乙女ゲームにこんな設定いらなくない?〜BL(受)の声優は乙女ゲームに転生する(泣)〜改

十夜海

文字の大きさ
166 / 178
第五章 ゲームカウントダウン?それとも開始とか?ヤバイんですが(泣)

166

しおりを挟む


薬は吐き出したって言われたけど。
でも、まったく溶けてないってふしぎだよね。

「でね、ハルちゃん。」
「はい?」
「その、発作が出たでしょう?」
「発作?って?」
「ん。まあ簡単に言ったら魔力が足りない発作かしら?」
「ああ!あーぁぁ(//////)。」

魔力が欲しくて発情しちゃうやつね……家族のいる前であまりしたくないけど、コレが普通な世界なんだよね。
こーゆーとこは、ほんと慣れないわー。

「わかったみたいね。なぜ起きたか?不思議でしょう?」

コクリと頷く。
うん、不思議なんだよね。だってさあ?
一週間前に補充って言うと変だけども、シタんだもん。
なんか、ない限りは1ヶ月くらいは発作でないもん。
なのに。

「たぶんね、お腹の子がまだ育ってもいないのに、魔力を使ったんだと思うのよ。」
「え?」
「本人というか、本能で防衛したのかはわからないけど……こればかりは、精神論だから根拠も何にもないのよ。
いままで、そんな事はなかったというか……話もないから。
何がいいたいかというと、母体を……ハルちゃんを守るために魔力を放出したんじゃないかってことなの。」
「ぼくをまも…る…?ため?」
「そうだ。」

兄がアズリアに代わって話始める。

「俺はものすごく嫌な予感が走ったんだ、誰かに呼ばれたような。
急げと急かされるような。
そうしたらヴァルが飛び込んできた。ヴァルが来るなんてハルに何かあったとしか思えない。だから、コレでハルの魔力をおった。」

兄は耳のピアスを触る。
そうだ、コレで俺がいる場所に来れるっていった。

「そして、乗り込んだが……薬を飲まされていたのは気づかなかったんだ。
でも、声が聞こえた。
息を吹き込めと。だから、キスをして息を吹き込んだんだ。
そしたら、その薬を吐き出した。」
「え……それっ……て。」

まんま、童話の白雪姫みたいじゃないか!
毒リンゴならぬ、毒薬を飲まされて……。
キスをするとリンゴのかけらが飛び出すんだよね?
俺は毒の薬だったけど。

その声は……だれ?

なんだろう、前は妹が助けてくれた。
今度は赤ちゃん?
ハノエルには、酷いことばかりおきるけど、確かに何かに守られているのかな?
『処女神の加護』が関係してるのかな?と思わなくはないけど。
BL用語でいうなら、ハノエルはもう処女じゃないんだよ?童貞ですけどね!
……前世からしたら……あれ?30歳以上の童貞?魔法使い?
いや、まあ、正真正銘の魔法使いだけども!
そうか……あので伝説は本当だったんだね。

「で、ハル、それだけじゃないんだ。」
「?」
「ハルは、お腹にも直接何がされたよね?すごいアザだったんだ。」
「え、うん。思いっきり踏みつけられた。」
「ふみっ!って!」

ピキピキって兄のコメカミに怒りマークがたくさん……よく見ると皆にあった。
特に凄かったのは、セバスの怒りマークだった。
大丈夫かな?血管切れないでね?

「……そうか、それは痛かっただろう、可哀想に。すぐに助けられなくてごめんな。」
「ううん、今は痛くないから。」
「それな、たぶん……その癒しもそのお腹の子じゃないかって。
だから、その酷い発作が来るはずだと。」

それで急いで屋敷に向かったのか。
まあ、確かに馬車ですでにエロエロになりかけましたもんね………………遠い目

「……アズリア、その話からするとハルの子はすでに自我があるのか?」
「わかりません。ただ……わかるのはこの子が強いということと、ハルちゃんを守るということね。」
「それは……助かると思った方がいいのかな。」
「そうね。」

……強い子なのは嬉しい。
兄との子だから。
アドレイド家の跡取りだから。
でも、情けない。
俺は結局……だれも守れなかった。

守りたいのに。
守られてるだけは嫌なのに。
あんなに魔法が使えるようになったのに。
どーしたらいいの?

神様!
本当に俺に加護をくれているなら、皆んなを守れる力が欲しい。

本当は平穏無事に暮らしたいのに!

まずは、どうやってあの力……魔力阻害の力を破ればいいのか。
それに、魅了の力。

サーチス・花浦は、聖なる巫女かもしれないけど、ハノエルにとっては『敵』だということだよね?
だって、アイツが求めてるのは世界平和でも攻略キャラでもなく、ハノエルの不憫極まりないエロエロムービー……鬼畜な陵辱バージョンなんだから!

絶対に負けない!





あれ?そんな話だった?コレ。




しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました

ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...