呪う一族の娘は呪われ壊れた家の元住人と共に

焼魚圭

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ホムンクルス計画

脱出

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 狭い廊下を走り、迫り来る男たちに万年筆が勢いよく敗北を描いていく。次から次へと立ち塞がる研究員たちに刹菜は心底呆れていた。
「全く、次から次へと。研究所ってなんだ、人の姿をしたゴキブリの繁殖の研究でもしてたのか」
 走り、魔法の万年筆で相手を殴り続ける刹菜の後ろには魔力を練る事に疲れた洋子がただ立っているだけ。刹菜はその様子を目の端に捉えてニヤついた。
「力の使い所は大切、ここテストに出るよ、魔女若葉マークさん」
「ごめんなさい」
 謝る洋子。相手を万年筆で一通り殴り倒し終えたところで刹菜は洋子の頭を撫で付ける。
「いいのさ、助けてくれてありがとう、感謝の意を表するよ」
 ポケットを探り、そこからクッキーを取り出した。
「まさか〈お菓子の魔女〉にお菓子を渡す日が来るなんてね。ほら、これ食べて休むんだ」
 クッキーを手渡された洋子は心の底から照らし出す明るい笑顔を見せていた。
「可愛い子はやっぱ可愛いな、可愛すぎて可愛がりたいくらいだ」
 そんな言葉を受け取って笑顔のように明るい声で言ってのける。
「刹菜さんも可愛いよ」
 一瞬面食う。そこから顔を赤くしていつものニヤけ面は崩れ、照れた顔が露となったのであった。
「簡単なお世辞……こんな顔した子にエラく上手に言えるな」
 事実、刹菜は真ん中からよりも下から数えた方が早いくらいであろう。
 洋子は首を横に振る。
「そういうところだよ。普段ふざけても素直な心は混ざってるし褒めたら照れるところとかめっちゃ可愛い」
「ははは、そう言っていただければ嬉しいね。お褒めに与り光栄です、みたいな」
 そうして走り出し、途中で床に伏している一真を無視しようとした刹菜を呼び止めた上で洋子が拾い上げ、そして魔女研究所という無機質の塊のような施設の口から出る3人。ようやく脱出を果たして目的は達せられたのであった。
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