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第3話:絶望の淵で見つけた光
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西塔の物置、という言葉に嘘はなかった。
案内された部屋は、ホコリっぽくてカビ臭い、文字通りの物置だった。
壊れた家具やガラクタが山積みにされ、私が眠るためのスペースは、かろうじてベッドが一つ置ける程度。
窓は一つあるけれど、分厚いホコリと汚れに覆われていて、外の光はほとんど入ってこない。
「……ひどい」
思わず、声が漏れた。
伯爵令嬢として、何不自由なく育てられてきた私にとって、ここは牢獄と何ら変わりない。
ベッドに腰を下ろすと、ぎしり、と頼りない音がした。
シーツは薄汚れていて、触るのも躊躇われる。
これから、ずっとここで……?
込み上げてくる涙を、必死にこらえた。
泣いても、誰も助けてはくれない。
リリアナも、エドワード殿下も、きっと今頃、私がいなくなった王宮で笑い合っているのだろう。
――働かざる者食うべからず。
アレス団長の冷たい声が、頭の中で反響する。
そうだ、このまま塞ぎ込んでいても、何も始まらない。
彼らは私を慰安婦か何かだと思っているようだけど、私はそんなつもりはない。
せめて、人間らしい生活がしたい。
このまま、心を殺して、ただ朽ち果てるのを待つなんて、絶対に嫌だ。
そのためには、まず、この部屋を何とかしなければ。
私は袖をまくり、決意を固めた。
「まずは、お掃除からね」
幸い、部屋の隅に古びた雑巾とバケツがあった。
井戸で水を汲み、私は一心不乱に掃除を始めた。
床を拭き、壁のホコリを払い、ガラクタを部屋の隅に片付けていく。
そして、一番厄介だったのが、窓だ。
長年蓄積された汚れは、一度や二度拭いたくらいでは落ちない。
けれど、私は諦めなかった。
何も考えず、ただ無心に、力を込めて窓を磨いた。
どれくらいの時間が経っただろう。
息が切れ、汗が額を伝う頃、ついに窓の汚れが落ち始めた。
そして――。
差し込んできたのは、灰色の空から漏れる、弱々しい光。
けれど、ずっと薄暗い部屋にいた私にとって、それは太陽のように明るく、温かく感じられた。
光に照らされて、空気中を舞うホコリがきらきらと輝いている。
その光が部屋に満ちた瞬間、よどんでいたカビ臭い空気が、ほんの少しだけ、澄んだような気がした。
「……きれい」
それを見た瞬間、なぜだか胸のつかえが少しだけ取れたような気がした。
掃除を終えた私は、次に厨房へ向かった。
食事は配給されると言われたけれど、とてもじっと待ってはいられない。
それに、何よりお腹が空いていた。
厨房は、砦の大きさの割には小さく、ここもまた薄汚れていた。
調理器具は最低限のものしかなく、食材も干し肉や固いパン、しなびた野菜といった、保存食がほとんど。
「これで、毎日食事を……」
騎士たちの顔色が悪い理由が、少し分かった気がする。
こんな食事ばかりでは、体も心も蝕まれてしまうだろう。
私は、食材庫の隅に、少しだけ新鮮そうな野菜と、骨付きの肉が残されているのを見つけた。
おそらく、幹部用のものなのだろう。
勝手に使ったら、また何を言われるか分からない。
でも……。
ぐぅぅぅ、と、お腹が情けない音を立てた。
もう、我慢の限界だった。
「少しだけなら、きっと許してくれるわよね……?」
自分に言い訳をして、私はその食材を手に取った。
作るものは、決まっている。
冷えた体を温める、具だくさんのスープだ。
野菜を丁寧に洗い、手際よく刻んでいく。
鍋で肉と香味野菜を炒め、水を加えてコトコトと煮込む。
味付けは、岩塩と、棚の奥で見つけた数種類の乾燥ハーブだけ。
やがて、厨房にふんわりと優しい香りが立ち込めた。
それは、この鉄と瘴気の匂いしかしない殺風景な砦には、あまりにも不似合いな、温かい匂いだった。
「……できた」
木製の器にスープを注ぎ、一口、そっと口に運ぶ。
「……おいしい」
特別な材料は何一つ使っていない。
それなのに、野菜の甘みと肉の旨味が溶け込んだスープは、体中にじんわりと温かさを広げていく。
それは、ただのスープじゃない。
絶望の淵にいた私を、ほんの少しだけ引き上げてくれる、希望の味がした。
夢中でスープを飲んでいると、不意に厨房の扉が開いた。
「……なんだ、この匂いは?」
そこに立っていたのは、昼間に会った騎士の一人だった。
彼は、驚いたように目を見開き、厨房の香りをくんくんと嗅いでいる。
その視線が、私の手の中にある器に注がれた。
「お前……それは、何だ?」
彼の問いに、私はビクッと体を震わせる。
まずい、勝手に食材を使ったことがバレてしまった……!
案内された部屋は、ホコリっぽくてカビ臭い、文字通りの物置だった。
壊れた家具やガラクタが山積みにされ、私が眠るためのスペースは、かろうじてベッドが一つ置ける程度。
窓は一つあるけれど、分厚いホコリと汚れに覆われていて、外の光はほとんど入ってこない。
「……ひどい」
思わず、声が漏れた。
伯爵令嬢として、何不自由なく育てられてきた私にとって、ここは牢獄と何ら変わりない。
ベッドに腰を下ろすと、ぎしり、と頼りない音がした。
シーツは薄汚れていて、触るのも躊躇われる。
これから、ずっとここで……?
込み上げてくる涙を、必死にこらえた。
泣いても、誰も助けてはくれない。
リリアナも、エドワード殿下も、きっと今頃、私がいなくなった王宮で笑い合っているのだろう。
――働かざる者食うべからず。
アレス団長の冷たい声が、頭の中で反響する。
そうだ、このまま塞ぎ込んでいても、何も始まらない。
彼らは私を慰安婦か何かだと思っているようだけど、私はそんなつもりはない。
せめて、人間らしい生活がしたい。
このまま、心を殺して、ただ朽ち果てるのを待つなんて、絶対に嫌だ。
そのためには、まず、この部屋を何とかしなければ。
私は袖をまくり、決意を固めた。
「まずは、お掃除からね」
幸い、部屋の隅に古びた雑巾とバケツがあった。
井戸で水を汲み、私は一心不乱に掃除を始めた。
床を拭き、壁のホコリを払い、ガラクタを部屋の隅に片付けていく。
そして、一番厄介だったのが、窓だ。
長年蓄積された汚れは、一度や二度拭いたくらいでは落ちない。
けれど、私は諦めなかった。
何も考えず、ただ無心に、力を込めて窓を磨いた。
どれくらいの時間が経っただろう。
息が切れ、汗が額を伝う頃、ついに窓の汚れが落ち始めた。
そして――。
差し込んできたのは、灰色の空から漏れる、弱々しい光。
けれど、ずっと薄暗い部屋にいた私にとって、それは太陽のように明るく、温かく感じられた。
光に照らされて、空気中を舞うホコリがきらきらと輝いている。
その光が部屋に満ちた瞬間、よどんでいたカビ臭い空気が、ほんの少しだけ、澄んだような気がした。
「……きれい」
それを見た瞬間、なぜだか胸のつかえが少しだけ取れたような気がした。
掃除を終えた私は、次に厨房へ向かった。
食事は配給されると言われたけれど、とてもじっと待ってはいられない。
それに、何よりお腹が空いていた。
厨房は、砦の大きさの割には小さく、ここもまた薄汚れていた。
調理器具は最低限のものしかなく、食材も干し肉や固いパン、しなびた野菜といった、保存食がほとんど。
「これで、毎日食事を……」
騎士たちの顔色が悪い理由が、少し分かった気がする。
こんな食事ばかりでは、体も心も蝕まれてしまうだろう。
私は、食材庫の隅に、少しだけ新鮮そうな野菜と、骨付きの肉が残されているのを見つけた。
おそらく、幹部用のものなのだろう。
勝手に使ったら、また何を言われるか分からない。
でも……。
ぐぅぅぅ、と、お腹が情けない音を立てた。
もう、我慢の限界だった。
「少しだけなら、きっと許してくれるわよね……?」
自分に言い訳をして、私はその食材を手に取った。
作るものは、決まっている。
冷えた体を温める、具だくさんのスープだ。
野菜を丁寧に洗い、手際よく刻んでいく。
鍋で肉と香味野菜を炒め、水を加えてコトコトと煮込む。
味付けは、岩塩と、棚の奥で見つけた数種類の乾燥ハーブだけ。
やがて、厨房にふんわりと優しい香りが立ち込めた。
それは、この鉄と瘴気の匂いしかしない殺風景な砦には、あまりにも不似合いな、温かい匂いだった。
「……できた」
木製の器にスープを注ぎ、一口、そっと口に運ぶ。
「……おいしい」
特別な材料は何一つ使っていない。
それなのに、野菜の甘みと肉の旨味が溶け込んだスープは、体中にじんわりと温かさを広げていく。
それは、ただのスープじゃない。
絶望の淵にいた私を、ほんの少しだけ引き上げてくれる、希望の味がした。
夢中でスープを飲んでいると、不意に厨房の扉が開いた。
「……なんだ、この匂いは?」
そこに立っていたのは、昼間に会った騎士の一人だった。
彼は、驚いたように目を見開き、厨房の香りをくんくんと嗅いでいる。
その視線が、私の手の中にある器に注がれた。
「お前……それは、何だ?」
彼の問いに、私はビクッと体を震わせる。
まずい、勝手に食材を使ったことがバレてしまった……!
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