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グリッドが俺の名前だとする。
それだと、俺は、シリアスキラーのグリッド。
それしかまだわからないか。

「しかし、貴様が喋れないとなると笑えるな」

俺は、少ししゃがんで、石を持つ。
そして、その人を睨む。
すると、その人は、腰の剣に触れる。

「ク… … 」

俺は、少し声を漏らす。
これぐらいしか今は、できない。

「グリッド。貴様は、どうやって、あの地下牢を破った?」

えー。
答えられないとわかって答えさせるのは、鬼畜ですよー。

と俺は、思った。
というわけで、俺は、現実逃避。

俺は、その人を無視して、ホロホロっと適当なところに歩いていった。
しかし、その後ろをついてくる。

「カ… … 」

俺は、睨んだ。

「いい加減にしろ。喋らないなら……」

喋れないならなんだよ。

「喋れないって言えよ」

喋れないから喋らないのに言えっていうのかよ。
こいつ、極悪外道な鬼畜星人だな。

「おいおい。喋れないんだろ?」

だからそうやって言えないから。

「あの、外部からいいですか?喋れないのに言えってのは、無理だと思うんですけど……」

ドラゴンの人、ナイスですよ。
そうだよ。
言えないんだよ。

俺は、うなづく。

それを見てドラゴンの人は、ため息をついた。

「あの、グリッドも首振れるんだったら、振ろうね?」

そうやって、言われた。


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