呪う一族の娘は呪われ壊れた家の元住人と共に

焼魚圭

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ホムンクルス計画

それぞれの結末

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 闇に覆われたその空の下、月明かりに照らされた和服姿の美少女、綾香は背負っていた少女を公園のベンチに座らせてゆする。
「ゆうな起きて、おはようの時間だよ」
 目を開けて擦る悠菜は辺りを見回して綾香の姿をその目に見た。
「おはようの時間って……まだ夜だよあやか」
 悠菜は綾香の服装を見て微笑んだ。
「やっぱり似合うね、これから戦いに行くの? あやかの敵は私が倒したよ」
「ありがと。これからは一緒に平和の為に敵をやっつけちゃうぞがおー」
 綾香はその声と言葉で服装から漂う気品を壊し尽くしていた。



 ある液体を浴槽に注いで十也をそこに連れて行った奈々美のあの時の顔を思い出していた。
 さぞかし嬉しそうな顔で「彼女の私が脱がせてア・ゲ・ル! 彼女と一緒にお風呂入るの良いでしょ」と言って一緒に着いて行こうとしていた奈々美に対して入浴前であるにも関わらずのぼせているように見える程に顔を赤くして断った十也。
 これから本格的に甘い生活が待っているのだろう。変わっていくものが不安で怖くて、しかしそれが来るのが楽しみで仕方がないのであった。
「石鹸はあるかしら。持って来てあげようと思うのだけど」
「結構です」
「丁寧語禁止令をだしたはずよ」
 ドアの向こうから聞こえてくる声を聞いて先程と違った意味で色々と不安に思う十也であった。



 あるアパートの一室で叫ぶ少女。
「時間を凄くムダにした! 時は金なりつまりこれは無駄遣いと変わりない、なんなら勉強もそれと同じなんだ今日はサボってやろ」
「行きなさいバカ、せめて高校は卒業しな」
 美しい顔をした大人な女性の真昼の怒声に驚き飛び上がる刹菜。そんな刹菜に更に言葉をお送りする少女がいた。
「高校なんて行けない人が多い。私の故郷では。行けるだけで幸せだと思わない? 贅沢者」
「うわああぁぁんヴァレちゃん酷い! こうなったら友だちに会いに通学してやる待ってて那雪、洋子」
「私はここにいるよ、刹菜ちゃん」
「洋子愛してる」
「まぁ、嬉しい」
 頬に手を当ててうっとりとしている洋子であった。蕩けそうな表情はまさに〈お菓子の魔女〉と呼ぶに相応しいお菓子のように甘いものであった。



 今日もまたひとり、家を出て歩いていく。昨日の呪いは解けたものの未だに気分は優れない。
-もう少し、楽になれたらなぁ-
 那雪はメガネ越しにいつも眺めている景色を今日も目に映しながら歩いていく。
 弱っているせいか、その景色はいつもよりも優しく美しく見えた。
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