迷宮探偵〜迷宮での事件を解決する最強探偵ここにあらわる〜

魔狼ちゃん

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第二章

40.

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✴︎
「魔女の器は、どうした？」
「それが、ダイガラス迷宮の主人が急に姿を消してしまいまして、代用として、こちらを用意しました……」
「代用ねぇ」

　黒いケープコートを着て、フードをかぶっている人が二人いた。
　片方の人が用意したものが入っているであろう棺桶を出した。
　そして、それを受け取る人が開ける。
　そして、その人は、持ってきた人を見て、

「王女様か？」
「そうです」
「魔女の器を活性化させるための措置は、しておるのであろうな？」
「はい、魔石を用いて彼女の体の中に魔女の器として必要な魔力成分を浸透させておくことは、しました」

　受け取る人は、棺桶を見て、

「なるほど、それ以上の措置は、なぜしなかったのだ？」
「時間が足りませんでした」
「時間が足らなかった？一ヶ月ほどやったであろう？」
「それがダイガラス迷宮が攻略されたのが約一週間前になります。それから迷宮の探索をし、最下層まで降りたのですが……」
「魔女の器を持つ、ダイガラス迷宮の主人が居なかったと」
「その通りです。ですので、急遽魔女の器になりそうな人を探しておりますと、二日前に彼女を見つけました」
「適正は、オールAであったということか……」

　持ってきた人は、うなづいて、話を続ける。

「ですので……」
「二日前じゃといけなかったのか？」
「適正がオールAですと、反感を買えば、こちらが不利になることを想定して慎重に事を進めていたからです」
「そもそも、ダイガラス迷宮にさっさと入って仕舞えば良かったではないか？」
「それは、何者かによって……多分攻略者でしょう。その人によって封鎖されてしまっていまして……」
「要は、攻略された階層までしか降りては、ならぬ。というやつか」
「はい、、その通りでございます」

　持ってきた人は、そう言って頭を下げた。
　その瞬間、受け取る人は、ケープコートのフードを取った。
　額には、一本の黒いツノが生えていた。
　そのツノからは、魔力の渦が見られた。

「死ね」

　一瞬の術式構築により持ってきた人の頭が消し飛ぶ。
　そして、その人は、再構築される。

「あれ、私は、ここで何をしていたのでしょうか？」
「記憶を消させてもらった」
「あぁ、お手を煩わせてしまい。申し訳ありません、魔神様」
「いや、外部に漏らされては、困るからな。では、持ち場に戻れ」
「はい、了解致しました」

　そう言って戻って行った人は、髭を生やしていた。

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