地下牢に閉じ込められていたシリアスキラーが20年後に突然解放されたら、勇者は、雑魚だった。

26.

✴︎
「な、この速さッ！」
　俺は，地面を蹴り、高く飛び上がり，俺は、剣を振る。
　そして、アーボードを，斬りつけ、右腕を落とす。
　次に、空気を圧縮した地面を作り，飛び跳ねて、ロウの首を刎ねる。
　そして，俺は，アーネイルの，目の前に立つ。
「どうした？」
　俺は、アーネイルの，首に剣を置く。
　そして，切ろうとしたタイミングで、俺は，避けた。
「やっぱりきたか、ミル」
　そこに立っていたのは，ミルだった。
「やっぱりってことは，『未来予知』かな？」
　ミルは，そう言った。
「観察眼の鋭さは，元からだっけ？」
「そうかもね」
　ミルは、適当に返答をしていく。
「ミル……」
　俺は，静かにミルの名を呼ぶ。
　すると，彼女からは，
「いいの戻れなくていいの……」
　俺は，その瞬間、ミルのもとに駆け寄った。
　そして，肩に手を置いて、揺さぶろうとすると，
「今の私は，『帝王』ミル……ごめんなさい。グリッド……」
　彼女の最後の謝罪は，なんだか，物足りなかった。