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俺は、その一言で石を持っていた手を下ろそうとしたが、結局投げた。
その人の右足の膝あたりに。
すると、右足の膝から下が粉砕した。

「ちょっと、なんで投げたのよ」
「ソ… … 」

やっぱり、喋れない。
伝えたくても伝えられない。
なんでだろう。
伝えたいことが伝えられないなんて、なんか辛い。

「くっそ、テメェ、なんでわかった。俺が少し聖剣に触れて抜いたことを… … 」

俺は、最後の1人を見た。
その人は、ひどく怯えていた。
多分、目の前で仲間が殺されそうになっているからだろう。

俺は、殺すつもりないけど。

俺は、最後の1人にに近づく、そして、首に手を当てて気絶させた。

「何をしたの?」
「ム… … 」

やはり、喋れないか。
俺は、どうにか伝えることができないか。
と考えていた。
その時、別の方向から馬車が来た。
今度は、金色の飾りがされている。

その馬車は、止まった。
そして、俺たちを見て、中の人が降りてくる。
そして、俺たちに近づいてくる。

中にいた人は、いかにも綺麗な服を着ていた。

「グリッド。お前、なぜここにいる。地下牢は、どうした?」

グリッド。
それが俺の名前らしい。

「え?グリッドってあのシリアスキラー… … 」

まぁ、その反応が普通か。

「グリッド、お前、喋れないのか?」

俺は、高そうな服を着た人を睨みつけた。

その人は、笑った。

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