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第二章 あれれ?王都でドキ?はやすぎない?
ロクジュウニ
しおりを挟む「ルザベルト、私が話しているんだけど?」
「失礼しました、殿下♪」
うわっ、軽い。
確かに綿菓子みたいなふわふわの頭に可愛い顔、これで攻側なんて……ずるい。ハノエルの十分の一でも『不憫』を受け取って欲しい。おんなじ可愛い顔仲間として!他に比べて華奢だし?
でも、たぶん?
性格も力も見た目通りじゃないよね?
だって、ニコニコしているけど目が笑っていないし。
賢也先輩もそんな感じだった気がする。
苅野先輩たちと一緒の時はニコニコして合わせていたけど、一人の時はなんか話しかけにくい感じで……俺から話しかけたことはない。
絡んだのは今回が初めてだったはず……。
そうそう、製作リーダーさんが叫んでたわ。
『あー!たまらない!BLなのに、百合感でて、も~!たまらないわぁ!』
うん、思い出したわ……。今、思い出すと思いっきりヒクワー。
いや、何というか……。
他のムービーのがショックでかいほどのエロさだったもんで……。
うー、あまり思い出したくはないことでもあるからさ。
だってさ、絵的には華奢で可愛い男の子が綺麗で小さな男の子を犯すわけ……ショタにも見えるけど……年齢的には二人とも成人扱いなんで……セーフなんだって、マジかよ!
絡んだで思ったのは、何考えてるかわからない人ってことでした。
マジで、わかんないんだよね。
アテレコ終了すると、すぐに顔つきが変わるの。
それも、役が抜けるというよりは、なんかスーッと無表情化するんだ。怖いでしょう?
あれ?もしかして、俺嫌われてたのか?って思っちゃうほど。
でも、そうかもしれない?
まあ、今更だからいいけど。
そんなわけであんまり付き合いたくなはない。というか、この乙女ゲームの攻略キャラって、神石先輩以外……苦手な声優が多かった気もするなあ。というか、神石先輩と賢也先輩は、BLで絡んだことないんだよね。この乙女ゲームのムービーで初めて賢也先輩とは絡んだけどさ。
「えっと、ハルくんだっけ?」
「……お前にハル呼びはされたくない。」
「えー、でもそれはハルくん次第じゃないかなあ。ね?ハルくん、って呼んでいいよね?」
嫌です。しかも、呼んでいい?じゃなく呼んでいいよね?だよ。
マジで嫌です。
そして、中にいる俺は優しいていい子のハノエルくんではないのだ。
「……やです。」
「え?」
「ハルは兄様と姉様以外は嫌です!」
キッパリはっきり、言ってやる!
「えーー!なんでぇ?」
キュルンって音がしそうなほど、不思議顔で可愛こぶってはいるが……俺には効きません!
むしろ……馬鹿なの?って思っちゃう。
ああ、これを女性は可愛いとかんじるの?いや、BL的には可愛いとか言われるんだろうな。
「えー。ハルくんって呼ぶの可愛いからしたいな?ね?いいでしょう?」
「しつこい!嫌だといっただろう。」
……マジでしつこいよね?誰かを感じるね!
兄が冷たい視線で断っているが、さらに『えーなんでー』とか『いーじゃんケチ』とかいってますが、あ?不敬?一応大丈夫かなあ。
だって、一応王子だもの。
複雑なんだけど、王位継承権を持てないから対外的には王子じゃない。
これは、後から出る話だから今は内緒ね?
なので現在は公爵家の子のはずです。いろいろ複雑な事情が………………………………………すいません、忘れました!だって、関係なかったし。
まあ、かかわらなきゃいいよね?
そんな(忘れた)複雑な過去からの捻くれた(?)感情を解くのがヒロインのお仕事だったはず。
なんで、あの最低かも知れないヒロインとくっついたらいいと思う。
うん、頑張れ主人公!
そして俺は兄と姉と幸せに暮らしましたとさ。って、テロップが流れたらいいなと思う。
だって、悪役にはならないからっ!
「カレイド!」
「トルストイ、お前もきていたのか。」
「当たり前じゃないですか、これでも龍人族の王子なんですから。」
「まあ、確かにな。」
……龍人族のトルストイ!龍人のトト!川見先輩だわ。うん、普通にかっこいいんだけど……すぐ尻触るんだよね。癖だとかいってさ。
しかし、なんでこんなに攻略対象が!えっ、後一人で普通の攻略キャラに全員会っちゃうじゃんか!
1、 クリストファー王子
2、 レンミリオン
3、 ザクセウス
4、 ルザベルト
5、 トルストイ
6、 コーネリアス
そして、隠れキャラで兄のカレイドと魔王がいるんだよね。
魔王は三バージョンくらいアテレコしたんだけど……でき方違うのかな?
……あ、もしかして俺……フラグ立てちゃった?
「みんな、揃って何をしているのかな?」
うん、立っちゃったみたいだ。
最後のコーネリアスだと思う。この声は……釜谷先輩だったよね。
何というか……さすが苅野先輩の友達って思う人だよ。
うん。はっきりいってめんどくさいんだー。
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