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第二章

56.

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✴︎
「今死んだとなると、魔法か、魔石か、何か?」
「そうなりますね。というより、逃げてください」
「なんで?」
 ヘスティアとミルとの睨み合いが炸裂する。
「リネイアは、悪だとあの時申し上げました。それからの話なのですが、ミル、あなたが女神王なのですか?」
「た、多分」
「なら、話は、早いです。女神王を現魔王は、狙っています。そのため、近くにいるグリッドが不要なのでしょう。ですからグリッドを殺すために大規模な遠征が始まっています」
 ヘスティアは、そう言って、息を吐いた。
「じゃ、潰せばいいじゃん?」
「「え?」」
「え?俺なんか変なこと言った?」
 俺は、そう言った。
「だって、敵が一斉に攻めてくるってことは、一気につぶちゃえば、俺らの勝ちじゃん?」
 俺は、何事もなかったかのようにそう言った。
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