迷宮探偵〜迷宮での事件を解決する最強探偵ここにあらわる〜

第二章

39.

✴︎
　王女様がいなくなったという話を聞いたのは、買い物から帰ってきた頃だった。

「そのうち帰ってくるんじゃないの？」
「いや、それは、ないだろ……」

　詳細を伏せたが、あいつが自力で帰ってきたことなどない。

「何処かで油を売ってるとか？」
「それありそうだな」
「てか……」
「そこに触れるなっ！」

　俺は、ギリギリのとこでカラミラの一言を阻止する。

「なんで？」
「秘密にしてるからだ……」
「は？」
「これがバレると少々どころの騒ぎじゃなくなるから……」
「よくわかんないけど、私しか知らないってこと？」
「カラミラだけってことでは、ないけど……身内には、教えてないし、そうなるから……ほぼ」

　カラミラは、ちょっと上機嫌になった。
　なんか、俺には、わからない領域だ。

「というわけで、王女様がどこに行ったんだろう？って話だったよね？」
「そうだな」

　俺とカラミラは、情報を整理する。
　まず、俺とカラミラが出かけて行った後を追うようにして、王女様は、出て行ったらしい。
　多分、尾行計画なんだろうけど。
　と予想は、立てられる。
　そして、何者かに連れ去られたか、迷子になったかして、帰って来れなくなったと。

「従者連れて行かなかったのなんでだろう……」
「尾行ってよくないことだから、止められるんだよ？」
「みたことあるの？」
「フレイアが教えてくれた」
「ふーん」

　なぜか機嫌が悪くなったカラミラであった。