123 / 140
エルフで菜食主義だったら駄目なのかよ
ケンタンの宴会・恩師の試験添え
しおりを挟む
よし、丸ごとのブタにトンカツ用のヒレ肉、お好み焼き用のロース肉にブタのベーコンは準備できた。
オヤッサンに頼んだ大量のキャベツもあるし、可愛い妹がお好み焼きの準備をしてクティがトンカツの用意をしている。
ベーコンは予め金串に刺したから手の空いた奴が焼いて運べばいい。
プルドポークは前日に焼いたから野菜やベーコンと一緒にバンズで挟むだけでキャリやミディにも作れるし、可愛い妹が指導もした。
後は俺がブタを丸焼きにすればいい。
しかし何か大事な事を忘れてしまっている様な気がするんだが、何だったかな?
トゥール様の話によると元国王が来るのは3日後だから違う筈、あんこうは更に後だし、後は……
「パパ、ナチャちゃん達はどれぐらいで来るの?」
……ああそうか、今日から桃花の所の子供達を1週間ぐらい預かるんだった。
今回は物々交換用の品物をマリアに一任したが問題なく揃っている筈だ。
「ウメオ、物々交換用の品物はベーコンだけ揃ってない……ウシ50ブタ50、地下室から出して来て」
「解った、タープの気を反らすのは頼む」
「任せて」
地下室の出入口にある梯子は妊婦にはキツいからな……俺かレクタさんが出すしかないんだが今は引き継ぎだ何だで忙しそうだから俺がやるしかない。
タープも安定期に入ってから食欲が元通りになってるし、つまみ食いされるのは避けねば。
「ほなこの品物は送っといたるから一週間、頼んだで」
よし、これで次はあんこうをやった翌月だな。
そしてちゃっかりとあのワイヤーがあるし、マレス用のサンタマリアを作れる。
とはいえ今は魔鉄がないからペスカタに行かなきゃ作れんけど。
さて、子供達の世話はタープとマリアに任せつつブタを丸焼きにする準備をせねば。
今回は皮も食って貰う為に味付けは最小限にして焼こう。
「ジー……」
「お前は確か勇一……デストの息子のガドラだったか、何でそんなに見てるんだ?」
「父ちゃんが言ってた、料理はまず見て覚える物だって」
まあ確かに……俺も最初はダニエルさん達が焼いている姿を見て覚えたからな。
「兄さん、そんなに近くで見てたらおじさんに迷惑だよ」
「邪魔するなイドラ、これは俺にとっては必要な事なんだ」
「いや、コンロや炭火に近付き過ぎなきゃ見るのは構わんぞ」
流石に火傷されたら申し訳ないからな。
そもそもこいつより近くで見てるミディのが怖いぐらいだ。
てかおじさんて……まあキャリの友達なら俺をそう呼ぶよな。
ふむ、実際に呼ばれても全く気にならないのはやはり娘が居るからか?
「はいはい、ミディさんは急いでハンバーガーを作るよ」
「ああ待って、もう少しだけ見させて下さい!」
まあ、材料さえ揃えばまた焼いてやるから今回は我慢してくれ。
「ほな、ワイの退任と翌年から就任する新族長のカーゴを祝して……乾杯や!」
「「「カンパーイ!」」」
ハハハ、忙しいなチクショウ!
全員ひたすら食っては酒を浴びる様に飲みやがって……俺も酒が飲みたい。
だが今回はキャリも手伝っているからか預かった子供達も我先にと働いてくれているのは助かる。
「……っと、炭火の火力が落ちて来たな」
新しく炭を追加して下から扇がねば。
ベーコン……はキャリの側か、なら団扇を使おう。
「アシダカ、風だして!」
「はい、マスター」
お、何故かそよ風……かつコンロに入れた炭が早くも引火してる。
「もしかしてそいつがナチャの幻獣か?」
「うん、シルフのアシダカ!」
シルフ……ってファンタジーなゲームだと風の妖精とか呼ばれてたっけな。
風はベーコンより調節が上手いらしいがそれも納得だ。
とりあえずお礼として焼きたてのベーコン串をくれてやろう。
「お兄ちゃん、こっちも炭を追加したいんだけど」
「ガドラ、この袋を苺心の所まで運んでくれ……それとアシダカはまた風を頼む」
「「「はーい!」」」
さて丸焼きは……よし、いい感じに焼けた。
こいつを炭火から下ろしたらアルミホイルに包んで休ませて……その間に俺も食っておかねば。
流石に飲まず食わずはキツいしな……可愛い妹のお好み焼きとクティがカツサンドを用意してくれていたのは有難い。
「ご苦労だなボーイ、まずは一杯やりな」
「ジョニーさん、居たなら手伝ってくれよ」
差し出されたのはバーボンだったが……まあ一杯ぐらいなら構うまい。
てかジョニーさんの酒を断るなんて蛮行、俺には出来ん。
「ハハハ、これもピットマスターの役目って奴だぜボーイ……それに助言はしてやっただろう?」
「まあな、正直助かった」
あー、炭火で火照った身体に冷えたバーボンが染み渡る……しかも芥子を効かせたカツサンドによく合う。
まあバンズで挟んでるせいか見た目はカツバーガーだけどな、この世界には食パンがないから仕方ない。
「所で、この丸焼きはどうやって食わせるつもりなんだ?」
「好きな部位を好きな大きさにカットしてそのままかぶりついて貰う予定だが……何か問題あるか?」
「問題はないな、俺の分は脳ミソを燻製岩塩で頼むぜ」
「解った」
なら先に取り分けて……いや、脳ミソなら俺かジョニーさんしか食わないだろうからいいか。
「ホゥ、肉の焼き加減に脳ミソの火の通りも充分だな」
「ブタの丸焼きは牧場長から徹底的に仕込まれたからな」
本当に、牧場でバイトする度に焼かされていた気がする……
それが俺の、たまに可愛い妹の晩飯にもなる事があったから真面目に焼いたけど。
「……よし、そろそろいいかもしれんな」
……最初はあのピットメンバーの遺言、その次がダニエルさんの遺言で、今度は何だ?
「ボーイ、お前に最後の試験を出してやる……課題は【俺を唸らせられるガンボ】だ、解ってるだろうがオクラさえ入っていれば他は自由にやれ」
ジョニーさんを唸らせるガンボ……だと!
てかジョニーさんの試験ってあのワニじゃなかったのかよ!
「期限は……そうだな、ボーイは今キングの依頼を受けているらしいからアングラーとビールをやりに行く前日にしよう」
元国王の依頼と被せない様にしてくれたのは有難いがガンボ……今までで一番の難題が来やがったな。
だがここまで来たらもうやるしかないだろう。
とりあえず明日からはガンボの軸にする肉から選ばんとならんな。
オヤッサンに頼んだ大量のキャベツもあるし、可愛い妹がお好み焼きの準備をしてクティがトンカツの用意をしている。
ベーコンは予め金串に刺したから手の空いた奴が焼いて運べばいい。
プルドポークは前日に焼いたから野菜やベーコンと一緒にバンズで挟むだけでキャリやミディにも作れるし、可愛い妹が指導もした。
後は俺がブタを丸焼きにすればいい。
しかし何か大事な事を忘れてしまっている様な気がするんだが、何だったかな?
トゥール様の話によると元国王が来るのは3日後だから違う筈、あんこうは更に後だし、後は……
「パパ、ナチャちゃん達はどれぐらいで来るの?」
……ああそうか、今日から桃花の所の子供達を1週間ぐらい預かるんだった。
今回は物々交換用の品物をマリアに一任したが問題なく揃っている筈だ。
「ウメオ、物々交換用の品物はベーコンだけ揃ってない……ウシ50ブタ50、地下室から出して来て」
「解った、タープの気を反らすのは頼む」
「任せて」
地下室の出入口にある梯子は妊婦にはキツいからな……俺かレクタさんが出すしかないんだが今は引き継ぎだ何だで忙しそうだから俺がやるしかない。
タープも安定期に入ってから食欲が元通りになってるし、つまみ食いされるのは避けねば。
「ほなこの品物は送っといたるから一週間、頼んだで」
よし、これで次はあんこうをやった翌月だな。
そしてちゃっかりとあのワイヤーがあるし、マレス用のサンタマリアを作れる。
とはいえ今は魔鉄がないからペスカタに行かなきゃ作れんけど。
さて、子供達の世話はタープとマリアに任せつつブタを丸焼きにする準備をせねば。
今回は皮も食って貰う為に味付けは最小限にして焼こう。
「ジー……」
「お前は確か勇一……デストの息子のガドラだったか、何でそんなに見てるんだ?」
「父ちゃんが言ってた、料理はまず見て覚える物だって」
まあ確かに……俺も最初はダニエルさん達が焼いている姿を見て覚えたからな。
「兄さん、そんなに近くで見てたらおじさんに迷惑だよ」
「邪魔するなイドラ、これは俺にとっては必要な事なんだ」
「いや、コンロや炭火に近付き過ぎなきゃ見るのは構わんぞ」
流石に火傷されたら申し訳ないからな。
そもそもこいつより近くで見てるミディのが怖いぐらいだ。
てかおじさんて……まあキャリの友達なら俺をそう呼ぶよな。
ふむ、実際に呼ばれても全く気にならないのはやはり娘が居るからか?
「はいはい、ミディさんは急いでハンバーガーを作るよ」
「ああ待って、もう少しだけ見させて下さい!」
まあ、材料さえ揃えばまた焼いてやるから今回は我慢してくれ。
「ほな、ワイの退任と翌年から就任する新族長のカーゴを祝して……乾杯や!」
「「「カンパーイ!」」」
ハハハ、忙しいなチクショウ!
全員ひたすら食っては酒を浴びる様に飲みやがって……俺も酒が飲みたい。
だが今回はキャリも手伝っているからか預かった子供達も我先にと働いてくれているのは助かる。
「……っと、炭火の火力が落ちて来たな」
新しく炭を追加して下から扇がねば。
ベーコン……はキャリの側か、なら団扇を使おう。
「アシダカ、風だして!」
「はい、マスター」
お、何故かそよ風……かつコンロに入れた炭が早くも引火してる。
「もしかしてそいつがナチャの幻獣か?」
「うん、シルフのアシダカ!」
シルフ……ってファンタジーなゲームだと風の妖精とか呼ばれてたっけな。
風はベーコンより調節が上手いらしいがそれも納得だ。
とりあえずお礼として焼きたてのベーコン串をくれてやろう。
「お兄ちゃん、こっちも炭を追加したいんだけど」
「ガドラ、この袋を苺心の所まで運んでくれ……それとアシダカはまた風を頼む」
「「「はーい!」」」
さて丸焼きは……よし、いい感じに焼けた。
こいつを炭火から下ろしたらアルミホイルに包んで休ませて……その間に俺も食っておかねば。
流石に飲まず食わずはキツいしな……可愛い妹のお好み焼きとクティがカツサンドを用意してくれていたのは有難い。
「ご苦労だなボーイ、まずは一杯やりな」
「ジョニーさん、居たなら手伝ってくれよ」
差し出されたのはバーボンだったが……まあ一杯ぐらいなら構うまい。
てかジョニーさんの酒を断るなんて蛮行、俺には出来ん。
「ハハハ、これもピットマスターの役目って奴だぜボーイ……それに助言はしてやっただろう?」
「まあな、正直助かった」
あー、炭火で火照った身体に冷えたバーボンが染み渡る……しかも芥子を効かせたカツサンドによく合う。
まあバンズで挟んでるせいか見た目はカツバーガーだけどな、この世界には食パンがないから仕方ない。
「所で、この丸焼きはどうやって食わせるつもりなんだ?」
「好きな部位を好きな大きさにカットしてそのままかぶりついて貰う予定だが……何か問題あるか?」
「問題はないな、俺の分は脳ミソを燻製岩塩で頼むぜ」
「解った」
なら先に取り分けて……いや、脳ミソなら俺かジョニーさんしか食わないだろうからいいか。
「ホゥ、肉の焼き加減に脳ミソの火の通りも充分だな」
「ブタの丸焼きは牧場長から徹底的に仕込まれたからな」
本当に、牧場でバイトする度に焼かされていた気がする……
それが俺の、たまに可愛い妹の晩飯にもなる事があったから真面目に焼いたけど。
「……よし、そろそろいいかもしれんな」
……最初はあのピットメンバーの遺言、その次がダニエルさんの遺言で、今度は何だ?
「ボーイ、お前に最後の試験を出してやる……課題は【俺を唸らせられるガンボ】だ、解ってるだろうがオクラさえ入っていれば他は自由にやれ」
ジョニーさんを唸らせるガンボ……だと!
てかジョニーさんの試験ってあのワニじゃなかったのかよ!
「期限は……そうだな、ボーイは今キングの依頼を受けているらしいからアングラーとビールをやりに行く前日にしよう」
元国王の依頼と被せない様にしてくれたのは有難いがガンボ……今までで一番の難題が来やがったな。
だがここまで来たらもうやるしかないだろう。
とりあえず明日からはガンボの軸にする肉から選ばんとならんな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
134
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる