9 / 69
第1章 竜ですよね?
第4話 ヴィルヘルムの気持ち
しおりを挟むまさか、リューが家出をするとは思わなかった。調子こいていなければ……教えていれば行かなかったのに。
我はいつも洞窟の中で独りぼっちだった。
最初は最強の父と青龍の母で三匹で暮らしていた。他にも兄弟が沢山居たが、殆どは親離れし別々に暮らしているだろう。
今は生きているか分からないが……。
そんな話から数百年が立ち。
そんなある日、食事を終えた我が帰ると、人間がいた。また勇者か、それともスパイか、警戒心バリバリにしたせいでその人間は顔が真っ青になっている。
『……………お主は誰だ』
久しぶりに出す声は、相変わらず低い。人間に話しかけたのは数十年ぶりかな。
「俺は、朝日竜亮。ピッチピチな高校生で、趣味はネットゲーム。ゲームの腕なら一番だ」
最初は何を言っているのか解らなかった。服装はみるからに真っ黒であり、この世界の者ではないことがわかる。我も見るのが初めてだ。
(竜亮………面白い人間だ)
何故ここに転生したのかは分からないまま、一週間が過ぎた。竜亮という同族に会えたことを、神に心からお礼申し上げたい。神が居ればだが。
(名前だけが同族なら、他のやつも同族になってしまうな。やはり、リューを同族にするしかないか………)
我の先祖も、人間嫌いとは程遠いくらい人間が大好きだった。
そこで先祖達は人間を『竜化』させる魔方陣と呪文を作りあげた。
神秘の森に住んでいるドラゴンの5文の2は、元人間である。我はその中で、母と父の色を合わせ持って産まれた突然変異。
鱗のせいで仲間に嫌われ、人間に嫌われ、挙げ句には魔王にも嫌われた。
魔王さえ、我を受け入れなかったことに腹が立ち、魔王を喰らった。魔王を喰らったことで唯一の支えだった母と父は遂に、我を拒絶した。
そして、周りからは『魔王殺しの最恐竜』と呼ばれ、人間達にも広まったのか………勇者が来るようになった。
話が大幅にずれたが、リューを竜化したのは失敗だったな。
行かなければ、また独りぼっちになってしまう。孤立してしまう。そんなの、嫌だ。
(あの姿では遠くに行くことは無いだろうが、襲われるのも時間の問題か………。)
リューを護るために籠っていた我は、リューを探しに刺々しい巨大な翼を広げ、洞窟を出る。
1秒でも速く遅れまいと、ロック鳥を吹っ飛ばしながら上空から観察する。
無事であってくれ、リュー………。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
『肉ぅーーーーー!飯ーーー!』
(喰われる喰われる喰われる喰われる!!)
バハムートと遭遇して数分後。バハムートは即座に俺と目が合う。ロックオンし、いきなり『飯だぁぁぁぁぁ!』と叫んだ。
全身に寒気が襲い、逃げようとしたがドラゴンになったばかりの身体はすぐには馴染ず、四つん這いで森の中を走る。走っても体格の違いが災いし、近づいてきている。
(共食いするバハムートなんて聞いたことない!?自然界こえぇ!)
冷や汗をかきながら、逃げ続けるがそろそろ体力がつきそうになる。
息を荒くしながら、どこか隠れる場所を探す。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めてルビを入れました。
ちょこちょこ勉強しながらやっていきます。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます
水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。
勇者、聖女、剣聖――
華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。
【戦術構築サポートAI】
【アンドロイド工廠】
【兵器保管庫】
【兵站生成モジュール】
【拠点構築システム】
【個体強化カスタマイズ】
王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。
だが――
この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。
最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。
識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。
「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる