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第二章

60.

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 滅亡へのカウントダウンが始まった。
 ヘスティアは、ただそれだけを思っていた。
 誰にも聞かれずに。
 誰にも悟られずに。
 俺は、剣を振るっていた。
 兄貴だってそうだ。
 剣じゃ、俺よりも兄貴の方が強かった。
 でも、今は、違っていた。
 何度も何度も練習した俺と兄貴とでは、人とドラゴンというほど差が出ていた。
 だから、簡単に兄貴の剣技なんて、ぶちかませる。
 弱い。
 そう思っていたから、兄貴の考えに気づくことができなかったのだろう。
 それは、紛れもない。俺の落ち度だった。

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 二章クライマックスへ
 そして、三章。
 どうぞよろしくお願いします。
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