あたし、料理をする為に転生した訳ではないのですが?

ウサクマ

文字の大きさ
70 / 122
森とイノシシと奴隷商人

高級食材……らしいです

しおりを挟む
例の部隊分けから2時間後……あたし達はイノシシを処理する為に森に入ります。

メンバーはあたしとデストさん、ビートさんとリベンさん、翡翠さんとピーニャ、何故か付いて来たイブ、アーチさんの知り合いだという剣士の女性、マジシャンの男の子、アプさんと同じタンクらしいマッチョ男の9人と1匹です。

正直人手不足感が否めませんが奴隷商の規模が不明ですし、拐われた人達の保護を考えれば仕方ないでしょう。

因みに此方の指示はデストさんに丸投げさせて頂きました。

「それにしても久しぶりだなクロマ、大体4年振りか?」

「……3年と7ヶ月振りです」

おや、知り合いでしたか?

まあアーチさんの知り合いならデストさんが会ってても不思議ではありませんが。

「クロマはアーチの兄貴の養子でな、生まれつき水魔法の素質があるらしい」

「……水じゃなくて、氷魔法です」

水と氷って別系統扱いなんですね……これは覚えておきましょう。

「よし、あの川を拠点にしてイノシシを誘き寄せよう」

「水があれば赤の被害は最小限に抑えられますし、肉や内臓の血抜きも楽に出来ますからね……そうしましょう」

ネットで猟師はイノシシを仕留めたら皮を剥いでお腹を割いてから川に沈めて血抜きするという記事を読んだ覚えがあります。

まさかそれを実践する時が来るとは思っていませんでしたが……

「あんた達の料理の腕はアーチから聞いてるし、疑う訳じゃないんだが……本当にイノシシなんて食えるのか?」

「アタシは味に拘りなんてないが、流石に不味すぎるのは嫌だよ?」

「僕は別に……口に出来れば何でもいいです」

うん、三者三様のご意見ありがとうございます。

それにしてもクロマ君……見た所イブやナクアちゃんと同じぐらいの歳でしょうに、どんな生き方をすればこんな仕事中の社畜じみた発言が出来るんですか?

まあ食べさせるからには美味しくするつもりではいますけど。

「大丈夫です、キュア様の料理を食べればあんな事、2度と言えなくなります!」

イブの信頼が重過ぎるんですがそれは……というか敬語は止めて下さいよ本当に。

それとクロマ君、イブが横に来た途端に顔を赤くしてますが女の子に免疫ないんですか?



さて、休憩所代わりにテントを張ったし作業開始といきますか。

「イノシシはなるべく深い所で、首を跳ねてから腹を割いて仕留めろ!無理そうなら腹の中身だけでも沈めてくれればいい!」

「よし、誘き寄せるぜ……【挑発】!」

ゲームではタンク役が必ず使っているのを見る挑発……盾でドラミングしているみたいですがあんな感じだったんですね。

そういえばアプさんが今まで挑発を使う所を見た事ありませんが……

「姐さんが挑発を使うとドMまで誘き出しちまうからな……お嬢の教育に悪いからって普段は封印してるらしいぞ」

納得しました。

「おりゃあっ!」

「……【アイスブレード】」

女剣士の太刀筋も見事ですがクロマ君の氷魔法も中々の威力ですね。

もしかしてあの氷の刃で魚を捌ければ鮮度を損なう事なくお刺身に出来るのでは?

「よし、俺等もやるか……嬢ちゃんは解体しながらあいつらも手伝ってやってくれ」

「解体自体はデストさんの方が慣れていますからね……イブは皆さんに支援魔法、状況次第で回復もして下さい……それと焚き火を絶やさない様に注意していて下さいよ」

「は、はい」

おっと、その前に……

「【バリア】、【シールド】、【ミラージュ】」

バリアは物理攻撃をある程度防いでくれる魔法、シールドは魔法攻撃を防いで、ミラージュは一定時間敵意を持つ相手から姿を隠してくれる魔法です。

イノシシに気をとられている間はイブが無防備になってしまいますからね……その間に拐われでもしたら危険ですし。

「その魔法陣の内側に居れば安全ですから、なるべく動かない様に」

「わ、解りました……」

これで良し……ではイノシシ狩りといきましょう。

「何だかんだ言いながら面倒見がいいな……今回のはちょいと過保護な気もするが」

自覚はしていますよ……うん。




「はいキュアちゃん、そっちに行ったわよ」

リベンさんなら自分で仕留められるんじゃ……って7匹に囲まれていましたか。

なら仕方ないですね。

「【雷 (中)】!」

よし、後は腹を割いて内臓と赤を取り出して……と。

流石に手持ちの包丁ではイノシシの首は落とせませんからね……

「ピーニャ、【風刃】」

「グルッヒャー!」

以前にもイノシシの首を落としてくれたあの魔法……ピーニャの技能だったんですね。

翡翠さんの指示なしで使ってくれたピーニャに感謝して次にクックーを料理する時はリクエストを聞いてあげましょう。

それにしてもさっきからビートさんが静かだと思ったら……突進してきたイノシシの首を掴んで捻り切って、手刀で腹を割いていました。

何ですかこの人間凶器……リベンさん以外の皆さん、ピーニャまでもがドン引きしていますし。

そりゃこんな人(?)に鍛えられればアプさんも強くなりますよね……あたしも鍛えて貰った方がいいでしょうか?

「止めとけ……それで強くなってもロウが泣くだけだぞ」

……容易に想像出来ましたので止めておきます。




「……これで何体目でしたっけ?」

「さぁな……200体目から数えるのが馬鹿らしくなって止めちまったよ」

時刻は大体オヤツの時間辺り……お昼も食べずにずっとイノシシを狩っては解体していましたよ。

どんだけ埋め込んだんですか奴隷商共は!

「流石に疲れたな……イノシシは粗方片付いたし一旦飯にするか」

「賛成です……いい加減お腹が空きました」

飯と聞いたからか他の皆さんもテントに集まりましたし、手早く作りましょう。

あ、皆さん焚き火に群がったら料理が出来ないから、少し離れて下さいよ。

「全員ずっと水に浸かってたし……嬢ちゃんは豚汁ならぬ猪汁を頼むわ、豆腐と野菜、それと醤油に味噌にジンジャーは俺の荷物に入ってるぜ」

「解りました」

お肉や出汁を取る骨は腐る程ありますからね……たっぷり使わせて頂きます。

それにジンジャーがあるなら身体を温めるのには効果的ですし。

「それと俺は……嬢ちゃんでも食った事がないだろう特別料理を食わせてやる」

元肉屋の息子が作る特別料理……非常に気になりますね。

デストさんの料理の腕は実証済ですし、期待しておきましょう。

「イブは……おにぎりは出来るか?」

「あ、それぐらいなら……出来ます」

ンガイに向かう道中にあたしとコカちゃんが教えましたからね……焼きおにぎりも作れる様になっていますよ。

「イブちゃんだけじゃ大変だろうし、ワタシも手伝うわよ」

リベンさんは料理出来たんですね……アプさんがアレだったからてっきり出来ないとばかり思っていました。

絶対に口には出しませんけど。

さて、おにぎりも出すならすいとんを入れる必要はないですしパパッと作りますか。

今回は時間がないから下処理をしたイノシシの骨を砕いて、布で包んでから出汁を取って……と。

こうすれば短時間で美味しい出汁が出ます。

小まめに灰汁を取りながらイノシシの肉を半分入れて、野菜を切って入れたら骨を包んだ布を取り出して残りの肉を炒めて、野菜が煮えた所で味付けしてから加えて……と。

仕上げに豆腐を千切りながら入れて、少し煮込めば出来上がりです。

「……あのお嬢ちゃん、イノシシの骨を素手で砕いて、というか握り潰してなかったか?」

「やっぱそう見えた……よねぇ」

「……怖い」

そこ、失礼な事は言わないでくれませんかね?

金槌はデストさんが使っていたから、ついでで鋼の特訓をしただけですよ。

「そういやお嬢ちゃんはデュロックとかいうオークから技能を習ったとか聞いたな……あの魔拳ってのがそうなのか?」

「ええ、それで光、雷、鋼があたしに使える属性みたいです」

「鋼とはまた珍しい属性を使える様になったな……普通はドワーフか、俺みたいなスミスにしか習得出来ないらしいんだが」

この世界はエルフやオークが居ますし、そりゃドワーフだって居ますよね……今まで会った事ありませんが。

ってその口振りだとデストさんも鋼属性持ちなんでしょうか?

「一時的に武器を強化する【硬質】って技能があってな……そこら辺の木の棒すら鉄パイプみたいに硬く出来るぞ」

あたしの鋼に似た技能ですね……此方は自分の拳にしか効果がありませんけど。

おっと、そろそろおにぎりも出来上がりますね……とりあえず食べましょう。




「あぁ……冷えた身体にこの熱々のスープが沁みるなぁ」

「これは本当にイノシシの肉かい?こんなに柔らかくて美味いなんて」

「……美味しい」

やはり寒い時に食べる具沢山の豚汁は格別ですね……これ豚じゃなくて猪ですけど。

おにぎりは味噌を塗って焼いてある様で、何だか懐かしい味がします。

「それじゃこいつも食ってみないか?」

これがデストさんが作った特別料理……

「イノシシの脳ミソを塩茹でして、スライスしてからレモン果汁と醤油で作ったポン酢を掛けたんだ」

まさかのイノシシの脳ミソ!?

「肉はある程度熟成させた方が美味いが、内臓や脳ミソは新しい方がいいんだ……仕留めたその日の内なら格別だぞ」

成程……解体までする肉屋なら食べる機会は沢山あったでしょうからね。

あたしも一度は食べてみたいと思っていましたけど、ロウが難色を示していたから諦めていましたが……まさか今日食べられるとは思いませんでしたよ。

「他にも商品にならないが美味い部位に膀胱とかがあるんだが……このメンバーにはオススメ出来ねぇな」

人によってはセクハラ扱いになりますからね……

それにイブやナクアちゃんに説明を求められたら羞恥プレイになりかねません。

まあそれはさておき、今は脳ミソを味わいましょう。

「むむ……白子みたいなネットリとした食感に濃厚な旨味、それがポン酢でサッパリと幾らでも食べられますね」

「ほう、こりゃ美味い……だがどういう訳か、食う程に酒が欲しくなるなぁ」

「気持ちは解るが今は我慢しなよ……アタシまで飲みたくなっちまう」

「これは美味しいわねぇ……キュアちゃんから醤油を貰っているし、家でも作ってみましょう」

「うむ……終わったらまたイノシシ狩りに行かんとな」

ビートさん、多少味が違うかもですが、これはビフーの脳ミソでも作れますからね?

「……僕はちょっと、苦手かも」

「私もちょっと……美味しいとは思うんですけど」

ふむ、イブとクロマ君は苦手ですか……となるとナクアちゃんとコカちゃんにも受けないかもですね。

というかクロマ君は先程、口に出来れば何でもいいとか言ってませんでしたかね?

「うーん……私もちょっと苦手な味かな」

「ウマイ、ウマイゾ!」

ピーニャはがっついてますが翡翠さんは苦手みたいですね。

「この様子からすると……嬢ちゃんは間違いなく姐さんに匹敵する酒豪になれるな」

それはどういう意味ですかねぇ?

そりゃお酒には興味がありますけど。




その後は少し休憩してから再びイノシシを夜中まで狩り続けて……

何度か往復しながら大量の肉と骨を村まで運び、徹夜でトンコツならぬイノシシスープ作りに精を出しましたよ。

まあデストさんや領主邸の料理人達も手伝ってくれましたけど。

ロウ達が帰って来たらこのスープでラーメンを作りますからね……たっぷり仕込まねばなりません。

「暫くは解体したくねぇ……疲れた」

「ですね……」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

最強チート承りました。では、我慢はいたしません!

しののめ あき
ファンタジー
神託が下りまして、今日から神の愛し子です!〜最強チート承りました!では、我慢はいたしません!〜 と、いうタイトルで12月8日にアルファポリス様より書籍発売されます! 3万字程の加筆と修正をさせて頂いております。 ぜひ、読んで頂ければ嬉しいです! ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 非常に申し訳ない… と、言ったのは、立派な白髭の仙人みたいな人だろうか? 色々手違いがあって… と、目を逸らしたのは、そちらのピンク色の髪の女の人だっけ? 代わりにといってはなんだけど… と、眉を下げながら申し訳なさそうな顔をしたのは、手前の黒髪イケメン? 私の周りをぐるっと8人に囲まれて、謝罪を受けている事は分かった。 なんの謝罪だっけ? そして、最後に言われた言葉 どうか、幸せになって(くれ) んん? 弩級最強チート公爵令嬢が爆誕致します。 ※同タイトルの掲載不可との事で、1.2.番外編をまとめる作業をします 完了後、更新開始致しますのでよろしくお願いします

『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』

とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~ -第二部(11章~20章)追加しました- 【あらすじ】 「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」 王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。 彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。 追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった! 石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。 【主な登場人物】 ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。 ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。 アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。 リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。 ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。 【読みどころ】 「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~

いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。 地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。 「――もう、草とだけ暮らせればいい」 絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。 やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる―― 「あなたの薬に、国を救ってほしい」 導かれるように再び王都へと向かうレイナ。 医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。 薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える―― これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。 ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

処理中です...