42 / 124
42.妖菓子鬼茶天タイム
しおりを挟む
殿様気分カフェと言うだけあって、その内装は特徴的だよ。
上から順番に紹介すると。
1.円形折上縁金格天井
天井の縁で角材を曲げ、1段たかくした天井のことを、折上縁天井(おりあげごうてんじょう)と言うの。
ここでは円形の屋根に合わせて作ってある。
釘を使わず、きれいな正方形を並べて組合わさった格子は、漆塗りな黒。
しかも縁は金箔が施されてる。
格子なかには、花や昆虫、海などの景色をカラフルに描いた日本画。
花鳥風月、春夏秋冬といったイメージを自然に沸かせてくれる。
2.赤い二俣和紙と加賀の青しっくいの壁
和紙ならではの繊細な赤。
青しっくいの鮮やかな青を、それぞれ1メートル幅の右あがりストライプとしてはった。
ところどころにある繊細な飾り棚には、地域の紹介本が並んでる。
3.寄せ木の市松模様の床。
一緒に刻まれた花のモチーフも、寄せ木細工で作られてるの。
マーケットリーというの。
使われるイスやテーブルも、アンティーク。
4.ステージ
ここは外せない!
店の奥の、今はカーテンの下りた空間が、ここをシャイニー★シャウツのコンセプトカフェにしてくれる。
そのカーテンは、デジタル緞帳。
天井に仕込まれたプロジェクターが、天井の日本画と同じタッチで描かれた能登半島をアニメにして映しだす。
デフォルメした能登を背景に、多くの人が行き交っている。
その姿は、漁師、会社員、農家、そしてハンターキラーとさまざま。
全体が暗いのは、いまが夜だからだよ。
天候によっても、自動で演出を変えてくれる。
そしてさっきまで、私たちの最新動画、『何が忘れられたのか』が映されていた。
そのステージのすぐ前に、アーリンくんはいた。
向かい合って座るのは、メガネをかけた赤い作務衣の男の子。
鷲矢 武志さん。
今はスマホ画面を見せながら、アーリンくんに何か説明していたみたい。
そのアーリンくんが食い入るように見つめてるのをみると、多分機械系の説明なんだろう。
武志さんは、達美さんの彼氏であり、メインエンジニアなんだ。
そして隣のテーブルには、有村さんの言う通り、デザートやお菓子が並んでいる。
「やあ、来たね」
こんばんは。
アーリンくんも、こっちを見た。
私に怯えているようだ。
かまうもんか!
私も絶対言いたいことがあるんだ。
「無事に帰れてよかったー」
武志さんは私に気づくと、アーリンくんにむきなおった。
「じゃあ、始めようか」
「・・・はい、丸い角砂糖をください」
お菓子の並んだテーブルから、武志さんはボンボニエールを持ってきた。
ロボットじゃない。
お砂糖をいれるものだ。
ふたを開けると、そこにあったのはまさしく丸い角砂糖。
アーリンくんの前においたカップに、新しい暖かいお茶を注ぐと、丸い角砂糖をいれた。
スプーンでかき混ぜながら。
「願いを言って、これを飲めば、契約成立だよ」
達美さんにいわれて、アーリンくんはカップに手をつけた。
「僕は、九尾 朱墨にあいたい!」
そういって、カップをグビグビ飲みほした。
彼の口のなかが心配になるよ。
だけど、達美さんは満足そう。
そのくらいの度胸がないと、朱墨ちゃんにあってもムダ、ってことかな。
「じゃあ、始めるよ」
そういって、両手を空に大きく広げた。
「Welcome to 妖菓子鬼茶天 time!」
あやかしきっさてんたいむ。
この店のなかでのみ使える、この人に許された最大の力。
色つやのよい皮膚や髪の毛が、液体金属のボルケーニウムの形質を戻す。
その波にのって、機械式の骨格から、様々な機能が解放される。
背中にはジェットエンジンと、鳥のような羽が。
さらに2本の新しい腕が生える。
全身は大ぶりな装甲で、服ごとおおわれる。
顔は、あのかわいい顔が銀色のガイコツじみた機械を見せる。
そこに、胴体からとびだしたヘルメットがおおう。
すべての機械が定まると、ボルケーニウムが赤い表面塗料としておおう。
自分の手で、ひたいに円錐形のツノを取り付ける。
最後はライオンの口に鞘に入った短刀をくわえさせた。
一見、横笛みたいに見えるけど、つばも握りもしっかり作られた、脇差しともいう日本風の短刀だよ。
メスライオンを思わせる凛々しい狩人の姿。
レイドリフト・ドラゴンメイド。
レイドリフト1号から連なる、ヒーローの一人。
「じゃあ、始めるよ」
自信にあふれた、その声。
アーリンくんがうなづいた。
ドラゴンメイドのかざした両手に光が宿る。
あの技は何度も見たよ。
あの光は大きくなると、ポルタになる。
遠くの空間と繋がる道ができて、中から朱墨ちゃんがたぶん、
「あれ? 私ご飯を食べてたはずなのに」とか?とまどいながら現れると思う。
だけど・・・・・・。
「あれ?」
ドラゴンメイドの体が、かたむいた。
そのままかたむいた方向に、歩いていく。
まるで、なにかに引っ張られるように。
そっちは、空港の滑走路がある。
今は、誰もいないただっ広い舗装された空き地。
それを見下ろす窓に向かって、ドラゴンメイドの光がほとばしった!
え、ええ!
「一体何をしたんだ?!」
武志さんが聴いてる。
「私知らない!」
ドラゴンメイドが、あの何百人もいるレイドリフト全体からいっても上位の強さを誇るドラゴンメイドが、怯えている。
窓は?!
よかった。
光は窓を割ることなく、すり抜けたようだ。
そして、その先は・・・・・・。
その場にいた全員の目が、滑走路のハシにくぎづけになった。
夜を、太陽のように照らしながら、光はそこにとどまっていた。
そのむこうから、光とは違う音が聞こえてきた。
あれは機械?
タイヤで走る音?
上から順番に紹介すると。
1.円形折上縁金格天井
天井の縁で角材を曲げ、1段たかくした天井のことを、折上縁天井(おりあげごうてんじょう)と言うの。
ここでは円形の屋根に合わせて作ってある。
釘を使わず、きれいな正方形を並べて組合わさった格子は、漆塗りな黒。
しかも縁は金箔が施されてる。
格子なかには、花や昆虫、海などの景色をカラフルに描いた日本画。
花鳥風月、春夏秋冬といったイメージを自然に沸かせてくれる。
2.赤い二俣和紙と加賀の青しっくいの壁
和紙ならではの繊細な赤。
青しっくいの鮮やかな青を、それぞれ1メートル幅の右あがりストライプとしてはった。
ところどころにある繊細な飾り棚には、地域の紹介本が並んでる。
3.寄せ木の市松模様の床。
一緒に刻まれた花のモチーフも、寄せ木細工で作られてるの。
マーケットリーというの。
使われるイスやテーブルも、アンティーク。
4.ステージ
ここは外せない!
店の奥の、今はカーテンの下りた空間が、ここをシャイニー★シャウツのコンセプトカフェにしてくれる。
そのカーテンは、デジタル緞帳。
天井に仕込まれたプロジェクターが、天井の日本画と同じタッチで描かれた能登半島をアニメにして映しだす。
デフォルメした能登を背景に、多くの人が行き交っている。
その姿は、漁師、会社員、農家、そしてハンターキラーとさまざま。
全体が暗いのは、いまが夜だからだよ。
天候によっても、自動で演出を変えてくれる。
そしてさっきまで、私たちの最新動画、『何が忘れられたのか』が映されていた。
そのステージのすぐ前に、アーリンくんはいた。
向かい合って座るのは、メガネをかけた赤い作務衣の男の子。
鷲矢 武志さん。
今はスマホ画面を見せながら、アーリンくんに何か説明していたみたい。
そのアーリンくんが食い入るように見つめてるのをみると、多分機械系の説明なんだろう。
武志さんは、達美さんの彼氏であり、メインエンジニアなんだ。
そして隣のテーブルには、有村さんの言う通り、デザートやお菓子が並んでいる。
「やあ、来たね」
こんばんは。
アーリンくんも、こっちを見た。
私に怯えているようだ。
かまうもんか!
私も絶対言いたいことがあるんだ。
「無事に帰れてよかったー」
武志さんは私に気づくと、アーリンくんにむきなおった。
「じゃあ、始めようか」
「・・・はい、丸い角砂糖をください」
お菓子の並んだテーブルから、武志さんはボンボニエールを持ってきた。
ロボットじゃない。
お砂糖をいれるものだ。
ふたを開けると、そこにあったのはまさしく丸い角砂糖。
アーリンくんの前においたカップに、新しい暖かいお茶を注ぐと、丸い角砂糖をいれた。
スプーンでかき混ぜながら。
「願いを言って、これを飲めば、契約成立だよ」
達美さんにいわれて、アーリンくんはカップに手をつけた。
「僕は、九尾 朱墨にあいたい!」
そういって、カップをグビグビ飲みほした。
彼の口のなかが心配になるよ。
だけど、達美さんは満足そう。
そのくらいの度胸がないと、朱墨ちゃんにあってもムダ、ってことかな。
「じゃあ、始めるよ」
そういって、両手を空に大きく広げた。
「Welcome to 妖菓子鬼茶天 time!」
あやかしきっさてんたいむ。
この店のなかでのみ使える、この人に許された最大の力。
色つやのよい皮膚や髪の毛が、液体金属のボルケーニウムの形質を戻す。
その波にのって、機械式の骨格から、様々な機能が解放される。
背中にはジェットエンジンと、鳥のような羽が。
さらに2本の新しい腕が生える。
全身は大ぶりな装甲で、服ごとおおわれる。
顔は、あのかわいい顔が銀色のガイコツじみた機械を見せる。
そこに、胴体からとびだしたヘルメットがおおう。
すべての機械が定まると、ボルケーニウムが赤い表面塗料としておおう。
自分の手で、ひたいに円錐形のツノを取り付ける。
最後はライオンの口に鞘に入った短刀をくわえさせた。
一見、横笛みたいに見えるけど、つばも握りもしっかり作られた、脇差しともいう日本風の短刀だよ。
メスライオンを思わせる凛々しい狩人の姿。
レイドリフト・ドラゴンメイド。
レイドリフト1号から連なる、ヒーローの一人。
「じゃあ、始めるよ」
自信にあふれた、その声。
アーリンくんがうなづいた。
ドラゴンメイドのかざした両手に光が宿る。
あの技は何度も見たよ。
あの光は大きくなると、ポルタになる。
遠くの空間と繋がる道ができて、中から朱墨ちゃんがたぶん、
「あれ? 私ご飯を食べてたはずなのに」とか?とまどいながら現れると思う。
だけど・・・・・・。
「あれ?」
ドラゴンメイドの体が、かたむいた。
そのままかたむいた方向に、歩いていく。
まるで、なにかに引っ張られるように。
そっちは、空港の滑走路がある。
今は、誰もいないただっ広い舗装された空き地。
それを見下ろす窓に向かって、ドラゴンメイドの光がほとばしった!
え、ええ!
「一体何をしたんだ?!」
武志さんが聴いてる。
「私知らない!」
ドラゴンメイドが、あの何百人もいるレイドリフト全体からいっても上位の強さを誇るドラゴンメイドが、怯えている。
窓は?!
よかった。
光は窓を割ることなく、すり抜けたようだ。
そして、その先は・・・・・・。
その場にいた全員の目が、滑走路のハシにくぎづけになった。
夜を、太陽のように照らしながら、光はそこにとどまっていた。
そのむこうから、光とは違う音が聞こえてきた。
あれは機械?
タイヤで走る音?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる