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第4章 王都
??話 真顔神の憂鬱
しおりを挟む「はぁ………何をやっているのだか」
今日は転生担当ではなく、上級の神がやる仕事『観察』をしている。
真顔神ことシン・カグヤは、この仕事が一番嫌いだった。
この仕事はカグヤの他に別の神も行っているが、それぞれ口に出すのは人間にたいする愚痴やら悪口だった。
「おい。この人間はしゃいでいるぞ」
「子供が生まれたのですね。まぁ、運命的にすぐ死ぬんですがね。その事を知らない家族もはしゃいじゃって、かわいいものです」
「お。こっちの人間は明日には死ぬようだ。どうです?家族の1人が楽にさせちゃいますか?」
「いえ。この際は子供が間違って殺してしまった事にしたらどうでしょう?中々面白みがありますよ」
「いやいや。この人間の戦争でやるのはどうでしょう?悲しい物語ができますよ」
複数の神が、人間を将棋の駒のように遊んでいるのが気に食わない。
人間はおもちゃではない。一つの命だ。それを雑に扱うから人間は争うのだと思う。
真面目な人間、変わった人間、ぶりっ子な人間、個性的で見ているだけでも面白いのに、神はそれでも笑いながら人間で遊んでいる。
(アイツは今頃、何をしてるんだろう)
何ヵ月か前に転生させた二人。あの二人の関係は見ていて面白かった。
複雑な家庭、幸せな家庭、すれ違い。この二人は転生させる前から知っている。
カグヤは何度か、仕事を放棄し、地球で人間になりすまし公園に居た二人を特に考えもせず接近したことがある。
子供だった二人はカグヤを警戒していたが、遊んでいる内に打ち解け、毎日遊ぶようになった。
『お姉ちゃんはなんてなまえなの?』
『私かい?……カグヤだよ』
『カグヤ?かぐや姫じゃなくてー?』
『お姉ちゃんってがいこくじん?かみが白いから』
『うーん。外国人ではないけど、地毛でもあるんだよね。遠くから来たのは合ってるよ』
『『ふーん』』
質問攻めが多い子供達だったけど、それも子供だからと質問を返した。
子供の頃は覚えてないのが半々だろう。でも、カグヤにとっては癒された。
神として仕事を続けてきて精神的に苦しいことも少なくないカグヤでも、二人と遊んでいると何故か疲れが取れてしまう。
しかし、そんな楽しい日々は永遠には続かなかった。
カグヤは歳を取らないが、二人は人間だ。神とは違い、大きくなり………小学生、中学生、高校生になってしまった。
小学生になる前には、引っ越すと嘘をついて離れてしまった。
二人は悲しそうに見つめ、お別れと思い出の品を貰った。今でも肌見放さず持っている。その時は、心がもやもやとして不快を覚えていた。
寂しくも思いながら、離れてよかったのか時々思ってしまう。人間はいつか死んでしまう。それでも、また逢えたことが何よりも嬉しかった。
あのときは仕事上の対応をやっていたが、心はそうでもなく………『もっと話していたい。もっと遊びたい。もっとふれ合いたい。』そう思い続けていた。
だから、久しぶりに逢った彼にちょっと意地悪く言ってやった。チートはあげないと。………そんなの嘘だよ。チートはあの寂しがりの竜に持たせておいた。
あの子の方も、魔力の底がないチートをあげたし満足だよ。念のため、カグヤの加護もあげといたし、心配することもないか。
(あ。アイツの事も忘れてた。確か、××××だったかな……)
カグヤは一人、転生ばかりする神の事を思い出していた。
綺麗な腰ぐらいの長さをもつ黒髪をして、前髪は真ん中に一つにまとめてあり、目は神の間で珍しいとされる黒い瞳をしている。
背中には禍々しい翼を持つ神様。本当は鳥や天使のような羽が多い事もないけど、これも一つの違いなんだよね。本当は森、大地、川、山を担当している自然の神様だけど、ちゃんとやっているのだろうか?
あの大先輩は少し純粋な事もあって親しみやすい人なんだよな。
天照とも同期で、親しみ過ぎて怖い事もあるんだよな………。
やば、鳥肌たってきた。
(………?確か、近くに小さな包帯をした男の子も居た気がするけど、その件はいいか)
どんどん思考が仕事から離れていた。気を取り直そうと頬を叩く。
(きっと、また逢える。だって、大先輩は今、二人と同じ異世界にいるのだから。心配することもないね。大先輩は強いんだし………)
強く思い、目の前の仕事を終わらせ、カグヤはまた地球に行こうと決意した。
クズ神達ではなく上司などにお土産を買ってあげよう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
突然の番外編でした。
初盤に出てきた真顔神ことカグヤさん。皆さんの思っているカグヤのイメージがちょっと違うかもしれませんね。
次回、本編
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