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第一章 マジ異世界ですね
No.20
しおりを挟む「ここは?」
「たぶん、原始の森だって。」
「それはまずくないかい?」
「んー、でもバリアはといたりちないよ?」
「私たち、この世界の場所しらないんだよね。だから、ここくらいしか思いつかかったんだもんね。」
「そうなのか。そういや。ここにいたんだもんなあ。
それにあたいが知ってる場所があってもしかたないもんねえ。まあ……来ちまったんだ。さっさとどこ行くけきめようじゃないか。なあ、ここからどこに行きたい?」
「んー、あの街じゃないとこだよね。どっかにある?できるだけ、勇者とか王様の力が強くないといいんだけどな。」
「そうさね、勇者の息のかかってないって言ったら……魔族の村とか……あ、あとはエルフやドワーフの村くらいかもしれないなあ。ただ……勇者もだけどさ、あの一族は人自体がすきじゃないんだよね。」
「ふーん。そうなんだあ。でも、ちょっとワクワクはするねえ。」
「ん、まあ。とりあえじゅ、つぎにちかいまちに いこう?」
「そうだね。なんの用意もないしな。流石に最低限の用意はないとな。」
とは言っても、『冒険者』は基本身軽だから。武器と食料、水、着替えがあればなんとかなると言っていた。私たちは、それがあるし。水は魔法で出せてしまうのだよ。
「ん。」
「さいあく、ギルドににげこめば王からは逃げられるんだがなあ。問題は勇者だな……。」
「そんなに難しいの?」
「ああ、ある意味、王よりも力があるんだよ。たぶん、世界で一番発言力があるのは、ロドリヌス様だろーさ。」
「まじか……。」
ほんっとにまじか!だよ!もう。
世界で一番とかっ!もう、面倒な奴に目を付けられたなあ。
まだ、異世界生活始まったばかりなのにぃ~。
「まあとにかくだ。この森を出よう。この森は昼間だって危ないのに、今は夜……かなりまずい。」
「えー?そんなに怖い森なの?私たち、昼間だったけどかなり無防備に歩いたんだよ?
でも、何にもいなくて……ハリーさんに『危ないんだ!』ってすごく怒られて、超びっくりだったんだよね。ママも泣きそうになっんだよ?」
泣きそうになったのは、忘れて欲しかった。恥ずい。
でもさ、本当に何もなかったんだよね。
「はああ⁈何にもいないって?それこそ、まさかだろ?
この森はなあ、ここらじゃ強い魔獣が……。
くっ、お出ましだ。アレは剣が効かないから、ものすごく厄介なんだ。」
「「ん?んん?」」
あれ、って。ゲームでよく最弱と言われる事の多いスライムじゃないかな?強いの?まあ、今は『スライム最強な』な物語が増えては来たけどさ。未だにゲームは、割と前半のモンスターだよね?
「バリアといたほうがいい?戦うのに邪魔?」
「いや、あたいとは……相性が……悪いんだよな。くっ、どうするか?」
「魔法にゃらきく?」
「え、ああ。というか魔法しか効かないんだよな。それも光か火のな。」
「光?火なら、私でもいいか。」
「そうか、二人とも魔法が凄いんだったな。なら、バリア?結界は解かない方がいい。それとも、両方いっぺんは無理か?魔力が切れると体力が根こそぎ奪われるから、気をつけるんだよ?」
「わかったよ。えっと、ファイヤーボール!」
ボンと黒っぽいウニウニに当たるとぽんと弾けた。パラパラと小石のようなものが落ちる。
「あれが、『魔石』だよ。あれは、ギルドに持っていくと売れるからね。」
「ねえスライムだよね?あれ。」
「ああ、闇スライムだよ。黒い魔石を落とすんで希少なんだが……あれを倒すのは大変なんだよ。剣なら光を纏わせるしかない。ほかのスライムは、まだ属性以外なら効くんだが。闇だけは…な。
まあ、ソカくらい魔法力があればいいのだけどな。普通の剣じゃ効かないし、あたいは魔法は使えるが苦手なんだよね。属性も風だしな。」
「そうにゃの?じゃ、あたちもやるね!あと、バリアはしたままでもだいじょぶそうだよ。えっと、光か。にゃら、シャイニングアロー!」
ぱしゅんっ ぱしゅんっ ぱしゅんっとかなりのスライムに、雨のように光の矢が降り注いだ。
ポンポンポンと軽快な音を立てて、スライムが消えていく。奏歌の時とは違って、弾けないね。
後にはでっかい黒い魔石が鎮座しておりました……おー、綺麗なまんまるだあ。
「すごいな、ショウ。傷のないというか元のままのスライムの魔石なんて……あたいは、初めてみたよ!」
「そにゃの?」
「ああ、それも今ので闇スライム……ほぼ全滅みたいだ。
この森で一番厄介なはずなのに。……改めて見るとすごいな(こりゃ、本当に攫われかねないな)。」
えへへと笑いながら、魔石を拾ってバッグにそれぞれの入れていく。ちゃんと三等分だよ。
ラナンは自分は何もしていないからはらないって言ったけど、私らが動けないときはラナンが動いてもらわなきゃだ。
それにはお金が必要かもしれないんだから!と無理やり三等分したのだ。普通なら魔石は高いらしいから、奪うくらいしてもおかしくないらしい。
ようやく、ホッとしたところで……私たちは、下手を打ったことに気づいたのだった。
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