上 下
28 / 88

27.

しおりを挟む
✴︎
「一つ、盟約」
 ミルは,そう言った。
 その瞬間、ミルの腕輪が光る。
 そして,俺の左手が吹き飛ぶ。
「な,どうゆうことだ?!」
 俺が困惑していると、
「アーネイル、あなたもよ?二つ,契約」
 アーネイルの,心臓が飛び出した。
 そして,その心臓をミルは,足で潰す。
「ね?グリッド。あなたが,私の『明帝』になってくれるのなら,助けられる」
 俺は,少し考えて、
「それは,全員か?」
「そうだよ。誰一人殺さずに済む」
 しかし,俺は,反論した。
「お前,仲間殺してるじゃねーか」
「……それは,多めに見て欲しいポイントだよね」
 ミルは,そう言った。
 そして,ミルは,
「三つ、天約」
 そう言うと、俺の視野が狭くなった。
「あ,そんだけなんだ」
 それを聞いて,俺は,ミルに聞いた。
「その約束とやらは,なんなんだ?」
「え?わからないの?なら,教えないよ」
 ミルは,意地悪げに微笑んだ。
「ただ,一つだけ言えるのは,君の宝だよ」
 ミルは,それだけ告げた。
 そして,
「四つ、章約」
 その瞬間、俺は,口から体力の血反吐を吐いた。
 あ、喋れない。
 俺は,それだけを気にした。
 というより、それしか気にならなかった。
しおりを挟む

処理中です...