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のろいの人形?
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「やっぱりわかんないなあ」
イスの背もたれから思いっきり頭をはみ出させて、ハヤトくんはこうさん。学校の2階のはしっこ、ふだんは空いてる教室だから声がよくひびく。
ハヤトくんはみどり台小学校いちナゾを見つけるのがうまい男、ってじぶんで言ってるけど、それはウソじゃない。ただナゾをとくのは苦手ってだけ。
「やっぱりイタズラでしょ。ほかに考えられないじゃん」
わたしたちの中でいちばん背の高いマスミちゃんは、クールに言い切る。スポーツ万能で、バスケもやってるマスミちゃんは、ふつうに話してても自信マンマンにみえる。
じっさいわたしもそうだと思う。イタズラとしか思えない。思えないんだけど、言い出せないよ~!
「ロマンがないですよ、杉田さん」
ヒロフミくんが本から顔をあげる。アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』だ。わたしもむかし挑戦してみたけど、ちょっとむずかしかった。
ヒロフミくんは探偵クラブいちのミステリーオタク。わたしたちよりひとつ年下の4年生なのに、図書室のミステリーものはぜんぶ読んで、今は大人むけの本を読んでいる。探偵クラブの知恵袋ってカンジ。
そしてあらゆることにミステリーを求めるロマンチストなのだ。好きな人はホームズ。好きな猫は三毛猫ホームズ。将来の夢はもちろん名探偵。そこまでいくとチョットそんけいしちゃうなー。
「イタズラだとしても理由があるはずです。この事件は不自然すぎますから」
「イタズラに理由なんている?男子なんて理由もなしにぞうきん投げあってるじゃん」
「そういう話じゃないだろ!」
また敬語をわすれてる。ヒロフミくんはクールで現実的なマスミちゃんとはチョット相性✕。どっちもいいだしたことは曲げないタイプだから、議論は白熱電球だ。
「まあまあまってまって。たしかにイタズラって線は濃厚だけどさ。ここは探偵クラブなんだから、証拠なしじゃあどっちの意見も正しくはないなあ」
ガミガミ言い争いになりそうなところで、ハヤトくんが割って入る。こういうところでよく気がつくし、ナゾを見つけるのもうまい。すごいデキるやつなんだけど、あとはナゾ解きさえ得意なら……。
でもわたしの心の中でのおいのりは、神さま仏さまにはとどかず、探偵クラブは恒例の流れになってしまう。
「ここはわれらがクラブのエース、陸門あやかさまに解決してもらおうじゃないか!」
びしり、とハヤトくんがこっちを指さす。かんべんしてよ~。
助けをもとめてほかの二人に目をむける。だけどやっぱりダメ。二人ともドヤ顔でうなずいている。
「まあそうなるよね」
「くやしいけど、陸門さんなら安心だ」
そうなのだ。それぞれが特技をもつわれらみどり台小学校探偵クラブで、わたしは推理が大得意のエースだと思われてるのだ。
思われてるっていったけど、じゃあ本当はどうなのかって?
ぜんぜんダメです。な~んにもわかんない。
「じゃあこれまでの話をまとめようか」
ハヤトくんがどんどん話を進めだす。こんなに話すのがうまいんだから、ついでに正解もいってくれないかなあ。
「相談があったのはいっこ下の4年2組の大田リコちゃんから。彼女はむかし、おばあちゃんから人形をもらっていた」
そう、このナゾは本に書いてあったわけでも、SNSで話題になってるわけでもない。わたしたちのいるみどり台で、ほんとに起こった事件なのだ。
「でも、あんまりうれしいプレゼントじゃなかったらしい。そりゃあコケシみたいな顔で髪の長いお人形をもらってもね」
「うちのお母さんが子どものころでもいやがってたよ」
「マスミちゃんいいすぎだよ……」
まあ、じっさいわたしのお母さんでもいやがっただろうなあ……。画像を送ってもらったけど、フツーにこわい。完全にホラーの出だしにいそうな人形だった。
「それで、リコちゃんも置き場所を変えたりいろいろがんばってみたんだけれど、やっぱりガマンできなかった。お母さんにたのんで捨ててもらったんだね。しかし……」
「人形が動いた」
ハヤトくんが声をためると、ヒロフミくんがつづける。
「そ。リコちゃんが人形を捨てて数日後。かえり道の坂をのぼってると、家の塀の上に何かがのっていることに気づいた。おそるおそる近づいて、たしかめてみると……」
こわいこわい!ハヤトくんはホラーチャンネルみたいなしゃべり方で、空気をもりあげる。まだ外は明るいのに、真夜中みたいにゾッとする。話がうまいのはいいけど、べつにそんなことしなくていいよー!
わたしはもちろんオバケはにがて。お兄ちゃんがホラー映画好きだから、1週間に3回はテレビの部屋に近づけない。やめてっていってるのに、わらって相手にしてくれないのだ。ひどいやつ!
「塀の上に捨てたはずの人形があった。それでこんどは朝早くにこっそり捨てたけど、それでも戻ってきた。でしょ?」
そんな流れをバシッと断ち切って、マスミちゃんが話を終わらせた。ありがとうマスミちゃん!ホントにたよりになる~!
「マスミおまえさあ」
「何度も説明したでしょ。まとめでなんで怪談話してんのよ」
「いいだろ。あやかだって楽しんでるんだし」
「ガマンしてるのよ。イヤな顔してるじゃん。あやかは無駄な話がキライなの!」
ごめんなさいこわい話がキライなだけです。でもありがとう。
「結論はイタズラでしょ。オカルトな話なら占い研究会にでも持ちこめばいいじゃん。人形をゴミ捨て場から塀の上に持っていけるのは人間だけ。だからイタズラ。ほかにある?」
ごもっとも。わたしも反論が思い浮かばない。みんなもそうだろう。だから困ってるんだ。
だってそんなかんたんな推理、みんな考えついているんだから。
だからハヤトくんも同じ反論をくり返す。
「でもリコちゃんのお父さんが見張ってたんだろ?2回目は。ちゃんとゴミ収集車が来て、ゴミを持ってった。誰かがこっそり近づいたりはしてないって」
「あっ、ゴミ収集車の人が犯人!」
ヒロフミくんがうれしそうにさけんだ。なるほどミステリー好きらしいひねった答え。でも現実的じゃないかなー。できるのはできるけど、無理がありすぎ。
ハヤトくんも同意見っぽい。
「おもしろい推理だけど、仕事でいそがしいのにそんな事するかな?それに、後で戻ってきて人形を置いてかなきゃいけないけど、そんな時間もなさそうだし」
「そうですよね……。ミステリとしてもありきたりだし……」
またふりだしにもどっちゃった。
だいいち手がかりが少なすぎるんだ。人形を捨てたらもどってきただけでどうナゾをとけっていうの?
それにリコちゃんと家族が怖がるのもわかるんだ。だってわたしもこわいもん。それには理由があって……。
「でも、あの近くで、むかし事故があったんだよ?気にするのもしかたないっていうか……」
「あれ?そうだっけ?」
マスミちゃんが首をかしげた。マスミちゃんの家は、学校をはさんでわたしのうちの反対側だから、ピンとこないんだろう。
でもわたしはあの道はいつも早歩きで通りぬけている。こわいのはニガテなんだ。
ヒロフミくんはおぼえがあったのか、タブレットをいじり始める。クラブ活動なので、タブレットも自由に使えるのがいいところだ。
「あった。十年前の記事。『幸せな一家に悲劇。小学生が家の前で……』。女の子が車にはねられたみたいですね」
ヒロフミくんの言葉で、ハヤトくんも思い出したみたい。指をぱちんと鳴らす。
「そういえば、あやかの家に遊びに行ったとき、道に花が置いてあったことがあったな。けっこう前だけど」
うん。それはわたしも見たことがある。ていうか昔はずっと置いてあったので、そういう道なんだと思ってた。
「無くなったのは1年前くらいかなー。十年もたったんだし、置いてた人ももういいかって思ったのかも」
「それってけっこう重要な情報じゃないですか?言ってくれればいいのに」
うっ、それを言われると弱い。ヒロフミくんのするどいツッコミがつきささる。
だってその話したらあれでしょ?ちょっといやーなカンジになるっていうか。
「人形がもどって来たのは、その子ののろいってこと?それじゃよけいオカルトでしょ」
う~!いやだいやだ。鳥肌たってきた。かえり道なのになんでこんなこわい思いをしないといけないんだ。
このナゾがもちこまれた時からイヤだったんだ。あたりまえでしょ?毎日とおる道なんだから。こわい話なんて聞きたくない!
でもみんなやる気マンマンでああだこうだと言い合うから、止めるわけにもいかないし……。
もうどうしようもない。わたしはとうとう決意した。こんなナゾは早いところ解決してしまおう。
「えー、みなさん」
わたしが一声かけるとみんな静かになって聞いてくれる。このチームワークはもっとほかの場面で使ってほしいな。
「じつは、このナゾはほぼ解けています!」
「「「ええっ!」」」
みんなおどろく。ぜんぜんそんな空気出してなかったもんね。
「それならどうして言ってくれなかったんですか?さっきの手がかりもそうだけど、情報はぜんぶ出すのがクラブのルール。ズルはダメですよ」
ヒロフミくんはいちいちするどい。ホントに年下?
「えーとね。これはちょっとむずかしいナゾで~。そう!いろいろむずかしいの!だから今日はいったんかえって、また明日はなすから!」
めちゃくちゃ苦しい言い訳をしぼり出す。大丈夫かな。さすがにそんなにチョロくないかな。
「まあわれらがクラブのエースがそういうならね」
「けっきょくだれも解けてないわけだし。しょうがないんじゃない?」
「まあ、そこまで言うなら、しょうがないですけど」
すごくうまくいってしまった。わたしが言うのもなんだけど、みんな変な人にだまされないでね。
クラブが終わればそのまま下校だ。わたしたちの家はそれぞれはなれているから、かえり道はべつべつだ。
まわりにクラブのみんながいないことをたしかめて、大きく息をすう。
わたしにすごい推理の力なんてない。みんながわからないことはわたしにもわからない。だからこのナゾだってさっぱりだ。
だけどわたしにはあてがある。わたしがみどり台小学校探偵クラブのエースになったヒミツ。
それはかえり道にあるのだ。
「ツツジくん!」
すいこんだ息をのこらずはき出して、名前をよぶ。
「どうしたの?陸門さん」
横から男の子があらわれた。
イスの背もたれから思いっきり頭をはみ出させて、ハヤトくんはこうさん。学校の2階のはしっこ、ふだんは空いてる教室だから声がよくひびく。
ハヤトくんはみどり台小学校いちナゾを見つけるのがうまい男、ってじぶんで言ってるけど、それはウソじゃない。ただナゾをとくのは苦手ってだけ。
「やっぱりイタズラでしょ。ほかに考えられないじゃん」
わたしたちの中でいちばん背の高いマスミちゃんは、クールに言い切る。スポーツ万能で、バスケもやってるマスミちゃんは、ふつうに話してても自信マンマンにみえる。
じっさいわたしもそうだと思う。イタズラとしか思えない。思えないんだけど、言い出せないよ~!
「ロマンがないですよ、杉田さん」
ヒロフミくんが本から顔をあげる。アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』だ。わたしもむかし挑戦してみたけど、ちょっとむずかしかった。
ヒロフミくんは探偵クラブいちのミステリーオタク。わたしたちよりひとつ年下の4年生なのに、図書室のミステリーものはぜんぶ読んで、今は大人むけの本を読んでいる。探偵クラブの知恵袋ってカンジ。
そしてあらゆることにミステリーを求めるロマンチストなのだ。好きな人はホームズ。好きな猫は三毛猫ホームズ。将来の夢はもちろん名探偵。そこまでいくとチョットそんけいしちゃうなー。
「イタズラだとしても理由があるはずです。この事件は不自然すぎますから」
「イタズラに理由なんている?男子なんて理由もなしにぞうきん投げあってるじゃん」
「そういう話じゃないだろ!」
また敬語をわすれてる。ヒロフミくんはクールで現実的なマスミちゃんとはチョット相性✕。どっちもいいだしたことは曲げないタイプだから、議論は白熱電球だ。
「まあまあまってまって。たしかにイタズラって線は濃厚だけどさ。ここは探偵クラブなんだから、証拠なしじゃあどっちの意見も正しくはないなあ」
ガミガミ言い争いになりそうなところで、ハヤトくんが割って入る。こういうところでよく気がつくし、ナゾを見つけるのもうまい。すごいデキるやつなんだけど、あとはナゾ解きさえ得意なら……。
でもわたしの心の中でのおいのりは、神さま仏さまにはとどかず、探偵クラブは恒例の流れになってしまう。
「ここはわれらがクラブのエース、陸門あやかさまに解決してもらおうじゃないか!」
びしり、とハヤトくんがこっちを指さす。かんべんしてよ~。
助けをもとめてほかの二人に目をむける。だけどやっぱりダメ。二人ともドヤ顔でうなずいている。
「まあそうなるよね」
「くやしいけど、陸門さんなら安心だ」
そうなのだ。それぞれが特技をもつわれらみどり台小学校探偵クラブで、わたしは推理が大得意のエースだと思われてるのだ。
思われてるっていったけど、じゃあ本当はどうなのかって?
ぜんぜんダメです。な~んにもわかんない。
「じゃあこれまでの話をまとめようか」
ハヤトくんがどんどん話を進めだす。こんなに話すのがうまいんだから、ついでに正解もいってくれないかなあ。
「相談があったのはいっこ下の4年2組の大田リコちゃんから。彼女はむかし、おばあちゃんから人形をもらっていた」
そう、このナゾは本に書いてあったわけでも、SNSで話題になってるわけでもない。わたしたちのいるみどり台で、ほんとに起こった事件なのだ。
「でも、あんまりうれしいプレゼントじゃなかったらしい。そりゃあコケシみたいな顔で髪の長いお人形をもらってもね」
「うちのお母さんが子どものころでもいやがってたよ」
「マスミちゃんいいすぎだよ……」
まあ、じっさいわたしのお母さんでもいやがっただろうなあ……。画像を送ってもらったけど、フツーにこわい。完全にホラーの出だしにいそうな人形だった。
「それで、リコちゃんも置き場所を変えたりいろいろがんばってみたんだけれど、やっぱりガマンできなかった。お母さんにたのんで捨ててもらったんだね。しかし……」
「人形が動いた」
ハヤトくんが声をためると、ヒロフミくんがつづける。
「そ。リコちゃんが人形を捨てて数日後。かえり道の坂をのぼってると、家の塀の上に何かがのっていることに気づいた。おそるおそる近づいて、たしかめてみると……」
こわいこわい!ハヤトくんはホラーチャンネルみたいなしゃべり方で、空気をもりあげる。まだ外は明るいのに、真夜中みたいにゾッとする。話がうまいのはいいけど、べつにそんなことしなくていいよー!
わたしはもちろんオバケはにがて。お兄ちゃんがホラー映画好きだから、1週間に3回はテレビの部屋に近づけない。やめてっていってるのに、わらって相手にしてくれないのだ。ひどいやつ!
「塀の上に捨てたはずの人形があった。それでこんどは朝早くにこっそり捨てたけど、それでも戻ってきた。でしょ?」
そんな流れをバシッと断ち切って、マスミちゃんが話を終わらせた。ありがとうマスミちゃん!ホントにたよりになる~!
「マスミおまえさあ」
「何度も説明したでしょ。まとめでなんで怪談話してんのよ」
「いいだろ。あやかだって楽しんでるんだし」
「ガマンしてるのよ。イヤな顔してるじゃん。あやかは無駄な話がキライなの!」
ごめんなさいこわい話がキライなだけです。でもありがとう。
「結論はイタズラでしょ。オカルトな話なら占い研究会にでも持ちこめばいいじゃん。人形をゴミ捨て場から塀の上に持っていけるのは人間だけ。だからイタズラ。ほかにある?」
ごもっとも。わたしも反論が思い浮かばない。みんなもそうだろう。だから困ってるんだ。
だってそんなかんたんな推理、みんな考えついているんだから。
だからハヤトくんも同じ反論をくり返す。
「でもリコちゃんのお父さんが見張ってたんだろ?2回目は。ちゃんとゴミ収集車が来て、ゴミを持ってった。誰かがこっそり近づいたりはしてないって」
「あっ、ゴミ収集車の人が犯人!」
ヒロフミくんがうれしそうにさけんだ。なるほどミステリー好きらしいひねった答え。でも現実的じゃないかなー。できるのはできるけど、無理がありすぎ。
ハヤトくんも同意見っぽい。
「おもしろい推理だけど、仕事でいそがしいのにそんな事するかな?それに、後で戻ってきて人形を置いてかなきゃいけないけど、そんな時間もなさそうだし」
「そうですよね……。ミステリとしてもありきたりだし……」
またふりだしにもどっちゃった。
だいいち手がかりが少なすぎるんだ。人形を捨てたらもどってきただけでどうナゾをとけっていうの?
それにリコちゃんと家族が怖がるのもわかるんだ。だってわたしもこわいもん。それには理由があって……。
「でも、あの近くで、むかし事故があったんだよ?気にするのもしかたないっていうか……」
「あれ?そうだっけ?」
マスミちゃんが首をかしげた。マスミちゃんの家は、学校をはさんでわたしのうちの反対側だから、ピンとこないんだろう。
でもわたしはあの道はいつも早歩きで通りぬけている。こわいのはニガテなんだ。
ヒロフミくんはおぼえがあったのか、タブレットをいじり始める。クラブ活動なので、タブレットも自由に使えるのがいいところだ。
「あった。十年前の記事。『幸せな一家に悲劇。小学生が家の前で……』。女の子が車にはねられたみたいですね」
ヒロフミくんの言葉で、ハヤトくんも思い出したみたい。指をぱちんと鳴らす。
「そういえば、あやかの家に遊びに行ったとき、道に花が置いてあったことがあったな。けっこう前だけど」
うん。それはわたしも見たことがある。ていうか昔はずっと置いてあったので、そういう道なんだと思ってた。
「無くなったのは1年前くらいかなー。十年もたったんだし、置いてた人ももういいかって思ったのかも」
「それってけっこう重要な情報じゃないですか?言ってくれればいいのに」
うっ、それを言われると弱い。ヒロフミくんのするどいツッコミがつきささる。
だってその話したらあれでしょ?ちょっといやーなカンジになるっていうか。
「人形がもどって来たのは、その子ののろいってこと?それじゃよけいオカルトでしょ」
う~!いやだいやだ。鳥肌たってきた。かえり道なのになんでこんなこわい思いをしないといけないんだ。
このナゾがもちこまれた時からイヤだったんだ。あたりまえでしょ?毎日とおる道なんだから。こわい話なんて聞きたくない!
でもみんなやる気マンマンでああだこうだと言い合うから、止めるわけにもいかないし……。
もうどうしようもない。わたしはとうとう決意した。こんなナゾは早いところ解決してしまおう。
「えー、みなさん」
わたしが一声かけるとみんな静かになって聞いてくれる。このチームワークはもっとほかの場面で使ってほしいな。
「じつは、このナゾはほぼ解けています!」
「「「ええっ!」」」
みんなおどろく。ぜんぜんそんな空気出してなかったもんね。
「それならどうして言ってくれなかったんですか?さっきの手がかりもそうだけど、情報はぜんぶ出すのがクラブのルール。ズルはダメですよ」
ヒロフミくんはいちいちするどい。ホントに年下?
「えーとね。これはちょっとむずかしいナゾで~。そう!いろいろむずかしいの!だから今日はいったんかえって、また明日はなすから!」
めちゃくちゃ苦しい言い訳をしぼり出す。大丈夫かな。さすがにそんなにチョロくないかな。
「まあわれらがクラブのエースがそういうならね」
「けっきょくだれも解けてないわけだし。しょうがないんじゃない?」
「まあ、そこまで言うなら、しょうがないですけど」
すごくうまくいってしまった。わたしが言うのもなんだけど、みんな変な人にだまされないでね。
クラブが終わればそのまま下校だ。わたしたちの家はそれぞれはなれているから、かえり道はべつべつだ。
まわりにクラブのみんながいないことをたしかめて、大きく息をすう。
わたしにすごい推理の力なんてない。みんながわからないことはわたしにもわからない。だからこのナゾだってさっぱりだ。
だけどわたしにはあてがある。わたしがみどり台小学校探偵クラブのエースになったヒミツ。
それはかえり道にあるのだ。
「ツツジくん!」
すいこんだ息をのこらずはき出して、名前をよぶ。
「どうしたの?陸門さん」
横から男の子があらわれた。
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