう思っている。
だから、カラミラがいう理由もわかる。
だって、おかしいから。
「わからないわ。貴方じゃないもの」
「じゃ、アンサータイム……」
「……」
「もう少しだから」
「はぁ?」
彼女の意味がわからないという様な声だけが響いていた。
だから、俺は、歩き出した。
そして、本に手をかける。
そして、情報を整理する。
まず、この大図書館の部屋の扉は、二つある。
一つは、入ってきた扉。
いえば、階段に繋がる扉。
そして、今目の前にあるのは、本棚。
この後ろに扉があるのは、わかっている。
そして、この本棚には、赤と緑の背表紙の本がバラバラに置かれている。
ちなみに文字は、読めない。
だから、やりようがなかった。
だけど、解けた。
「じゃ、失敗したら、その時は、その時だ」
俺は,赤の本の数と緑の本の数を数えた。
そして、本棚に、一体何冊入るのか。
一箇所の棚に十冊は,入るらしい。
ということは,状況を整理しよう。
まず、本は,合計、この本棚に七十九冊ある。
そして、棚は,二つがくっついている形になるだろう。
要は,四十冊分の本棚が二つくっついている状況だ。
そして、一冊足りない。
まだ、言えば、なぜバラバラなのかは,わからない。
しかし、一つだけ読める文字があった。
「数字だ」
「え?す、数字?」
「そうだ、数字なら、読める」
「ま、まさか、数字順に置くっていうんじゃないでしょうね?」
「いや、数字順に置くのは,数が少ない赤の本だけだ」
そう言って、俺は,赤の本を一冊ずつ取り出した。
そして、床に並べる。
「だいぶんわかってきたな」
「な、なぜ、赤の本なんですか?」
「そんなの決まってるだろ、赤の本は,死を意味する」
「え?」
「そして、少し考えればわかるはずだ。この本たちの並びからに順番があることに」
まだ、カラミラは,ぽかんと口を開けている。
「ま、やるから見とけって」
俺は,そう言って本棚と向き合う。
そして、赤の本を数字順に並べる。
どの本も数字は,バラバラだった。
そこまでは,わかってる。
ここからだ。
俺は,その時、笑っていた。
狂っているぐらいに。
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