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第二章 あれれ?王都でドキ?はやすぎない?
ヨンジュウニ
しおりを挟むとうとう、王都に向けて出発となりました。
この領地には今後、父だけが行ったり来たりすることになるそうです。
俺のせいで申し訳ないないけどね。
体弱いからあんまり行ったり来たりはできないだろうって言われてるからさ。
次に俺がかえってくるのは、自分が学校を卒業してからかもしれない。
移動で体調を壊さなくなれば……長期休みには帰ることができるかもしれないが、アズリアの話だと今は難しいと言われた。移動自体がかなり身体に負担をかけることになるからって。
父も母や俺たちに会いたいから領地にわりといたが、実際には仕事は王都にあるわけで……父も前よりも領地には帰ることが減るらしい。
だから信頼できるセバスの息子で、ルイの父が家令として、この家を維持してくれることになります。
王都の屋敷とは別に領地を持っている高位の貴族はこんな感じで、領地を留守にするわけです。
この時、信頼できるものに頼まないと……好き勝手にされちゃうわけですね。はい。
父の領地は比較的王都に近いので、そうそう悪さはできませんが、そこは代々公爵家に仕えているセバスの一族(男爵位も昔、公爵からもらったらしいです。)なので、安心です。
ましてや、セバスの認めた跡取りですからね。
「さて、出発しよう。」
家族で乗り込む馬車が、超すごい。
馬車なんだけど、キャンピングカーみたい。この五年で進歩したのかと思いきや……あまり進歩はないです。主に椅子に、タイヤに。
椅子はガタゴトお尻に優しくないままです。
が!中が広いのですよ。
小さなお茶の間くらいはあるんです。
つーまーりー。
横になって寝れちゃうのだよ。
すごいよねー。
だから、厚みのあるマットを二重に引いて、さらにモコモコのクッションを山のようにして、俺がなるべく楽にできるように最小限のお疲れで行けるようになっていた。
馬車も実はそのために特注品らしいのですよ。
愛されてるね!ハノエル。
この馬車に乗るのは家族とルイくんとセバスとメイドのレイラさん。
レイラさんは母付きのメイドさんで主に母と姉のお世話。
女性は服を緩めるのも自分じゃできないのですよ?
ちゃんと着替えできるスペースがあるんだよ?広いでしょう?
まあね、トイレやなんかはクリーンでいらないし。お風呂に入らなきゃいけないくらい遠い場所ではないのです。というか、馬車で一泊なんて……たぶん、ハノエルの体には難しいかもしれない。
試したことないからわかりませんが。
兄が入学するまで一ヶ月半ありますが、なぜにそんなに早くか?
決まってますよねー、俺が途中の休憩地点である屋敷で、熱を出さないかわからないから。
そう、俺の体調次第では、さらに王都に向かうのが伸びるわけで……それにみんなを付き合わせるのがものすごく『ごめんなさい!』って思います。
「ハノエル様、お疲れではありませんか?」
「まだ、大丈夫だよ。ルイ。」
出発して1時間ほど経った今、ルイくんが俺を心配して話しかけてきた。
でも、そんなにまだ疲れてません。
疑惑の目で見るルイくん、まじだからね?っと微笑むと、小さく短息されたのは信用が無いようってやつかな。
ルイくんとセバスは、小さな備え付けの椅子に座ってるけど痛く無いんだろうか?
俺はというともふもふの床マットの上のさらには兄のお膝に座って、兄座椅子でまったりしてます。
ヴァルは仲良しの姉猫と母猫から離してしまうのが、かわいそうかな?って思っていたら、母猫には生まれたばかりの子猫が4頭もいて……姉猫二頭、ブランとノア。
もらい受けました。
というか、常に三頭が俺についてまわるのですよ……。
それをマリーが見ていて『ハノエル様が嫌でなければ、この子たちも連れて行ってあげてくださいませんか?』と。
もう、一も二もなくオッケーだしました。
どうもね、三頭共ね?俺をこどもとしてる感じなんだよね……。
まあ、猫は大人になるのはやいもんね。
というわけで、俺の膝と脇には天然のもふもふな湯たんぽがいらっしゃいます。
「兄様、ハルの抱っこを代わってくださいませ。」
「なぜ?」
「私もハルと猫に囲まれたいからですわ。兄様ばかりずるいです。」
「それなら、父も代わって欲しいなあ。」
「えー、母様もしたいわ。」
「全員、だめです。ハルは私のですから。ね、ハル。」
と兄に微笑まれた。
はいと言うの恥ずいですよ、兄。
「えーっと。じゃ、ヴァルは姉様に、ノアは母様に、ブランは父様に行ってくれる?」
「「「に!」」」
とちょっとだけ不機嫌な声をだされましたが、俺のお願いを聞いてくれる猫たちは、頭がいいよね?
しょうがないなあって、感じでそれぞれの膝に行ってくれた。
俺はちょっとだけ寂しいが、兄がいるので我慢しよう。
猫がどいてしまい、スースーする膝にセバスに素早く温かい膝掛けがかけられた。
やっぱり、セバスの忍者疑惑が頭を離れない。いや、優秀なだけ?
そのあとは、何ごともなくのんびりと、馬車が走る。
途中でお茶を楽しんだりお昼を食べたり(馬車を止めてね)しているうちにウトウトしてきた。
あと2時間くらいで着くらしい。
ハノエルが酔ったりしないようにと、かなりスピードを抑えているので、実際には普通の人がランニングしている程度のスピードだ。
なので、さほど揺れない。
2時間、ちょうどお昼寝には良い時間ですね。
と、思っているうちに目蓋が閉じて眠ってしまったらしい。
なんで、乗り物って眠くなるんだろうねえ。
兄の体温と存在に安心して眠れるのです。
「……る、ハル、おきて?」
「ん、……に、いさま?」
「ふふ、まだ寝ぼけてるね。もう、着いたよ。」
「着いたの?」
「そう。着いたよ。」
気がついたら兄の膝枕で寝てました。
「兄様、足いたくない?」
「大丈夫だよ。」
いつから抱っこ→膝枕に変わったのか、定かではないが……2時間近く、俺の身体か頭を乗せていたのだから……兄に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ちなみに、猫もいつのまにか俺にくっついて寝ている。
「ハノエル様、こちらでお顔を拭かれたらすっきりされると思いますよ。」
と温かい蒸しタオルを適温に冷ましてから、渡された。
至れり尽くせりです。
顔を拭くとスッキリしました。
と言っても兄が拭いてくれましたけども。
俺、このままいくと兄がいないと生きていけなくなるんじゃないかな?
精神的にも物理的にも。
兄が学校に行っている間、耐えることができるだろうか?
「もう、二人はすぐイチャイチャする~。私だって、ハルとイチャイチャしたいですわ。」
「だーめ。これは私の特権だからね。」
「はいはい、いいですわよ?兄様が学校に行ってる間は、私が独り占めいたしますから。」
「あら、まあ、お母様も独り占めしたいわ。」
「父様もしたいなあ。」
「ふふ。くふっ、くふふふふ。」
もうね、なんかは笑っちゃうじゃない?
「あら、ハノエルに笑われてしまったわ。」
母の言葉がきっかけで、みんなで大笑いしてしまい、セバスに『そろそろ、中へ参りましょう。皆が待っておりますよ。』と呆れたように声をかけられました。でも、セバスも気がつくと俺の世話してるよね?
でもさあ、これが悪役一家なんて思わないでしょう。
前にも言ったけどさ、まあ、王国の闇のお仕事が関係してるせいなんだけどね……。
だかやもう、割り切ってるみたい。
だって、国に悪いことをしていないし、まあ、儲けるのも得意らしくて、余計に妬まれてはいるみたいだけどね。
中に入って、夕食前にお風呂に入ってきたらと言われたので、兄とお風呂です。
兄は15歳。
スレンダーだけど筋肉質でかっこいい!
もうね、鼻血出そうよ?
男だったら憧れますよねー。
同じ男に生まれたのに……はっきりいって、俺って本当に貧弱だわ!
肌はねー、兄とルイくんのオイルマッサージのおかげで、ツルツルピカピカよー。
ルイくんの裸は見たことがありませんので、比べる対象がいまいちいないんだけど、俺は毛もないからマジでツルッツル。
普通の10歳の子としたらあたりまえだと思うんですが……。
5歳児の時にディンゲルは生えてましたよ?脇やらアソコやらに。
ちなみに、10歳だった兄もしっかりと……。
いろんな意味で育たないんだよね、ハノエルの身体。もしかしてそのまま、春樹仕様なのかな?だったらまだわかる。俺……15歳になるまで無駄毛ありませんでした。
でも、いつかは……大人の体になるよねえ?
砦と呼ばれる意味がわかりました!
うん、砦だ。
だって石の城壁みたいな塔みたいな……そんな感じ。
立てこもったら、なかなか落とせない感じがします。
でも、中に入ったら普通の広い家だったよ。
ここのお風呂は広いんだって。
ちょっと楽しみだね。
そして、俺は兄のかっこい体を堪能します!だって、ハノエルの兄だしぃ?
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