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「僕さ、適度にサボってるから仕事が出来ない奴って裏で言われているらしいんだよね。だから、こうして実籾の手助けをしてもどうせ何も出来ないだろうと思われてる。けど、それも今日で終わり」
格好をつけるように指をパチンと鳴らして。
「四街道夜は評価を百八十度変えて見せるよ。チャンスをくれてありがとう、実籾」
「あ、ああ。こちらこそ窮地を助けてもらって、その、なんだ、ありがとな」
「なんだかやる気が漲ってきたよ。ああ、それと――」
何かを思い出したのか、登壇スペースへ足を向けていた四街道が振り向き。
「――僕が何を口走っても肯定だけしてくれよ」
「あ、ああ……」
そう小声で告げて、四街道は一同の前へ登壇した。
それと同時に雑談する声はすぐに止み、会議室内には妙な緊張感が支配した。
誰かが会議室の電気を消し、ホワイトボードにプロジェクターからのパワーポイントが写し出される。
「皆様、お忙しい中こうして集まっていただき感謝します。本来であればこうした社内の処分に関しては当人と営業所の管理職のみでその処遇が決められておりましたが、今回は事情が事情でございまして、公平性及び透明性を確保するため公開での場を用意しております。これに関しましては組合及び取締役の承認は得ていますので、あらかじめご了承ください。さて、まずはこちらの円グラフをご覧ください」
四街道が一度言葉を区切りノートパソコンのエンターキーを押すと、画面には『中央営業所における年間車両故障件数』という円グラフが表示された。
グラフには様々な故障箇所が出ている。
「こちらは昨年度中央営業所で発生した車両故障のグラフになります。日常点検時の発見は未然に路上故障を防いだものとしてカウントしておらず、運行中の故障、つまりは路上故障を集計したものです。このうち約三十三パーセントは、本日の主役である実籾身延が引き起こした、もしくは発見したものとなっています」
四街道の告げる事実に会議室内は少しざわめきと失笑が聞こえてきた。
三十三パーセント、つまりは車両故障の三台に一台は俺が関係していた――ということである。
確かに偶然と言い張るには無理があろう。
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