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第三章

73.

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 しかし、神サマは、簡単には、折れない。
 神々しい魔力を持った天神が折れたとしても、神サマは、折れない。
 禍々しい魔力を持った魔神がどれだけ行ったとしても、神サマは、折れない。
 それが絶対頂点に君臨する神サマだ。
「神サマ、どうか、魔神も言うことに耳を傾けてください!」
「天神一号。貴様には、何度同じことを言ったと思っているんだぁ?いい加減にしろよっ!このゴミクズめガッ!」
 神サマの怒雷に天神一号と呼ばれたものは、撃ち抜かれる。
 そして、体から白い粉を吹き出す。
 輪廻転生。
 神サマは、これだけを言い続ける。
 天神一号は、やがて、消えた。
「神サマ」
 そこに例の魔神がやってくる。
「馴れ馴れしく呼ぶなと言っておるだろガッ!」
 魔神に向かって怒雷が落ちる。
 しかし、魔人は、ただ、右手を前に出しただけで、その怒雷を打ち消した。
 そして、やり返しに怒雷を放つ。
 しかし、その怒雷には、禍々しい魔力しか込められておらず。
 神聖性は、感じられないものだが。
 神サマは、その怒雷を怒雷で相殺する。
 その後は、お互いに睨み合う。
「貴様、何をしにきた」
「私は、人間を殲滅する方法について話をしにきました」
「人間を……殲滅?」
「ええ、そうです。憎い人間を殲滅する方法ですよ。神サマ」
 そう言って魔神は、笑った。
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