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第二章

62.

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✴︎
 そして、その魔力は、全身から溢れ出て、
「魔王様、命令を」
 ヘスティアは、別人になったようだった。
「兄貴を殺せ」
 俺は、そういうと、ヘスティアは、音もなく、兄貴を殺した。
 その絶命の大鎌で。
「憎いな……全てを壊したいな……あいつら……人間どもめ」
 俺は、そう言って、立ち上がり、魔王の席に座る。
「ヘスティア……」
「はいっ!」
 ヘスティアは、跪く。
 そして、俺のことを見上げる。
「六魔将軍を連れてこい」
「御意」
 ヘスティアは、そう言って消える。
 俺は、まっすぐ扉を見る。
 そこには、ミルの死体があった。
 俺は、その死体を見て、
「ブレイズっ!」
 燃やした。
 醜い死体だったからだ。
 どうして首を切らない。
 どうして、腹なのだ。
 俺は、それを思い続けた。
 すると、いつも間にか、六魔将軍が集まっていた。

✴︎
 二章は、これで終わりです。
 次回からは、三章です。
 ミルが死に、魔王となったグリッド。
 その続きを見てあげてください。
 三章は、5話程度描き終わったら、投稿を始めます。
 連続しないかもしれないと思いますが、よろしくお願いします。
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