乙女ゲームにこんな設定いらなくない?〜BL(受)の声優は乙女ゲームに転生する(泣)〜改

十夜海

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第三章 え?本当?迷惑少女は突然に?

ロクジュウロク

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レッラゴーゴー!
で、出発。
口には出してませんよ?もちろんです。

何故なら、春樹の時に口にしたら冷めた目で妹に見られましたからなのですよ。
義父や母が言っても気にしないのに、何故に?俺が言ったら冷たい目をされたのか……解せぬ。

そして、可愛いハノエルくんのがそんなことを言ったら、冷めた目どころか、熱やら頭を心配されてしまうだろう。ハノエルは真面目くんですからね。
もし、そんなことになったら、せっかくのお出かけ入学式にいけなくなってしまう。

そーんなのは嫌だ!

だってね?
そしたら優しい姉様も母様も残るって言うに決まってる。
なんなら兄も休むって言いそう。
でもでも、今日は兄の晴れ舞台じゃないですか!
俺だって見たい!
姉だって……前に兄の剣の大会が見れなかったじゃない?
姉も俺も見たかったけど。
でも、虚弱なハノエルが行ったら結局寝込む可能性大なわけで……行けなかったし。
姉はそれに付き合ってくれる優しいお姉様ですからねえ?
今度こそ、みんなで見るのだ。
だから、頭を心配されるようなことは一切してはいけないのです。

馬車に乗り込み、もちろん兄が俺を抱っこ。
制服にしわがよるから遠慮したんだけどさ。
この後、しばらく一緒に入れないんだからなんて言われたら、断れないでしょう?だって、ラブラブなんだからっ!

俺だって離れたくないんだもん。

でも、やっぱり近いんだねー?
歩いてなら通えそうだけど、いろいろ、いろいろ、いろいろ……危険ずぎるから却下ですね、たぶん。
ハーメルンの笛の音のように、ねずみ変態が連なって行進しそうですもん。

でもさあ。
なんだろうねー?
馬車ってやっぱり疲れるよね。
なんでこの世界に車は存在しないんだろう……不思議。
はあ、テレビもねぇラジオもねぇ……て歌あったなあ。そんな田舎よりひどいんだよ?
製作者のこだわりなのかねえ…………………………こだわる所間違ってるよ…ね?
なんてことを思っていたら着きました。
うん、思ったよりもお尻が無事でしたよ。まあ、兄というクッションはありましたがね。

「まだ、降りないのです?」
「もう少し先かな。貴族専用の馬車の止まる場所があるんだよ。」
「ふぅーん。」

さすが!お貴族様ですね!
でも、普段は使わないんじゃないのかな?だって、基本は寮じゃない?うちみたいな例外って言ったら、ほーら後ろによく見えるお城に住んでる方々とかなのかな。
まあ、体が弱い人もいるかもね。
上の方の貴族はこの学園に近いからね。馬車で通えるし……実際には何もなくても、いろいろ理由をつけて通う人もいるのかもしれない。
お金がない貴族は、わりと理由をつけて通う人もいるみたいだよ?寮は費用がね……。
でも、通うのも大変だと思うんだよね。馬車じゃなきゃ格好つかないし……ね?
まあ、それ以上に寮も高いからってことなんだろうけども。
だけども……なら成績をあげたらいいんだけど……難しいんだろうねえ……きっと。

ちなみに新入生挨拶をする兄は、成績トップです。
部屋も一人部屋のでっかいのが貰えるし、学園内での費用も全額奨学給付金がでます……。
でも、前にも話したけど……俺のために断りました。部屋に関しては申し訳ないです。だけど、お金は辞退しました。
我が家には必要ないので。

そして、兄がいないと俺の治療ができないし……俺が眠れない。
いろいろアズリア叔父が調べた結果……兄の魔力と相性がいいため、そこから力を少しもらっているのでは?ということだった。
ただ、微々たるものだから兄の魔力が減るほどじゃないそうで……例えるなら、MPが100だとするじゃない?で俺が1時間に1MPを貰ってるとする。 
でも、三十分で3MP回復するとしたら……満タンなまで変わらないでしょ?そんな感じでしか貰っていないらしいです。
だから、わからないんだって。たぶんくらいしか。
でも、それが無くなれば俺自身の体調には影響が出てしまうらしいです。
マジで兄がいないとヤバイ体ですね。
中毒なんでは?とも思える身体です。
ちなみに兄の次に一緒にいると体が楽なのは、姉のリオーラ、次が猫たちなんですよ。
ヴァルは魔法猫って言ったじゃない?どうもね、主人を癒せるらしいのです。
だから、使った体力を微量だけど回復してくれるんだ。だから、家だと離れないのかもね。
姉は光魔法保持者でしょ?
なんかね、俺のせいでというか俺のために目覚めたらしいんだ。小さい頃。だから、そばにいると姉から優しい力が流れてくる気がするんだ。姉が無意識化で癒しの魔法が発現しているみたいです。
やっぱり、姉様は超優しいと思うんだよね。

カタン

どうやらロータリーみたいな道を回って、我が家の馬車専用の留場に来たらしい。
そう、馬車通いはお金かかるんだよ。中まで乗り込むとね。馬車を止める場所代もかかるんだよね。
だから実際にはどっこいらしいです。
授業料のほかに、施設費(任意)、寄附金(任意)、食事代などの学園内での雑費(ランクがある)もありますよ。
なんでも買えるの金カード、半分くらいはオッケーの銀カード、使った額のみの後払い方の青カードがあります。
うちはもちろん金カードです。
制限ありません。
だいたいが自費の人は銀カードが多いらしい。金はお金がある上位貴族や王族、あとは成績優秀者でたぶん学年三位までだったはず。
それ以外の特待生は銀カードだとおもうよ?
要は食事ならメニューのグレードとか、授業に必要な物とかを買う時の品質とかかな。
もちろん、それは寮でも発揮します。
まあ、何が言いたいかと言うと、お金がかかる学園ってこと。
話だとさ……ヒロインは、特待生になるんだよね。
でもよく考えたらあんまり頭良くなかった気がするから、『巫女』だからかもしれないね。
そもそも、男爵には15歳になったって、前世と力に目覚めた時に引き取られたはず。
それまでは……記憶があっていれば教会の孤児院だったはずなんだ。
でも、親いたじゃない?
もしかしたら、ハノエルの運命が変わったように……主人公ヒロインも話を変えてきてるのか?
それとも、俺の運命が変わったことであっちの運命も変化した……とか?

なんにしても、あのヒロインはないわー。



「さあ、ハル。着いたよ。」
「はぁい。」

どうやら、また思考の海に沈んでいたみたいで……気がついたら抱っこでお外でした。

うん、学園……デカイわ!
俺、通えても……移動教室をこなせるかしら?
と思うくらいデカイです。

「ハル、口が開いてるよ。ちゅっ。」
「ん……兄様/////。」
「ふふ、ハルが口を開けたままだからだよ。さて、離れたくないけど、ここでいったんお別れだね。」

と俺を父にわたす。
って、俺は歩けますが……。
でも、口ポカ=キスはやめてほしいです。

「危ないから父上にだっこでね?では、行ってきます。」
「ああ、私たちは席から見ているよ。」
「兄様、頑張ってくださいね!」
「ああ。ハルが見ているからね。失敗はできない。」

「「「いってらっしゃい。」」」
「「「いってらっしないませ。」」」

兄を見送り、俺は父抱っこで貴賓席に連れて行かれるのだった。

ドナドナド~ナドナ~♪
……なんてね。








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