上 下
36 / 42
第二章

36.

しおりを挟む
 グリシャーナは、眠ってしまっていた。
 多分、自分が泣き疲れたからだろう。
 そして、起きたとき、その状況に驚愕した。
 全身に何か液体のようなものがかかっていた。
 透明なんだけれども、何かいい匂いがする液体。
 体を動かそうとして、

「え?」
 
 腕が何かに縛られていた。
 縛られていたものを見ると、

「植物?」

 緑の茎らしいものが見えた。
 そして、さらに気付いた。

「あれ?服着てなくない?」

 服を着てなかった。
 植物は、茎を動かしていた。
 そして、その植物は、足を拘束する。

「やめてっ!」

 グリシャーナは、叫んだ。
 しかし、その叫びは、誰も聞いてない。
 茎は、どんどん伸びて、グリシャーナを拘束する。
 そして、腕と足を拘束されて、

「あ……」

 茎から液体が漏れる。
 そして、その液体が体に吸収されると、体が熱くなった。

「な、何この液体……」
「媚薬の類だよ」

 その声の主は、髭を生やした男性だった。
しおりを挟む

処理中です...