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第4章 王都
第43話 ヘンリーの過去の話。
しおりを挟むモンスター(依頼)との戦闘まで、2日も立った。
準備は着々進められ、ヘンリーは行き着けの薬品売り場や期間で商売している商人に話しかけ、ポーションや結晶など、もしもの為に買い集めた。
俺達はヘンリーに言われた通りに、報酬の多いクエストや依頼を受け、地道にお金やら報酬やら稼いでいった。
Jは危機感を読み取ると言って、王都から出てモンスターの現在地を確認しに行った。
その時にクエストで手に入れた素材と鉄で、便利な通信機を作ってみた。形はヘッドホンを小さくした感じに似ている。
この通信機は、最大で半径千メガまで届くよう設定してある。
前までは百メガしかいかなかったが、ひーちゃんから、物作りが上手いと勧められた店長さんという人と共同作業で完成させた。
店長さんはこの通信機に興味を持ち、今度から大量生産しようと持ちかけられた。キラキラとした目で見つめられた。
これに関しては悪用される事があるかもしれないので、その話はキャンセルした。
拒否するとそれはそれはがっくりと肩が落ちてた。ごめんな。
「それで。J、どんな状況になってる」
『まだ分からぬ。全速力で低めに飛んではいるが、まだ目標までは見えないな』
「報告ありがとう。また何か情報が入ったら連絡してくれ」
『うむ。では、一旦切るぞ……。どうやって切るんだこれ。あ、これか?』
ブツッと接続が切れる音が鳴る。
あっちもモンスターの動きが読めないのが痛いな。ギルドも報告だけはしてさっきも言ったように、モンスターの行動は報告されてはいなかった。
「小僧。何を躊躇っている」
「ヘンリーさんか。そっちは進展とかあった?」
「少なからず、ポーションを買うとき等に情報のやり取りも怠っていない。ある奴の情報によれば、魔王の生き残りは強いだろう。幹部もいるかもしれないから、そっちの対処法も考えないといけない………。小僧。貴様はなにランクだ」
「え。Bランクですが……。それがなにか」
唐突にランクを聞かれて、すぐ返事を返した。
依頼の必要ランクはBからなので、俺も参加することになる。
「Bランクならそれほどの実力はあるんだろうな」
「は、はい。ギルド登録した時から、このランクになりましたが………。何か不満でも?」
「………腕試しがしたいと思っただけだ。実力を拝見したいしな。ちょっと表でないか」
「拒否権はないんですかね」
「貴重な俺の頼みを断るか。断ったら、ヒトミに言いふらすぞ」
それは明らかに脅しに近いやつじゃないですかね。
ここで断ればまた脅迫されそうなので、言うことを聞くことにした。
外で戦うといつモンスターに襲われるかわからないので、王都にある競技場を借りることになった。
ギルドに入っている人なら誰でも無料で提供してくれるらしい。
競技場といっても様々な施設が用意されているようで、モンスターとの仮訓練や魔法や技の試し打ち等、訓練場に近い。
ギルドからは期待の新人育成や才能を伸ばす場所でもあるため、ギルド本部長も見に来ている事もあるという。(ヘンリーによれば)
「それにしても広いな」
「当たり前だ。これぐらい広くないと戦うことも出来ないだろう。訓練とはいえ、両者どっちも有効に且、一つの戦力も考えられるらしい。観客席もあるから、闘技場としても使われている事が多い。俺達が戦う場所もこの闘技場だ」
「物知りなんだなー。ヘンリーは」
「何度か来たことがあるからな。知れば損はないし、役立つ」
「ということは。前は旅に出ていた事があるのか?教えてくれないかな。その時の話」
「………デリケートの無い奴だな、小僧」
口からは何時もの愚痴が出てきたが、顔は何処か弱々しさを感じた。ヘンリーは観客席の一つに座り込み、俺も横にある席に座り、正面で過去の話を聞いた。
「……はぁ。そうだ。ここから離れて本当の冒険者として、活動していた。稼ぎも悪くなく、パーティーは明るいやつが多かった。俺を含めて5人のパーティーだ。俺は特に話す時しか口を出さなかった奴が、彼奴らはそんな俺に何度も話しかけてくれた。無視もせず、こきも使わず、サポートまでもしてくれた。優しいやつばかりだった。今の時代じゃぁ、珍しいかもしれなかったよ………」
「それに、優しいだけじゃなく実力も申し分ない。リーダーを含めて皆Aランクだから、名を知られて当然だった。町からの依頼も殺到するし、モテるやつもいたな……。今のは無しにしてくれ」
「大丈夫だから、続けてくれ。それに関しては気にしないから」
「そうだな。そうやって気にかけてくれる奴だったよ。何処と無く気を使って、距離を保ったまま何気なく話して、ダンジョンを探索して、たまにはとここで実力を見せびらかして楽しんでた………でも」
「でも?」
悔しそうに苦虫を噛むかのように、くしゃりと顔が歪む。本当に悔しかったんだな……。
俺に出来るのは、過去の話を聞いて気持ちを軽くするのと慰める事しかできない。俺が居た訳ではないので、どれぐらい苦しかったか判るわけでもない。
「その時に攻略済みだったダンジョンを探索してたんだ。攻略済みのダンジョンはそんなにレベルは高くなく、危険性もない。Dランクなら軽々進められるものだ。依頼の素材もそこで調達できる環境だったから尚更だ。だから、甘くみていた。甘くみていたから、賑やかな彼奴らはいない………。もし生きていたら、まだ俺は冒険者を続けていた所だったかもな。……………」
「………そっか」
「小僧は……。リュウスケは、ヒトミをどう思う」
「な、何だよ。唐突に……。そーだな。昔からいた仲だから、いて当たり前になって、側にいるだけで落ち着くというか。どう言えばいいかな……」
小僧から名前呼びに変わり、若干だよ、若干。怖かったです。ゾワッと寒かった。
嫁入り前のお父さんを相手にしている……そんな感じに似てるのか?
「ヒトミはポジティブな所があって、皆に好かれる女の子でもあった。小さい時なんて、力で負けちゃったんだよな………。今思っちゃ恥ずかしい思い出だ」
「元気な奴で、何かと目が離せない」
「だよな!目を離したら居なくなってる事が多かったな~。それでさ、探したら後ろに居て驚かされたもんだよ」
「遊ばれてるな、小僧も。ククッ」
ヘンリーとは解り合えないと思っていたが、只の自己嫌悪だったのかもな。喋らないと理解なんて到底無理だよな。
「腕試しした後、二人で食べに行かないか。ちょっとした一時なら許されるだろ?ヒトミには内緒な」
「了解した」
この後、闘技場で身体を動かしたがあまりにも暴れすぎた為、スタッフに怒られた。修理代はお願いして何とか無しにはしてくれました。
しかし、暫くの冒険で貯めたお金は3割程修理代にいってしまったのは別の話である………。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ヘンリーの過去を深堀しました。
やはり似ていると、気にかけちゃいますよね。
素直なヘンリーも悪くないですね。
次回、ギルド紹介
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