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第四章 ありえないよね?不憫なのはハノエルだけじゃないのかも・・・
ヒャクヨン
しおりを挟むSide 春樹(una volta)~前編~
春樹が4歳の頃、母のお腹には妹がいた。
今思うとかなり大きなお腹だったから、出産まじかだったのかもしれない。
記憶が蘇ってくる……最低最悪な記憶が。
当時、父とはすでに別居していた?のか、それとも単身赴任だったのか?……その頃の俺の記憶では、父はたまに帰って来る人だった。
そこら辺の大人な事情はわからない。
ただ、その頃には、前は頻繁に訪れていた父の実家というか、父の兄の家?には行かなくてなっていた気がする。
小さな頃は、父の兄にかなり頻繁に会っていた気がするんだが……父と会う日が減っていたその頃はほとんどその伯父に会うことはなかったように思う。
そう…あの最悪な日まで。
全てが悪い方に偶然が傾き、全てが悪い方へと流れてしまった。
誰が?悪い?
なんてことは一つだけだ。
すべての元凶は『伯父』だったのだから。
小さな頃、俺は人を疑うことを知らない子だった(おバカさんともいう)だから、当時は気持ちが悪い人で苦手でも『父の兄で伯父さん』を信じていた。
今ならそれがどんなに愚かで……間違っていたかわかる。
でも、小さな春樹には『大人』は庇護してくれる存在だと思っていたんだ。
クソで、最低な大人がいるなんて……知らなかったから。
記憶は一つ思い出すとまた一つと緩やかに繋がり糸で結ばれたフラグのように連なって浮かび上がる。
あの日、母は急にお腹の痛みを訴えて病院へ行くことになり、俺は幼稚園のお友達の家に預けられたのだった。
仲良しのお友達と遊んでいた、でも何が悪かったのか、いきなり友達の体調が悪くなった。
そのため、病院に行かなきゃいけない……俺は『大丈夫、お家で一人待てるよ?』と自宅に送ってもらおうとした。
おばさんが父の連絡先を聞いていて、そこに連絡してくれたのだった。
『はるくん、お父さんはお出かけ中で伯父さんが迎えにきてくれるって。』
『……はるくん一人でも大丈夫だよ?』
『うーん、でもねえ。大人がいないと。』
ピンポンとチャイムが人の訪れを告げた。
『お世話になって申し訳ない。春樹は責任持って預かります。これ、宜しかったら。』
『まあ、すみません。私の方こそ、最後まで預かることができずに……。申し訳ないですわ。』
そんな大人同士の会話から、どうやら伯父さんと行かなければならないようだ。
あまり行きたくはない。
でも、行かなければ友達が病院に行けない。
だから、素直に従った。
でも、それはすべては間違いだった。
行きたくないって言えたらよかったのかもしれない。
父親に連絡が着くまで一人でいるって言えたら良かったのに。
でも、現実、たぶん4歳の子を一人にはしないだろうけども。
だから、仕方がないと言えば仕方がない。
しかし、この後の事で……二度と父親に会えなくなったのだ。
最悪な結末がまっていることに誰も気付くことはなかった。
ましてやまだ4歳の俺には……わかっても気付くことも回避することもできなかっただろう……。
『さあ、春樹。お友達のお母さんにありがとうして?』
『ありがとうございました。』
『ごめんね?春樹くん。また、元気になったら遊んでね。』
『はーい。バイバイ。』
『では、失礼いたします。春樹、行くよ。』
『うん。』
ぎゅうっと痛いほど手を繋がれた。
歩き出してすぐに。
『おじちゃん。手が痛いよ。』
『ああ、すまなかった。さあ、乗って。』
手を緩めてくれたけれど、車に押し込められるように乗せられた。
何故か?ちゃんとチャイルドシートまであって……しっかりと留められてしまう。
自分の家で待つのではないのか?
と思ったが、よく考えたら鍵を持っていない。
だからたぶん、おじさんちにいくのだろうと幼いながらも気付いた。
おじさんちに着くと、すぐにお風呂に入れられた。
『まだ、お風呂の時間じゃないよ?』
『おじさんとこでは、汚いものを家に入れたくないんだ。』
と言われて頭が?になったが、そうなんだ?と思った。
母親が言っていた言葉が浮かんだからだ。『うちはうち、外は外』みたいな言葉。つまり、自分の家とは違うルールが他の家にはあるんだとか…そんな感じに言っていた。
だから、帰ったらすぐお風呂がおじさんちのルールなんだと思った。
それが『地獄』の始まりだったのだが。
嫌だと言えない春樹の地獄が開幕する……。
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