【R18】僕とあの子の10日間~もふもふインコを助けたらアレな少女がやってきた~

里見つばさ

文字の大きさ
31 / 46
第三章(月・火・水・木)

第4話

しおりを挟む
 和也は仰向けになった智美にのしかかっている状態で、耳元に智美の熱い吐息。さらに、しっかりと和也を智美が強く抱き寄せた。和也は智美の豊満な巨乳に顔を埋めている体勢になった。
 智美の香りはとても懐かしく、肉体は柔らかく淫靡いんびで、欲望をそそられる。実際に和也も別れて以降、何度も智美とのセックスを思い出して自慰したものだ。

「トモ、一体どうしたんだよ?」和也は智美の誘惑の呪縛から逃れるように、腕を振りほどく。振り払われた智美は、虚をつかれたような顔だ。
「あたしのこと、いつも好きっていってたじゃん」
 元は熱烈に智美のことを愛していただけあって、和也が智美を拒否するのは心苦しい。だがクローゼットに隠れているユミを思い出して、
「昔の話だ。俺はしないよ」和也は心を鬼にして智美に力強く言った。

「あたしさ、彼と別れちゃって、和クンしか頼る人いないんだー。今日一晩だけでも泊めてよー。和クン、一生のお願い!」
 智美は悲しげな表情で、見上げてくる。知り合いが悲しんでいるのを見るだけで、心が痛む和也である。ましてや智美は六年間深く付き合って、短いながらも楽しい結婚生活をおくった伴侶はんりょだ。涙が出そうに心が苦しい。

「タクシー代貸すから、帰ってくれ」和也は振り絞るように言った。和也の返事は智美には相当意外だったのだろう。
「えーっ!? 信じられないんだけど!」驚きの色を隠せない智美が、和也に鋭い視線を浴びせ、叫ぶ。
 そして、智美はぷいと和也から顔をそらしたかと思えば、ベッドにうつ伏せになって、シーツにすがり泣き始めた。大学当時から智美の泣き落としに和也は弱く、甘い言葉を掛けるのが常だったが、今回は違っていた。

「トモとは離婚したんだし、しょうがないだろ?」和也は感情を押し殺して言った。
 ところが、智美は和也の言葉にはまったく返事をせずに、さっと体を起こして和也を力強く見つめた。
「あ! 和クンがあたしを泊めない理由が分かった!」
 突然、智美は何を言いだすんだろう。
「えっ?」まさかユミのことがばれたのか。と和也は焦る。

「和クン、彼女ができたんだね。そうでしょ!?」
 智美は自信に満ちた表情で言い放つ。女性の勘は鋭いというが、智美にほぼ核心をつかれた和也は、思わずたじろいでしまった。既に離婚しているので、和也に彼女ができたとしても構わないのだが、和也は責められている気分になった。

 ユミと自分はいったいどのような関係なんだろう。ユミに深い愛情を感じているのは、和也はもちろん自覚している。だが胸を張って、ユミを彼女だ、とは言えなかった。ユミは霊なので、いずれ消滅する運命だ。

 そのため智美への和也の返事も、「彼女ができたわけではないけど、とにかく帰ってくれよ」と弱腰になってしまう。
「ウソ! このベッドに女の匂いがする!」智美は叫ぶと、くんくんとベッドに鼻を近づけて匂いを嗅いでいる。どこの警察犬だよ、と和也はツッコミを入れたかったが、ユミの匂いが付いているのは間違いないはず。まったくの図星なので洒落しゃれにならない。

「匂いなんてないだろ?」全否定できない和也は、さらに弱気になってしまった。
「ていうかさー。この部屋全体、すごく女の匂いがするんだけど?」
 いつの間にか酔いが醒めた智美は、ぴょんと元気に立ち上がった。智美は鼻をクンクン鳴らしながら、「和クンの彼女の匂いがするー」とか「こっちから強く匂いが!」など言いながら部屋中を嗅ぎ回る。

「トモ、彼女はいないから、やめてくれよ」との弱気な和也の願いむなしく、警察犬智美号は、ユミが隠れているクローゼットに近づいていく。
「ここから女の匂いがプンプンするんだけど!」
 智美がクローゼットの扉に手を掛けた。そこにはユミが隠れているんだ。やめろ、開けないでくれ。和也は天に祈った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

アダルト漫画家とランジェリー娘

茜色
恋愛
21歳の音原珠里(おとはら・じゅり)は14歳年上のいとこでアダルト漫画家の音原誠也(おとはら・せいや)と二人暮らし。誠也は10年以上前、まだ子供だった珠里を引き取り養い続けてくれた「保護者」だ。 今や社会人となった珠里は、誠也への秘めた想いを胸に、いつまでこの平和な暮らしが許されるのか少し心配な日々を送っていて……。 ☆全22話です。職業等の設定・描写は非常に大雑把で緩いです。ご了承くださいませ。 ☆エピソードによって、ヒロイン視点とヒーロー視点が不定期に入れ替わります。 ☆「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しております。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~

cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。 同棲はかれこれもう7年目。 お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。 合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。 焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。 何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。 美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。 私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな? そしてわたしの30歳の誕生日。 「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」 「なに言ってるの?」 優しかったはずの隼人が豹変。 「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」 彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。 「絶対に逃がさないよ?」

【完結済】25億で極道に売られた女。姐になります!

satomi
恋愛
昼夜問わずに働く18才の主人公南ユキ。 働けども働けどもその収入は両親に搾取されるだけ…。睡眠時間だって2時間程度しかないのに、それでもまだ働き口を増やせと言う両親。 早朝のバイトで頭は朦朧としていたけれど、そんな時にうちにやってきたのは白虎商事CEOの白川大雄さん。ポーンっと25億で私を買っていった。 そんな大雄さん、白虎商事のCEOとは別に白虎組組長の顔を持っていて、私に『姐』になれとのこと。 大丈夫なのかなぁ?

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...