娘と二人、異世界に来たようです……頑張る母娘の異世界生活……ラブ少し!

十夜海

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第一章 マジ異世界ですね

No.14

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「じゃ、今度こそ昼飯にしよう。」
「はーい。」

六人で仲良くお店にはいる。
割とお客さんが多い店だね!
ハリーが決めたのでなんでかと思ったら、お魚がありました!
それもあゆくらいのお魚さんが、焼かれて出てきた。
その上、シュがかけてあった。側のピンクのはなんだろうと、指先っでつついてペロリと舐めたらゆずみたいだった。レモンよりゆずっぽい。
で、もちろんマイマイの実だ。

「魚が好きらしいからな。ここのは、柔らかいというし。」
「ハリーしゃん、ありがと。」
「よかったね、ママ。私も嬉しいな。ありがとうハリーさん。」
「いや、その。食おう。」

ハリーの顔が赤いのは照れたらしい。よかった、奏歌の笑顔に反応したようだ。うん、正常な反応だね。はあ、安心したよ!
つまり、私を構うのはやはり『小さい子は可愛いな』ということだね。
将を射んと欲すればまず馬を射よってやつかもしれないね。
うん、よかった。納得納得!
そして奏歌と私以外は、やはり肉がメイン。ガツガツ食う中、ミリオンは割と綺麗な食べ方だ。品があってどこなくセレブ臭がしないでもない。
でも、スピードはみんな変わらないです。つまり超スピードで食べ物が減っています。見ていると胸焼けしそうなので私たちは自分のご飯に集中なのです。
でね?
私らの魚は、ハタハタって知ってる?そんな感じのあっさりした淡白なお味。でも骨離れがいいので、もみじなお手手でも上手にとれました。コレ、すごく美味しいな。買えるかな?なんて魚かな?あとで聞きたいな。
ハタハタの味噌汁もうまいんだよね。コレで作ったらハタハタの味噌汁っぽくなるかな?
私はハタハタのたまごも大好き。
ああ、ブリコが食べたい。でも、今はあんまりブリコ入りのメスハタハタ売ってないんだよね。ニシンもそう……美味しいのにな。
たまご入りの魚美味いのに、たべるのはししゃもばっかだなあ。あ、たまに子持ちカレイも煮たのも上手い。
もちろん、ししゃもも好きだよ。うん。まあ、何が言いたいかというと卵入りの魚が食べたいのですよ。
はあ、すんごい美味しいかった。でも、野菜も食べたいなあ。
夜は野菜中心かな?やっぱり。

「ごちちょうしゃま。」
「ご馳走さまでした。美味しかったね?ママ。」
「うん。」
「そりゃよかったな。」

「あ、あの。」
「なんだ?」
「その、その黒サーベルちゃんに、コレを!」

いきなり、奥の厨房からお兄さんが走ってきた。見た感じは、多分15歳くらいかな?

「おれ、ここの息子なんだ。だから、その子にサービスです。」

と顔を赤くして差し出してきたのは、プリン?みたい。
コトリと私の前に置くと、走ってまた戻ってしまった。

「ふふふ、ショウはモテるのねえ。まあ、これだけ可愛いなら当たり前ね?」
「10歳に手が届くくらいか?」
「あたちに?」

私にかい?いやいや、子供が相手でも私は3歳だよ?まずくない?
というか、10歳って……普通はあんなにでっかいの?うちらの世界なら高校生でもおかしくないんだけど!奏歌が12歳くらいに見られるわけだ。私からしたらあの子、奏歌と変わらないんだもん。
もしくはあの筋肉見てよ……奏歌の上に見えてもおかしくないと思う。超デッカいし。
でも、プリンに罪はありませんね。
だが、すまん。本当にごめんなさい。私はもうすでにお腹がいっぱいになりかけていて、全部は無理だよ。3歳児の腹事情舐めたらあかん!

「ちょか、はんぶんこちよ。」
「え?いいの?」
「うん。」

半分ではなく、三口くらい食べたらもう、限界です。ごめんね。坊や。
でもふつうにおいしい。家で作った蒸しプリンみたいな感じだ。少し甘みは足りな目だけど。
残りを奏歌が幸せそうに食べた。
甘いのは美味しいねー。
お会計のときに、お兄さん(今の私にはね。)にはお礼を言った。

「あの、おれ、ダンていうんた。また、来てな?また、サービスするから!」
「あい、ありがとう。」

バイバイと手を振りにっこりと笑うと、ダンは破顔して手が取れるんじゃないかくらい手を振ってくれた。うん、あれを見るとまだ子供だね。

店を後にする。これから練習場にゆっくりと向かうというんだ。
ただ、なんでかな?ハリーが微妙に不機嫌なんだけど。どうして?
あ、重くなって来た?とか?
私をずっと抱っこしてるんだもん。腕痛くなるよね!
ごめんね、気づかなかったよ。

「ハリーしゃん。おもいでちゅか?おろちてくれていいでちゅ。あたち、じふんであるくよ?歩けるち、くつもはいてるち。」
「いや、重くないから。」
「でも、ムーって。」
「ふふふ、ハリーはちょっとやきもちやいてるのよ。」
「なんで?」
「ふふふ、なんでかしらねえ?」
「ふーん。ほーんとママはもてるねえ。」

とミリオンと奏歌がニヤニヤと笑う。
……?
さっき幼女好きロリコン疑惑は晴れたよね?
あ、パパが娘可愛さってやつかも!彼氏にヤキモチとかってやつ?うん、それならわかる。
だって、できたら変態さんとは思いたくないのよね。
ふつうに良い人だもん。
そのまま抱っこは解除されました。

さて、15分くらいかな?
そのくらい歩いたとこで、大きな塀が現れた。

「おっきーー!」
「うん。」
「ここがそう。練習場というか。兵の鍛錬場ね。一応、下級兵士ようなの。でも、ギルド登録者には貸し出されているのよ。といっても、貸切はできないけど。
たまに兵士が相手してくれたり、こちらが鍛えてあげたりするの。ふふふ。なかなか、嫌な奴もいるのだけど?」
「つかっていいの?」
「ええ。無料だから安心して?ただ、壊すと王宮から迎えが来ちゃうけどね?」
「え、捕まっちゃう?」
「違うわ。壊すほど強いなら召し抱えたいからテストするために呼ぶのよ?まあ。ここの結界は未だに一度しか壊れたことがないみたいだけど?」
「壊れたことあるの?」
「ええ、先代の勇者が壊したみたい。まあ、今はいいおじ様だけど。」

勇者……がいる世界なの?

「あの、勇者って?」
「……勇者は国を守るものだ。」
「魔王の軍勢とかね。魔法剣士で魔法に特化してるのよ?
人間の国相手なら英雄ねー。」
「勇者……英雄……魔王……。」

なんとも恐ろしい世界だと思うんですけど!ファンタジーだけど、もっとほのぼのファンタジーがいい!だって、私の目標は兎にも角にも奏歌の幸せだもん。
まあ?せっかく生まれかわったし?
ついでに私も幸せになれれば御の字だけどね。
冒険くらいならいいけど……本格的なRPG要素は、いらないですよ。
はっきりいって、巻き込まれたくないです!

「ああ、でも大丈夫よ。魔王といっても攻めてこない同盟が組まれているはずだから。
ただ、国として魔族の国があるのよ。同盟が破られた時のために勇者はまだ必要なのよ。そもそも、勇者が同盟にもっていったのだから。
魔族は魔法が主だから、勇者じゃなきゃ、太刀打ちできないのよね。
だから勇者がいないときついわけ。まあ、ここ1000年位は戦争自体ないから、安心してちょうだい。」
「じゃあ、今は戦争とかはないのね?」
「ええ、まあ現在は冒険者も騎士も魔物討伐や魔獣討伐が主ね。」
「よかった……。戦争なんてこわいもの。ね?ママ。」
「うん。」

何せ、『うちらは戦争を知らない子供』世代の日本人だ。
他国では未だに兵役というのがあったりするところもある。
大変だと思うが……その国はいつでも国民全部が戦えるということ。戦争になったら日本人なら簡単に半分は死ぬんだろうな。
でも、思うんだよね。
兵役を作ってる国は、未だに戦争する気があるという証なんだと。

……なんで争うのかなあ。
人類の永遠の課題だね。

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