Shine

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第一幕

視線

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60分の授業が終わり、休み時間になった途端カイヤのもとへクラスメイト達が押しかけていた。


「カイヤ君はどこから引っ越してきたの?」

「えっと…ベルギルドから」

「ベルギルド!?超遠いところじゃん!」

「てか、この学校に来たって事はやっぱ音楽に興味ある感じ!?」

「うん。昔、少しの間だけピアノやってたから」

「へー!そうなんだ!どんな曲弾くの?」

「基本的に自分で作曲した曲を弾いたりするけど...昔の音楽家達の曲をメドレーで弾いたりもするよ」

「作曲出来るの!? カイヤ君、勉強も音楽も出来るって凄すぎ!」

「...そんな事無いよ」


...やっぱり、間違いない。あのピアニストだ。昔の新聞記事のインタビューの時にも「作曲したりもする」って言ってたし...
ってか、何で皆んな気付かないの!?
そいつ、結構な有名人だぜ!?


「人気者だねー。彼。」

「え?あ、そうだな」

「あまり興味ない感じ?」

「まぁ、そうかも」

「ふーん。あ、ところで朝、言いかけてたやつの続きは?」

「すっかり忘れてた。えっと、ホ短調で哀愁が漂う曲調だったんだよ。明るいはずなのに…なんか悲しくなる感じだった。」



ガタッ




隣の席…つまり、転校生のカイヤの席から聴こえた。
どうやら、突然椅子から立ち上がったらしい。

「どうしたの?カイヤ君」

「あ、いや...別に」


教室全体がしーんと静まり返ったが、カイヤが椅子に腰を下ろすと、先程までの空気が戻った。


「どうしたんだろうな」

「ケツでも痺れたんだろ。んで、哀愁漂う音楽だっけ?俺も聴いてみてぇなぁ」

「ジェイド。お前にも聴かせたいと思うよ。でも、あの曲は絶対に遅刻する時間帯じゃないと聴けないと思う」

「そ、そこまでして聴くのはいいかな。まぁ、ナイトが聴けただけでも良かったじゃん。お前、俺が知ってる中でも大の音楽好きだし」

「まぁーな!」


俺が応えると同時に教室に先生が入ってきた。


「はぁーい!皆んな席ついてー!」


パンパンと手を叩く合図と共に一斉に皆んなが座り出す。  
俺が机の上に教科書を出そうとした時、隣から視線を感じた。
パッと横を見るとカイヤが同時に目を逸らした。

(何だ?変な奴。)

そう思いつつも、やはり視線は続いていた。
流石にその時間だけで終わると思ったが、そうとはいかず、結局その日はカイヤからの視線が一日中続いた。

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