チートを望んだ少年と最『恐』の竜。「友達になろう」「え?やですけど……」

滑るさん

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第2章 幼馴染

第15話 緊急事態発生中ー。

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先程だした青い炎をゴーレムに投げるが、体格に似合わない速さを見せ、私は驚愕きょうがくした。
距離を取りつつ、何度も同じ事をしても、かわされる。炎の他に、雷、水、土、風と出来る限りの魔法を使うが、全く通じていない。
恐怖心に襲われつつ、私は諦めなかった。

しかし、あまりに強い魔法を使うと、性別が変わってしまうので、気を付けながら魔法を使わなければいけなかった。


(これじゃぁ勝てない………。弱点はない、の?)


危うくゴーレムの一撃を受けそうになり、風の魔法で宙に浮いた。ああ、人間とのハーフだから速いのか。
ゴーレムヒューマンは大地に適したモンスターだ。流石に身体の重みもあって、ここまではこれないだろう。
戦闘に集中していたからか、ヘンリーの声が小さく聞こえる。


「飛んでばっかじゃ、練習にならないだろ!精々堂々と戦え」

(そう言われても、私は私の事情があるんだよっ!)

「私の戦いなんだから、口答えしないでっ!こっちは一生懸命なの!」

「……俺は何も言わねーからな。後は頑張ってくれ」


やけに素直になってるな、と思ったら油断して自分に掛けていた風の魔法が緩んでしまい、今、落下中……。ゴーレムは真下にいるので、このままではボールのように空高くホームランされてしまう。
それを回避するべく、また風の魔法を使った。しかし、加減ができていなかったせいか、竜巻が発生してしまった。


(ああっ!ヘンリーが危ない!)


竜巻が向かった先は、大岩に座り込んでいるヘンリーがいる。叫んでも、風のせいで私の声が届かない。
家の時とは違い、竜巻は風の塊。パンチ野郎でも人間、防ぐことができない。


(ゴーレムを相手にしてる場合じゃない!助けないと……)


竜巻を止めようとするも、私が作った竜巻だ。責任をもって、消さないと……。
その考えはゴーレムも同じだった。主人を護るように、竜巻よりも速く、前に出た。両手を広げ、受け止めようとしている。
あ!ゴーレムなら、きっと止めてくれるかも。


「一時休戦!ゴーレムっ!消すの手伝って」


喉が痛い程、叫ぶように呼び掛けると、ゴーレムは微かに頷いた。私はゴーレムに防御力を上げる魔法をかけた。これで暫くは耐えられる筈。
時間を稼いでる間に、風の魔法を解除して着地した後、私はすぐにヘンリーのもとへ。


「ヘンリー。竜巻を止める方法はある?あるなら今すぐ教えて!」

「あのさー。口答えしないでくれるって言った人が、『はいそうですか。』って言い訳ないだろ。謝れない人に教える物なんてないわ、バカなの?」

「あ、………え。」

「竜巻を止めて誰が得する?お前が得しても、俺はどうなのよ?感想文500文で答えろ」

「………感想文長くない?」

「出せないなら、俺に頼らず自分で考えろ。自分で発動した魔法なんだから。人に頼らず、自分で出来ることを自分で見つけろ・・・・・・・


私の顔を見ないで喋り続けるヘンリーは、声からして、呆れているように聞こえた。確かに自分勝手な所は前から知っている。
今も、ヘンリーに頼ろうとしてしまった。


(最初から勝つなんて、誰も思わないんだよ。私は私らしくやってただけなんだよ?)

「わかった。竜巻は私が止める。例え、この身が『男になっても』私はやってみせるから!」

「……………そうか。頑張れ」


言い残すと、私は直ぐ様魔力を操る。竜巻を止めるなら、こっちはさらに強いやつを使うまで。
風と風とでは逆に強くなる可能性がある。手を地面につけ、土に魔力を注ぎ込み、土の壁を作る。
魔力を注いでいる最中、私の手が震え始めた。大幅に魔力を使った副作用なのだろう。


(魔力を使い続けたら………。あれが……)


考えていると、手からほんのりとした温もりが現れた。手の方を見ると、ゴツく大きな手に覆われていた。………いつの間にか、ヘンリーの手が、私の手を包んでいた。


「やれやれ、見てられないな。やっぱ、お前はバカだ。………バカだからこんな事ができた。お前はもう少し、人を信じることを覚えた方がいい」


耳元でささやかれた言葉は、前より低く感じた。やっぱり、あんな事を言っても結局助けてくれた。


(ツンデレなのかな。まぁ、可愛いところがあっていいか)


魔力を注ぎ込みながら、そんな事を考えていた。






ーーーーーーーーーーーーーーーーー
言った通り、遅くなりました。m(_ _)m

(・ω)〈戦ってねぇーじゃん。



次回、ヘンリーの過去
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