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120.罪深い姫の怒り
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セカンド・ボンボニエールは、10トン近い重さがあるロボット。
それを支える4本の鉄の足が、叩きおられてる。
機体は前のめりに倒れて、車体の上から床にめり込んだ。
コクピットへ入るハッチは、そこだ。
私は、そのハッチを持ち上げ続けてる!
重い!
しかも、ハッチの横に邪魔者がいる。
直径30ミリもある砲弾を射つ、機関砲。
ゴツいやつだよ。
火傷しそうなほど熱い。
さっきまで火を吹いてたんだ。
当然だね。
その砲が、私に触れそうなそばにある。
床に、ちょっと刺さって止まってる。
機関砲をガン! と蹴ってみる!
クツ底から熱さは感じなかった。
このクツやスーツは燃えることはないけど。
砲塔は、まわらなかった。
「ウィットネス・ディパーチャーだ」
中から男の人の声がした。
「僕はまだ歩ける! 」
コクピットから叫んだ。
「早くしてください。
手がキツいです! 」
シートベルトを外す音が聞こえる。
「そのフタ、重いの?! 」
ふ、フタ?
この人の命を預けて、増加装甲までつけたハッチを、そう言う発想はなかった。
後ろから話しかけ、駆け寄る人たち。
ノーブル・アンビルだ。
4人ともいる。
「あなたたち! 」
たちまち怒りと叫びがわいてくる。
「安菜を護衛するんじゃなかったですか?! 」
私が、命を懸けてる大事なことだ。
「その安菜さまに頼まれました」
震える声で、答えられた。
「あなたを手伝うように」
おびえてる。
女の子の声だ。
感じは、たぶん私と同じ年頃。
ふりかえって、安菜を見る。
今も、閻魔 文華に浮きあげられたままだった。
「もう、助かる道がないんです! 」
そう叫ぶ、男のこん棒エンジェルス。
ルルディ騎士に似た黒い炎の鎧。
その下には、丸々とした機械式のパワードスーツ、破滅の鎧もまとってる。
なのに、この弱弱しさは何だろう?
ひざと、両手を床に付いてる。
そのまま泣き叫ぶ姿から、戦う気力は感じなかった。
「迎えに来た大人たちも、「もう、お前たちへの未練も消え失せた」って言って、攻撃してくるんです! 」
涙声でまくし立てるだけの男。
それを安菜は律儀に見つめる。
文華から課せられた、見届け人の役割を果たすつもりなんだ。
「ごめんなさい」
私、八つ当たりしてた。
「このハッチ、重いです」
あやまって答えると、すぐに代わってくれた。
本物のルルディ騎士にかかると、ハッチも軽々だね。
「この鉄砲、熱いよね! 」
また、ノーブル・アンビルの一人に話しかけられた。
この声も女の子だ。
「このままだと火傷しますね」
私が言うとすぐに、騎士は砲身をつかんだ。
ギュッと引くだけで、砲塔が軽々と回った。
そしたら、しのぶとみつき、続いてディパーチャーが飛び出した。
「手間をかけたね」
ディパーチャーさんがあやまった。
顔は、すり傷だらけで血がにじんでる。
そう言えば、窓の防弾ガラスが割れていた。
中で飛び散ったのかな。
「さあ、逃げよう」
ディパーチャーさんに言われた。
まわりが騒がしくなった。
重いモーター音が重なる。
床もゆれる。
北辰やパーフェクト朱墨が、私たちを囲むように集まりだしたんだ。
みんなで逃げるつもりだ。
だけど、だけどね。
「まだだよ! 安菜を助けないと! 」
『助けるつもりですよ』
パーフェクト朱墨から、朱墨ちゃんの声がした。
今は壁ぞいを、カニみたいに横歩きしながら。
「まだ、そんなことを言っているのか?! 」
その時、文華の大声がひびきわたった。
「どうやったらボルケーナに勝てると言うんだ!? 」
怒号だ。
もう他に選択肢はない、と言う意味の。
「見ろ! 」
文華の命令と同時に、こん棒エンジェルスの悲鳴がひびいた。
「うワア!! 」
こん棒エンジェルスが浮き上がった。
大の字に体を開いて。
その顔は、外に向けられている。
文華の右手が、光を放った。
黄色、いや金色の光だ。
攻撃?!
身構える猶予もない。
その手がふられた。
光が、私たちの頭上を通りすぎていく。
夜の闇に飛んでいく。
そして、それまで見えなかったものに当たった。
「何あれ」
それを支える4本の鉄の足が、叩きおられてる。
機体は前のめりに倒れて、車体の上から床にめり込んだ。
コクピットへ入るハッチは、そこだ。
私は、そのハッチを持ち上げ続けてる!
重い!
しかも、ハッチの横に邪魔者がいる。
直径30ミリもある砲弾を射つ、機関砲。
ゴツいやつだよ。
火傷しそうなほど熱い。
さっきまで火を吹いてたんだ。
当然だね。
その砲が、私に触れそうなそばにある。
床に、ちょっと刺さって止まってる。
機関砲をガン! と蹴ってみる!
クツ底から熱さは感じなかった。
このクツやスーツは燃えることはないけど。
砲塔は、まわらなかった。
「ウィットネス・ディパーチャーだ」
中から男の人の声がした。
「僕はまだ歩ける! 」
コクピットから叫んだ。
「早くしてください。
手がキツいです! 」
シートベルトを外す音が聞こえる。
「そのフタ、重いの?! 」
ふ、フタ?
この人の命を預けて、増加装甲までつけたハッチを、そう言う発想はなかった。
後ろから話しかけ、駆け寄る人たち。
ノーブル・アンビルだ。
4人ともいる。
「あなたたち! 」
たちまち怒りと叫びがわいてくる。
「安菜を護衛するんじゃなかったですか?! 」
私が、命を懸けてる大事なことだ。
「その安菜さまに頼まれました」
震える声で、答えられた。
「あなたを手伝うように」
おびえてる。
女の子の声だ。
感じは、たぶん私と同じ年頃。
ふりかえって、安菜を見る。
今も、閻魔 文華に浮きあげられたままだった。
「もう、助かる道がないんです! 」
そう叫ぶ、男のこん棒エンジェルス。
ルルディ騎士に似た黒い炎の鎧。
その下には、丸々とした機械式のパワードスーツ、破滅の鎧もまとってる。
なのに、この弱弱しさは何だろう?
ひざと、両手を床に付いてる。
そのまま泣き叫ぶ姿から、戦う気力は感じなかった。
「迎えに来た大人たちも、「もう、お前たちへの未練も消え失せた」って言って、攻撃してくるんです! 」
涙声でまくし立てるだけの男。
それを安菜は律儀に見つめる。
文華から課せられた、見届け人の役割を果たすつもりなんだ。
「ごめんなさい」
私、八つ当たりしてた。
「このハッチ、重いです」
あやまって答えると、すぐに代わってくれた。
本物のルルディ騎士にかかると、ハッチも軽々だね。
「この鉄砲、熱いよね! 」
また、ノーブル・アンビルの一人に話しかけられた。
この声も女の子だ。
「このままだと火傷しますね」
私が言うとすぐに、騎士は砲身をつかんだ。
ギュッと引くだけで、砲塔が軽々と回った。
そしたら、しのぶとみつき、続いてディパーチャーが飛び出した。
「手間をかけたね」
ディパーチャーさんがあやまった。
顔は、すり傷だらけで血がにじんでる。
そう言えば、窓の防弾ガラスが割れていた。
中で飛び散ったのかな。
「さあ、逃げよう」
ディパーチャーさんに言われた。
まわりが騒がしくなった。
重いモーター音が重なる。
床もゆれる。
北辰やパーフェクト朱墨が、私たちを囲むように集まりだしたんだ。
みんなで逃げるつもりだ。
だけど、だけどね。
「まだだよ! 安菜を助けないと! 」
『助けるつもりですよ』
パーフェクト朱墨から、朱墨ちゃんの声がした。
今は壁ぞいを、カニみたいに横歩きしながら。
「まだ、そんなことを言っているのか?! 」
その時、文華の大声がひびきわたった。
「どうやったらボルケーナに勝てると言うんだ!? 」
怒号だ。
もう他に選択肢はない、と言う意味の。
「見ろ! 」
文華の命令と同時に、こん棒エンジェルスの悲鳴がひびいた。
「うワア!! 」
こん棒エンジェルスが浮き上がった。
大の字に体を開いて。
その顔は、外に向けられている。
文華の右手が、光を放った。
黄色、いや金色の光だ。
攻撃?!
身構える猶予もない。
その手がふられた。
光が、私たちの頭上を通りすぎていく。
夜の闇に飛んでいく。
そして、それまで見えなかったものに当たった。
「何あれ」
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