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第三章 え?本当?迷惑少女は突然に?
キュウジュウサン
しおりを挟むえーと……。
まず、ひとつ。物申したい。
よろしいか?
ハノエルがモブ姦か魔王落ちって……何を言ってくれちゃったりするのですかね?
最悪のエロエロムービーをご希望?って、あんたは、鬼畜か!
カレイドは私のものよ!って、ハノエルのですよ?
あげませんよ?
自称主人公の迷惑少女になんて?
「申し訳ないが、近寄らないでいただきたい。」
セシウス様が手広げて、俺たちのほうに駆け寄ってきた迷惑少女を止める。
「だれよっ!あんた。あら、でも、イケメンね?攻略キャラにはいなかったわよね?じゃあ、もしかして魔王化しちゃうとか?
あんたなら、魔王落ちもいいかもしれないわ。
でも、だめ。
美しすぎる私は、ハーレムエンドがまっているの。」
うーん。迷惑少女ではなく、ただのイタイ少女なのかもしれない。
うん。
というか、頭おかしい人にしか思えないんだよ?
……話からすると転生者か、転移者?みたいだけど……大丈夫?
「カレイドから、離れてよ!私がカレイドとも結ばれるのよ?だって、私が世界を救うんだし。私にみんながひれ伏すの!当たり前じゃない。私が主人公なんだからっ!」
さて、どこの乙女ゲームに私が主人公なの!なんて叫んじゃうヒロインがいるのかな?
流石に、せめて口には出さないでならわからなくもない。
だが、しかし。
もしかしたらゲームの中なのかもしれないけど、現実なんだよ?
現実でそんなことを口走ると『頭がおかしい人』認定確実だと思うんだ。
ほら、周りにいた人が警備兵を呼んでるよ?
何度も捕まってるよね?
どんなに魔力があっても罪人に確定したら、もう巫女にも慣れないんだよ?わかってるのかな?
きっと、わかってないよね?
ハノエルたちには、半径5メートルも近づくことはできずに、まだ泣き喚きながら警備兵とやり合っている。
貴族である俺たちがいる手前、警備兵もあまり手荒なことは出来ないのかもしれない。
どんなにイタイ少女で、どんなに頭がおかしい少女で、どんなに反省しない少女でも少女なのだ。
たぶん?姉くらいの子供なのだ。
幼い少女に流石に乱暴なことは出来ないだろう。
だが、煩いなと思ってしまう。
ちょっと、もやもやしちゃう。
だって、俺のなんだよ?
俺の兄様なんだよ?
ハノエルの大事な大事な人なんだよ?
それを呼び捨てるわ、私のもの呼ばわりされて、いかなハノエルだとしても許せるもんじゃないじゃない?
まして、2回目だよ?
許せる?
ゆるせないでしょう?
だから、言う!
ハノエルの中にこんなハノエルがいるなんて、思わなかったよ。
「兄様、いいですか?」
「なに?」
「あの子に一言って言うか、言っておきたいのです。」
「でも。」
「大丈夫です。結界を張って近づきます。それならいいでしょう?」
「しかし……。」
「(チュッ)ね?」
トドメとばかりにキスをして、にっこりと微笑んでみたら、オッケーもらいました。ちょい、恥ずかしいが、怒ってるから恥ずかしさは減なのですよ。
そう、ハノエルと春樹は、オコなのですから。
兄が結界が張れたのを確認したあと、ハノエルを抱き上げて、ゆっくりと警備兵に抑えられている迷惑少女に近づいていく。
「カレイド!来てくれたのね!ほら、離しなさいよ!」
「こら、暴れるんじゃない!」
「カレイド~お。」
媚びるような呼び捨てが、気色悪い。女の子に失礼かもしれないが、心底気色が悪くて……本当にコレが主人公になるなら……この『話』は、詰んでいるだろう。
「……君に呼び捨てられる覚えはない。私からは二度と私の前に現れないでくれ。不愉快だ。」
「あーん。もう、ツンデレすぎるわ~。」
だめだ、全く話が通じない。
兄の極寒冷気な視線を浴びても、スルーできるのか。
たぶん、脳内がずーっと常春なんだろうか?
「よくわからない自称ヒロイン?な方。はじめまして。……たぶん、二度目まして?かもしれませんが、カレイド兄様は、僕の婚約者です。貴族風を吹かせたくはありませんが、平民である貴女が兄様を呼ばれるのは不敬にあたるのはご存知ですか?ましてや、公爵家の人間を呼び捨てになんて。
普通ならできないですよね?
まあ、たぶん?貴女の頭の中は普通じゃないのかもしれないけれど。
二度と兄様に近づかないでください。もちろん、僕にも姉にも、近づかないでください。」
「なによ!モブのくせに!」
「よくわからない事ばかり言っている貴女は、いったいなんだと?」
「私は聖なる巫女よ、聖女になる予定の主人公よ!」
「聖なる巫女に?なら、貴女は『神聖魔法』保持者なのですか?」
「……こ、これから目覚めるのよ。たぶん…ううん、絶対に!」
「でも、もし目覚めたとしても。貴女のその腕にある魔法印は犯罪予備軍の証ですよね?
そんな印を持っているものが、巫女になれると思いますか?」
「え?ま、まほういん?」
「はい。」
「え、コレって。」
「犯罪者につけられるものです、ただ15歳未満だから魔法印です。許される可能性は、まだありますが……また、警備兵に捕らえられたとなれば……15歳で犯罪印は確実でしょうねえ。」
「え、ええ!」
まあ、ゲームにはそんな話ないもんね。うん。知ろうとしなければ知らないよね。
でもね?
現実はそう甘くはないんだよ?
不憫なハノエルは特にそう思うよ……回避しても回避してもエロ鬼畜が次々増えるし……。
「そんな……うそよ。」
「嘘ではありませんよ?貴女はすでに犯罪者と同じ、ただ子供だからまだ許されているだけ。その証拠に親は捕まったでしょう?」
セバスがトドメに冷たくいい放つ。
「……。」
ようやく頭に入ってきたのか、顔を青くして、座り込んだ。
「貴女も孤児院に行ったはずでは?」
「……あんなとこ。私には相応しくないわ。でも、あそこで男爵を待たないと……。」
ぶつぶつと呟きながら、大人しくなり、少ししてフラフラたちあがり歩いて行ってしまった。
警備兵も面倒なのか、放っておくようだ。
ようやく、自分がまずいことになっていると把握したのだろう。
でもね?
犯罪者の魔法印がある子を男爵は引き取らないと思うよ?
もし、本当に主人公になりたかったなら、大人しくしていたらよかったのに。
まあ、ようやくこれで少しは静かになるかもしれない。
でも……ゲーム開始まで気を抜いてはいけない気がしてきた。
だって、あの光と轟音は『主人公』の覚醒じゃなかったってことだよね?
だって、迷惑少女は生きていたもの。
それにやっぱり目覚めてないんだから。
……親が捕まって図らずも孤児院にいるようになってしまった。
それに今日あった黒髪少女㊁の存在。……ただの偶然?
あーーー!
もう、普通にラブラブイチャイチャ平和ストーリーにしてよ!
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