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第一章 あれ?腐った呪いなの?

よん

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庭で猫を発見し、猫と戯れていた。
もちろん、ハノエルの記憶からこの猫たちのことは知っている。

「ハノエル?ハール?どこにいるの?」
「姉様?」
「いやん、ハル。ねえちゃまって呼んでくれていたじゃない!」

いや、流石に20歳を過ぎた男が『ちゃま』呼びは……姉様だって、きついんです!

「はあ、ハルも大人になっていくのね。」

って、あんたもまだ7歳でしょーが!
ちなみに家族は愛称でハルと呼びます。
そう、春樹の時の愛称と同じなので気持ち的にほっとする。

「リオーラ?ハルはいたかい?」
「ええ、お兄様。」
「よかった。まったく、ハルは一人でお部屋から出てはいけないよ?」
「でもね?兄様、猫さんがいたの。」

喋り方があざとい?
仕方ないじゃないか。
まだ、早口はできないし。何より家族が悲しそうにするんで、元のハノエルの喋り方そのものを真似ている。

「猫さん?ああ、マリーのところの猫か。」
「うん、プーリャン。プーリャンはお腹に赤ちゃんいるの。兄様知ってる?」

言葉は小さい子ではなくなったけど。
目覚めた時みたいに吃音にはならないからよしとしよう。
たとえ、ゆっくり喋るタイプでも。
まあ、良家の子女らしいからいいよねっておもうし。
だって、俺の喋り方がでてしまうと『頭の障害』を疑われる可能性があるんだもん。まあ、悲しみ目で見られたのもある。
何故?って?
この家での俺は天使だから。
寒い?
痛い?
俺もだよ。でも真実。
もうねえ。
メイドたちすら、天使として扱うの。陰でマイスイートエンジェルと写真(写真あったよ)にキスされてるのを見た時の俺の衝撃ったら、なかったわー。
ドン引きよー?
まあ、そんな天使アイドルハノエルちゃんなんですよ。
役としてやっていた時は……あっ、陰口で堕天使って呼ばれてたわ!
モブに!
なんか、囚われの天使とかもあったなあ。
もしかして幼少時の天使から?きてんの?
もうさあ、誰のためのゲームなんだよねえ。って、思うのは俺だけ?

「ハルは猫が好きなの?」
「うん。」

大好きだよ!
家に五匹もいたもの!
まあ、母親と妹が無類の猫好きだったからね。
俺と親父は動物ならなんでも。
本当はキバタンとかサルバトールモニターとかも飼ってみたかったんだけどさ。
両方とも高いし、日本で飼うにはかなり設備がいるしね。
キバタンは鳥だから、猫とね……うちの猫野生的だし。
サルバトールモニターはでっかいトカゲだから、女性陣から許可出ませんでした。
主に餌的な問題でね。
犬はねー、男どもは散歩があてにならんと。
特に母が無理だと言った。
ので、猫が増えたしだいです。
ちなみに、俺が死ぬ寸前に母親が猫を三頭拾ってきたから……貰い手みつかんかなかったら増えてるかもね。
まして、長男死亡……で部屋空いたしね。

閑話休題話戻すね

「なら、マリーに言ってハノエルに生まれたら一匹譲ってもらうかい?」
「いいの?」
「あら、兄様。ハノエルにはペルシャが似合うと思いますわ。」
「それもそうか。父上に聞いてペットショップに行こうか?」
「ううん、僕はプーリャンの子がいいです。だめですか?」
「そんなことない。」
「そんなことありませんわ。」

なぜか、ぎゅっと俺を抱きしめる二人。
まじ、照れます。
兄、カレイドはカッコいい!
まだ、10歳なのに高身長でイケメン。いや、まじでこのゲームで一番カッコいいって思う(身内贔屓だとしても)んだ。
リオーラは超美人。
二人ともやや目が猫目だから、きつい印象はある。
でも、リオーラは主人公より綺麗だと思うんだよね。
でもさ、俺、この二人が悪巧みするとは思えないんだよね……。
うん、俺は二人を絶対に悪役になんかしない。

でも、まじな話。
俺のお願いなんでも聞くし?
とても意地悪な令嬢で俺が頼んでもやめてくれないとは思えない。
何が、リオーラをそうさせたんだろうか?
まあ、所詮ゲームだからって言われたらそうなんだけどさ。
納得できないよね。

俺はカレイドに抱き上げられて、家の中に連れていかれた。
5歳しか差がないのに、体格差はすでに大人と子供なんだよね。
俺が小さすぎるらしいんだけどな。
5歳だけど、体から弱くて魔力が強いせいで体が成長しにくいとかなんとか……詳しくは話してもらってない。
だから見た目が2、3歳らしいんだよね。
リオーラですら俺を軽く抱っこするんだわ、これが。

「兄様、ずるいですわ。私もハルを抱っこしたいです。」
「だーめ。」
「むー!」
「兄様?僕は自分であるけますよ?」
「それもだーめ。転んだら危ないだろ?」

ね?これが人を人とも思わない極悪非道の悪役令息になるとは思えないでしょ?

ほんと、なんかこれから性格変わるなんかがあるの?

「ハル、大好きだよ。」
「私もハルが大好きだからね?」
「はい、僕も兄様と姉様が大好きです。」

だからいつまでも優しい二人でいてほしい。
俺は、そのためならどんなことでもするよ!
そして、仲良く家族で暮らそう?

……あれ?
なんか、ゲーム設定で忘れてる。
すごく重要だった。

悪役、悪役……あっ!
そうだ。ゲーム開始時点で、カレイドは公爵を継いでいた!
つまり、父と母はっ!

そう、俺は恐ろしいことに気づいてしまった。

そのことが原因かはわからないが、ゲーム開始時点……両親は死んでいるということに。
隠居?ありえない。
だって兄はまだ19歳で学生なのだから。
親がいて、継ぐなんてありえないんだこの世界は。
なんで詳しくか?
攻略者の一人が説明してくれるイベントがあったから。

絶対に死なせない!

俺は自分だけじゃなく、家族の悪いフラグも全てへし折る決意を新たにここに誓うことにする。



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