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第五章 とうとう?カウントダウンか?
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しおりを挟む望んだけど、残念ながら攻略本は降ってこなかった(当たり前です)。
とりあえず医務室で兄たちが少女をベッドに寝かせた。
あとはアズリアが見ておいてくれるらしい。
さすがに、ルザベルトがいるので詳しい話はできないため、兄が簡潔に説明した。
姉は汚れは取れたが、念のため二人を医務室に連れてきている。
軽く診察をしてサリィと幸には怪我がないので、四人の少女のみアズリアに任せて医務室を後にした。
「とりあえず?レディたちに何もなくてよかったよね?」
レディ……。
うん、いいや。
「そうだな。ちょうど良いところに来てくれて助かったよ。」
「そう?僕もレディを助けられてよかったよ。」
ニコニコしてはいるけど、できたら一緒にいたくないなー。
だって、このゲームの攻略キャラってみんな腹黒なんだもん!
「あ、あの。リオーラ様。助けてくれてありがとう…じゃなくて、ありがとうございます。」
「あ、ありがとう、ございます。」
「いいえ?怪我がなくて、何よりでしたわ。」
「悪やk……リオーラ様は、私たちが目障りじゃないんですか?」
おふっ!
聞いちゃうの?そこ。
それも悪役令嬢って言おうとしたよね?
「私はべつだんなんとも思いませんわ。もちろん、貴女が私の大事な方たちを傷つけるというのでしたら別でしてよ?」
「そ、そんなことしません!」
「なら、私は別に……そもそも、目障りってなんでですの?」
「だって。平民がって。」
「?今は貴族でございましょう?まあ、平民であっても『すごい』と思いこそすれ、目障りなんて思いもしませんでしたわ。」
だって、姉様は天使ですからっ!
「わ、私たちに意地悪とかしないんですか?」
「?えっと、何故、そんな面ど……ゲフッ、コホンッ。
なぜ、私がそんなことを?
そんな面ど…こほっ、酷いことしませんわ。」
姉様、面倒なんですね。
二度もいいかけましたよね。
「だって、あのアドレイド公爵令嬢ですよね?」
それは、悪役令嬢ですよね?って言いたいんだよね。
でも、さすがに言わないのは偉かったね!
だって、助けてもらってそんなこと言ったらハノエル怒るもの。
言いかけていたけど?
「……話がちがう?ううん。ゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョ。」
なんか、ぶつぶつ言ってるけど。
やっぱり幸は転生者確実だね。
それも記憶ありの。
じゃあ、サリィは?
「あの、リオーラ様。ありがとうございます(ニコニコニコニコ)。」
「いいえ。」
すっごい良い笑顔で……うん、姉様に懐いたな。
手を組んでまるで女神を崇めているようだ。
「なあ、カレイド?僕たちはレディたちに完全に無視されてる?」
あ、まだいたんだね。
ルザベルト。
「ルザベルト、戻っていいぞ?俺はハルを教室に送ってからいくからな。」
「えー?弟くんと妹ちゃんをちゃんと紹介してくれないの?」
「減る。」
兄はそう言ってしっしっと手をふった。
「ぶつぶつぶつぶつ、先生には遅れるっていっとくよ。」
「ああ、たのむ。」
ぶつぶつと言いながらも、教室に向かっていった。
わりとあっさりだね。
クリストファーに比べたら楽?
って言うか、まじでハノエルの記憶ないんだねえ。
「とりあえず、大丈夫そうですわね。教室に向かいましょう?」
「そうですわ♡」
「うん、わかったわ。」
姉たちも話終わったみたい。
サリィの語尾に♡が見えるのは気のせいかなあ。
「リオーラ様とハノエル様は、ものすごくお優しい……♡(うっとり)」
ん?
俺も入ってる?
「あたしも、もうカレイド推しやめるわ。うん。」
……迷惑少女幸、お前は何をいってるんだ。
頼むから……前世の言葉は頭の中だけにしておいてくれ。
でも、成長して少しはまともになったのか?
うまく、話が聞けないかな?
……無理だな。
だって、俺らが前世もちだって、知ったらまた兄を狙うかもしれないし……。
……結構、迂闊そうだから……話してくれたらいいな(希望)。
まあ、とりあえず教室へ向かう俺たちなのでした。
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