地下牢に閉じ込められていたシリアスキラーが20年後に突然解放されたら、勇者は、雑魚だった。

魔狼ちゃん

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19.

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✴︎
「ねー、いい加減私の名前思い出したら?」
 俺は,思い出すことを放棄していた。
「わからねーんだって」
 俺は,そう言った。
「私たち五天皇ごてんおうだよ?」
「は?なんだそれ」
 俺がそういうと,ドラゴン娘は,呆れていた。
「なんで?あんたが名付けたんじゃん?」
「いや,知らんし」
 俺は,そう言った。
「てか、あんな形でマレート出てきてよかったの?」
「いいんだよ。魔天剣があるし」
 俺は,そう言って魔天剣を掲げる。
 魔天剣の剣先が太陽と重なり、刃が輝く。
「アクトル王ぶっ飛ばした私がいうのもなんだけど、あんなことばっかするからじゃないの?」
「それは,知らんな。別にどうだっていいし」
 俺は,魔天剣を鞘に収め、歩き出す。
「そっち、確か、クライオス宮殿よね?」
「あぁ,そうだぞ」
「なんで,それを覚えてるのに……」
 ドラゴン娘は,小さな声で何か言った。
「あ?なんか言ったか?」
「え?なんも言ってないよ」
「ならいいんだが……」
 俺は,『探索』を発動させる。
 最悪のバッドエンドは,ここで殺されることだ。
「来たな……」
 俺は,誰にも聞こえないほどの小さな声でそう言った。
「え?」
 ドラゴン娘が俺の方を振り返るより早く、
「『闇闇闇インテージ』」
 雷雲のように、電気を纏った黒い塊が一直線で変な方向へと飛んでいく。
 進む道を削り、その削りカスを吸い込みながら大きくなる。
 まるで、
「ブラックホールみたい」
「ま,そう見えなくもないな」
 俺は,そう言った。
 そして,剣を抜き、
「『魔天王域まてんおういき』」
 そして,王域を展開する。
 その王域の範囲を『闇闇闇インテージ』まで広げ、
「消滅」
 たったその二語で、あたり一体は,更地になった。
「は?な,なにしたの?」
 隣でドラゴン娘は,驚愕していた。
 
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