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第五章 ゲームカウントダウン?それとも開始とか?ヤバイんですが(泣)
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しおりを挟む「私がなんなのかしら?」
という、レスティア様を無視して、さらに、さらーに!
「きっと。うん、そうかも?でも…。」
などと、まだサーチスが言っていた。
いい加減、気づけ~。
……失礼って君の辞書にのってないの?
「なあ、あれって。」
「ですよね。」
「ねえ、まずくない?」
「まずいだろう。」
うん、クラスのお喋りスズメは知っているようだ。
つまり、ここにいる頭を傾げつつも不敬を重ねる二人は、レスティア様を遠くからでも今まで見ることができなかったということだ。
つまり、それだけびんぼ……ゲフゲフっ、位的には低めだということ。
ちなみに、王家主催の夜会に行けるのはお金のある貴族だけですよ。
なぜって?
そりゃあ、豪華な質のいい衣装でいかなきゃいけないからですよ。それも、女性は毎回違う衣装じゃなきゃねー、馬鹿にされちゃうんですよ。
貴族って、めんどくさいんだよね、マジで。
それに、実は招待された方は心付け的なお品物(王族にふさわしい物)をお持ちせねばなりません。
だから、やはり資産がないとね……。
まあ、相応しくないってことで招待状が届くことはないんだよね。
王家も招待客が夜会に出席して破産されてもこまりますからね?
基本、このクラスは資産がある貴族ばかりなんだよね。
「これは、姉上。お久しぶりです。」
変な挨拶だよね。
でも、母違いだと割とこんな感じらしいよ?
特に王女様は隔離されるからねー。
余計な虫がたからないように。
「「え?」」
あ、ようやく気がついた?
遅すぎるけども。
「姉上が何をしたって?」
「な、なにも……。」
「そう?なんか、君を突き落としたとか……?聞こえた気がしたんだけども?」
クリストファー殿下も冷たい笑顔が上手ですね!
皆さん、うちの母に弟子入り済みなんでしょうか?
「あら、私が?なぜ?こんな小者に?」
あらやだ!みたいに笑ってますが、レスティア様の瞳が笑ってません。
その上、小者扱い!
さすがです。
レスティア様は、王女としてはマシな方。
はっきり言って、性格はよくある王女様です。ドS的な感じだよ。
教養のある俺様といったらわかるだろうか?
良くも悪くも王族なのです。
もちろん、人を人とも思わない王族もいますよー。
つまり。
「でも、小者の分際で私を愚弄するならば、それなりの覚悟があるのかしら?ね?エスター。」
「さようですね。ご主人様。」
「私の可愛い従姉妹にもひどいことを言っているみたいですの。」
「それは、なんと失礼な。」
って、レスティア様。
三文芝居を見ているようです。
たぶん、エスターさんは世話人兼護衛の子かなあ。
「そうだわ!不敬罪として引っ立てたらどうかしら?」
うんうん、いかにも王族らしいです。
「そんな……。」
おや、真っ青に。
不敬罪は、サーチスの辞書にどうやらあったようですね。
ちなみに、姉に対する暴言も不敬に当たるんだよ?
「でも、こんなのを連れて行くのも迷惑ね。」
「そうでございますね。」
「なら、王族の権限でこの場で処罰いたしますか?姉上。」
「そうねえ、それも面倒くさいわ。」
すごい!
さすがです。
姉様もなかなかSですが、王女はその上をいくようです。
ガクブルしているサーチスとそれを宥めるルドガレス。
ルドガレスは今一分ってないみたいだけど……君は本当に侯爵なんかい?
「ハル、リオーラ。どうしたんだい?」
さっき、数人の生徒が部屋から出て行った。
どーやら兄たちを呼びに行ったみたい。
うーん。もしかして、俺を守ってるのはルイくんだけじゃないのかも。
……たぶん、セバスが手配してるんだろう。
セバス、恐るべし。
ちなみに、たぶんそれだけじゃないかも。だって、兄の頭にヴァルがくっついてるもん。
どうりで、さっきから見えないと思ったんだー。
「……闇侯爵……。」
すごく小さい声でルドガレスが呟いた。
……もしかして、転生者か?
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