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第四章 あれ?ヒロインは何人いるの?
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しおりを挟むさて、どうしよう?
きっとたぶん?兄とセバスたちは、父に相談という名の脅しをしつつ、この王宮へと向かっていることだろう。
だって、昼日中に堂々とセバスと俺を傷つけてさらったわけだし?
まずは王宮にクリストファーを糾弾しにくるはず。
それまでの辛抱だ。
しかし、この全く見えない暗闇ってのが嫌だ。
でも、もし見ようとして向こうからも見えてしまったら?て考えたら、怖くて見ようなんて思えない。
「ねえ、見えないハルに話しかけるてもしょうがないかな?って思うけど、返事があったから、いるんだよね?
ふふ、じゃあ。俺が昔話をしてあげるね?
そう、そうしたら……お前が俺のだって、わかるよ?」
口調が変わるとマジで苅野先輩のようだ。
でも、この世界では『先輩』だからって、下に出る必要はないだろう。
何故なら、『仕事』には関係ないから。まえの仕事なら……あまり逆らうことができない。だって、イケボな人気声優に潰された新人声優は多いからな……。
でも、今なら最悪引き篭もればいい。
兄も父も王様に潰されるほど弱くない。というか……武力的には、個人では国王を凌ぐらしいし、何より騎士団より父の私兵のが実は強いらしい。
まあ、たぶんレイズおじさんとかもコチラの見方になるだろう。
何故なら、母を溺愛し姉と俺を溺愛しているから。
そして、レイズおじさんは、王国最強らしい。兄は二番手。でも、それは剣だけの話。
兄の魔力はかなりすごいらしい。
魔法剣士としたら最強じゃないか?と言われているんだ(ドヤ)。
魔力だけ見たら、ハノエルは最強なんですけどねー。
って、やばいよ。
なんだか語りはじめたよ?
「なあ、俺がお前にあったの、いつか覚えてるか?」
……うーん?
確か、一度?3歳頃かなあ?
領地に来た気がする。
俺は、一歳の頃に王都に行ったきり、領地暮らしだからね!
「俺がお前に会ったのは……お前が初めてCDデビューで挨拶に来た時だ。」
は?
CD?
…………………………………………………………………………………まさか?だろ?
「なあ……ハル。記憶はないかもしれない。でも間違いなく、その声は春樹だ。俺のハル。
ふふ、いいんだ記憶なんていらない。その声と姿が好きだった。
だから、もう絶対に離さない。
神石になんて誰が渡すかよ?まあ、神石の声ってだけなんだけどよ?
でも、ハノエルは、春樹をもとに作られた役だって聞いてる。
『本物』は、目の前で亡くしたが、『役
』がまだいてくれた。
お前のエロ声が聞きたくて、姿が見たくて何度もプレイしたんだぜ?
なあ?おんなじことしてやるから、姿を見せろよ?」
………………………俺が前世の記憶を持っていることは知らないのか。なら、セーフ?
まさか、苅野先輩まで転生してんのかよ!
ふざけんなよ。
で、あのふざけたムービーを実演するってか?嫌だね。
ゼーッタイに嫌だ!
え?甘々なんじゃないのか?
いやいや鬼畜っすよ?
言い方は優しいけどな?鬼畜なんだよ、マジで。監禁するし?
……よく考えたら、ヤンデレ系で鬼畜系が多いんだよ!マジで!
このゲームのキャラ設定したやつ、殴り飛ばしたいくらいに!
『ハノエル、綺麗だ。』
『いや、離して。』
『なぜ?』
『家に、返して。』
『あの家に君の居場所はないのでしょう?』
『……帰りたい。』
『ふふ、じゃあ、帰りたくなくなるくらい……いや、帰れなくなるように?かな?』
『な、なにを……。』
『ふふ、わかっているんでしょ?知ってるんだよ?
……ねえ?何人の男が楽しんだの?言ってごらん?
男を惑わせる淫乱のくせに?今更?』
『ちがっ、……僕は……。』
『ここに何人咥え込んだの?』
『イッ!』
『痛い?わけないだろう?淫乱のくせに?カレイドが知ったらどうおもうのかな?
アレに犯されたくらいしか知らないんでしょう?』
『言わないっ、い、た、やぁ!』
『さあ?楽しもう?大丈夫。ハノエル、君次第だよ?』
そして、延々凌辱されんだよな……喘ぎながくてさー。
……ムービーを見ながら、吹き込むじゃない?マジで見たくないし、でも見なきゃだし?
……見たくもない、男のテント張りまで見せつけられてさ。
実際には離れたままでいいのに、『苅野先輩は雰囲気大事だろ?』とマジでくっついてきたり、セクハラすんだよ!
……で、ようやく終わってホッとするじゃん?
したら、余計なこと言うんだよ。
『リアルにキス音いれませんか?』だって!
いらねーよ!上手くできたよ!
で、製作乗るなよ!
……思い出したくないことまで、思い出した。
俺はいつまでコイツの戯言に付き合ってればいいのかな?
マジ、勘弁です。
もう、先輩なんて呼ばん。
『苅野先輩』で充分だ!
しかし……コイツが転生してた?って?
最悪だ。
そう、実は苦手どころか嫌いなんだよ。
だって、妹を悪く言われたんだよ?
『お前の妹、なにアレ?礼儀なってないのな!』って。
うちの妹は最高ですぅ!
って、言ってあげられない弱い兄ちゃんでごめんなさい。
応援ありがとうございます!
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