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第一章 あれ?腐った呪いなの?
にじゅう
しおりを挟む「ただいま。」
そう言って、父が俺を兄から受け取り抱き上げる。
ぎゅっと抱きしめられて、チクチクヒゲが気になるがすりすりと頬擦りされた。
俺は縫いぐるみにでもなった気になるが……今回のことでかなり心配をかけてしまっているので、仕方がない。
ちょっと痛いが我慢の子である。
「久しぶりだね?ハノエル。」
アズリア似の人に言われたが……いまいち記憶がない。
誰だろうか?
「あれ、忘れられたかなあ……。叔父さん悲しい。」
「そりゃ、兄上がハノエルにあったのは赤ん坊の時なのですから当たり前でしょう?」
後ろからアズリアがやってきて、呆れたように言った。
アズリアの兄ということは、母の兄か、弟?
つまり、叔父なわけ?か?
「本当に兄様は、いきなりなんですもの。」
「えー?だって、私が一番護衛に適しているだろう?」
どうやら母の兄のようだ。
つまり伯父さんか。
「あなた、とりあえずは部屋にまいりましょう?殿下たちもお疲れでございましょう?」
「ああ、そうだったね。つい、ね。ハノエルの顔色もいいようだし。アズリア、ありがとう。」
「いいえ。私の力など……ハノエルがよいこだったからですよ。」
そのまま抱っこのままは、恥ずかしいです。
「父様、おかえりなさいませ。でも、お客様がいるのですし、おろしてください。」
「ん?……もう少し抱いていたかったのだが……仕方がない。
紹介もあるからサロンで待っていておくれ。セバス、殿下たちを先に部屋へ案内して差し上げろ。」
「かしこまりました。」
というわけで、俺は兄たちとサロンに。
父たちとお客様方はセバスたちに案内されて部屋へ行った。
俺は人見知りじゃないけど、ハノエルは、割と人見知りなんだよね。
いや、誰にでも笑顔で挨拶できるよいこだけど、家族以外には自分から側には行かないんだよね。
これも一つの防衛心だったのかもしれない。
ほら、変態ホイホイだから……。
メイドがお茶の準備をしている間に、一体兄と姉は何をしているのか。
なんか、侍従たちに言って椅子を動かしている。
で、俺を真ん中に二人がサイドを陣取り座る。
父母が座るであろう席はまだ近いが、なんだろう二人分の席が少し遠い。
それぞれにサイドテーブルがあるからお茶とかが届かないということはない。
大きなテーブルにはお客様用が近いようなセッティング。言うなれば、テーブルで俺たちの方には来れない感じ?防衛線か?
俺たちの方に来るには、アズエルが座っている場所か、父たちが座る場所か、テーブルを乗り越えないと来れないセッティングと言ったらわかるだろうか?
「これならいいわ。」
「ああ。」
「トルーン、いい?絶対に殿下たちは向こうの席に案内するのよ?」
「かしこまりました。」
すごい警戒態勢だね、姉様。
ちなみに、ヴァルは俺の部屋でお昼寝中だ。流石に幼くても猫と一緒にお客様に会うわけにはいかないからね。
長旅で着ていた服を着替えてきた、騎士は鎧をなくしてきたみたい。
まあ、家の中で鎧もね。城なら様になるかもだけど狭い(くないんだけども)室内じゃね?暑苦しいって言うか、威圧感ありありだと言うか……ね。
「さて、まずはこちらから紹介しようか。まず、一番上の息子のカレイド、娘のリオーラ、一番下になるハノエルだ。」
「カレイドです。」
「リオーラと申します。」
「ハノエルです。」
たち上がりぺこりと頭をさげる。
兄姉の目論見通りの席の配置だ。
左の席はアズリアと伯父さん。
右の席には父と母。
向かい側……一番遠い席に、謎の白ローブの人とたぶん王子兄弟。
年からすると栗色に近い金髪がディンゲルなんじゃないかな?
だって、見ると悪い意味で心臓が痛いんだよ。
「では、私から。久しぶりだね。カレイド。リオーラはとても綺麗になったね。ハノエルは、覚えているかな?クリス、クリストファーだ。クリス兄様と呼んでくれたら嬉しいな。」
「……クリス、兄は私だけの特権です。」
「ケチだね。」
「次は、俺。ディンゲル様と呼んでくれていい。あいっかわらす、チビで女にしかみえないな!ハノエル!」
でけー声。
室内なんだから声量抑えろよ。
しかし……声に幼さや高さが加わってる感あるけど、役やってた声優の声のまんまだよなー。
マジ、似た世界ってよりゲーム世界なんだろうなあ。
大先輩ではあるけど、俺的にはあまり好きな声優ではないです。なんてゆーか、声がデカイし、暑苦しいんだよね……まあ、だいたい敵役の筋肉脳系の役が多い人だよ。本人も暑苦しいかなあ……って……あれ?この先輩出てなかったよね?
しかも、モブですらないよね?
だって、覚えてる限りいないもん。このディンゲルってさ。
まあ、いいけど。
「失礼ですわよ?」
キラリと姉の目が光る。美少女の冷たい微笑みは怖いな。
「うるせーな。俺様は、お前より偉いんだからなっ!」
「だから?御行儀がわるくてもよろしいと?私なら恥ずかしいですわ。あなたと血が繋がってるなんて!」
「なんだと!」
「確かに御行儀がなっていないね?ディンゲル?そのまま、護衛兵と王都に帰ってもいいんだよ?
忘れていないかな?無理やりついてきたのは、お前なんだけどね?
お世話になる方々に失礼とは思わないのかい?」
「あ、兄上。でも、こいつはっ!」
「ディン?リオーラにこいつ呼ばわりは失礼だと思わないのかい?仮にもリオーラは、私の許婚でお前の義姉になるかもしれないのだけどね?」
「う……。」
「それ以上暴言をいうのなら、本当に追い出すよ?」
「ふふ、私も第二王子とはいえ、無理やり押しかけてきた人間を擁護したいとは思いませんわよ?ディンゲル?それとも私にお仕置きされたいのかしら?」
「うるさい!俺は、部屋に行く!メイド、お茶を部屋に持って来い!」
ドカドカとディンゲルが出て行く。
俺の体から力が抜けた。どうも意識せず硬くなっていたようだ。
「初めまして……ではないのだけれど、ハノエルちゃんだけは初めましてかしらね?」
「そうねえ、ハノエルが生まれた時には貴女はすでに降嫁して魔導士としてましたもの。」
「ハノエル、紹介しよう。私と王の姉で今は辺境伯の元奥方でね。それまでは宮廷魔導士長でもあったのだよ。
辺境伯が亡くなり、今は息子が辺境伯を継いでいて……暇らしいし、ハノエルの教師にどうかと声をかけてみたのだよ。」
「えっと、そんな凄い方が僕を教えてくださるのです?」
「あーーーん。もう!可愛い!カレイドにも私の息子にもない可愛さじゃないの!」
若干、引きそうです……伯母様……。
Sideディンゲル
クソがクソがクソが!
馬鹿にしやがって!
俺は第二王子だけど、母様が俺が王になるべきだと言っていた!
兄上は、第一王子だって言ったって、まだ王太子じゃないし!
学園で納めた成績や人脈がものを言うって、母様が言っていた。
兄上の母親は、第一王妃だけど……別の国の王族だし。
俺の母親は、王族の血を引く由緒正しい伯爵家だ。5世代くらい前だけど、妹姫が降嫁した血を引いてるんだぞ!
だから、俺が王になるべきなんだ!
リオーラだって俺の下で……。
ハノエルだって……母様が言ってた。第二種だって。
あいつ、俺の玩具に決めたんだ。だって、第二種は玩具にして遊ぶものだって、母上が言ってた。
母上の3番目の弟も第二種でお爺様や叔父様の玩具だって言っていたから。
だからあいつは、俺の玩具に決めたんだ。母上もそれがいいっていった。それにあいつを玩具にできたら、公爵家は俺のいいなりになるって。だから、リオーラも俺の玩具にしてやる。
いや公爵令嬢だし、妻にしてやってもいいかも。
俺には玩具がいるから、リオーラは部下にたまに貸し出して忠誠を誓わせる道具にしてもいいかもな。
母上もお爺様も言っていたし、綺麗な妻は道具にもってこいだし、第二種は玩具に最高だって。
くくく、みてろ?
絶対に手に入れてやる。
だって、全てが俺に平伏すんだからっ!
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