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81.奪われたもの
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安菜が説得を試みるなら。
「こちら、ウイークエンダー・ラビットのパイロット、佐竹 うさぎ! 」
私がすることは、1つ。
「これより、巨人への説得を試みます。
ウイークエンダー・ラビット方面への攻撃は控えてください」
と、一斉通信でお願いしてみた。
けど、どれだけ効果があるんだろう?
みんな、殺気立っている時に。
こっちに怒りが向くかもしれない。
「私たちは、あなたたちの立場をちゃんと知りたい。
そして、無事に帰っていただく方法を考えたい」
安菜の声は、まちがいなく巨人にとどいてる。
音量も、巨人サイズ。
なのに巨人は、あばれつづけてる。
「そのための、こん棒エンジェルスの皆さんにとどく言葉を考えたい。
あなただから伝えられる言葉があるのではないですか? 」
どこに?!
と飛びだしそうになる怒りの言葉をグッと飲み込んで。
そう言えばそう言えば。
ラポルトハテノでの会議のあと、私が朱墨ちゃんに語った言葉。
――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――
「世界が代われば、ルールも違う。
それがほんのわずかな雰囲気の違いでも、相手の世界では「話を聞く価値なし」とされちゃうかもしれないよ」
――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――
自分が言ったとき、考えてたイメージ以上のことを、安菜はやってるんだ。
それにくらべて私は。
スゴいや。素敵だ。
そのていどのほめ言葉しか、とっさにでてこない。
はあ。
教養がないな、私。
グシャグシャと不愉快な、かき混ぜるような音が響いてきた。
巨人が、私たちのキャプチャーを引きちぎっていた。
背中からしがみついたはずなのに、こっちを見下ろして!
逃げて、またうしろを取ろうとした。
だけど、巨人の上半身は、私たちを見下ろしつづけ、拳を落としつづける。
そうだ。
相手は魔法炎、エネルギーだから。
形は自由に変えれるんだ。
こっちは、何をするにしてもキャプチャーが割れる前に移動するしかなくなった。
「帰る条件は、すでに示してるではないか!
バカ者! 」
巨人が、どなる。
「どういうことですか? 」
安菜の質問に、キャプチャーを殴って答える!
「閻魔 文華さまは、どこだ!
それを示せ!
どこへ行けば良いか、言え! 」
閻魔 文華。
さま、をつけるの?
不愉快なイメージしかない名前。
でも、はーちゃんを送りつけたのは、閻魔 文華のはずだよ。
その後に、行方不明になったの?
「それはラッキーですね」
それでも、安菜は冷静だ。
「私は、その閻魔 文華を研究してる者です。
ですが、残念なことです。
地球をでてからの彼女の行き先については、だれも把握していません」
一瞬、巨人のパンチが安菜の言葉を聞くためか、止まった。
「ふざけるなぁ! 」
だけど、すぐまた殴りはじめた!
「それをするための道は、すでに用意した!
見ただろ! あのこん棒を!
破滅の鎧も! 」
なんだ、何言ってるの?!
"弱き者たちの念"てのは、MCOのことだよね。
だけど、それがアイツらの思い道理に私たちを変えていく力?
そんなの、あれのこと?
「はーちゃんに。
失礼しました。
破滅の鎧が、異能力をもたない貴族とだけ付き合うようにセットされてた、そのことでしょうか? 」
安菜のの答えが、巨人は気に入らなかった。
「あれに込められた弱き者たちの念が、お前たちを鍛えてくれるんだぁ! 」
さらに怒りを爆発させてきた。
「鍛えられた機械文明なら、科学技術が進歩するはず!
何も進歩していないと言うことは、怠けてたと言うことだ! 」
なんて身勝手な言い分!
こん棒を空から落としつづけて、縁もゆかりもないMCOが地球に満ちると、どうなるの?!
つごう良く地球の住人と結びついて、アイツらが喜びそうなもの、産みだされるの?!
怒りが、止めれない。
「あなたたち、閻魔 文華が何をしたか、知らないの?! 」
叫んでしまった。
「ちょっと、うさぎ?! 」
安菜があわてた様子で止めてくる。
「黙っててよ! 」
かまうもんか!
侵略者に、好きにさせるくらいなら!
「私の、ウイークエンダー・ラビットのことを知ってるなら、落人 魂呼さんのことも知ってるよね」
そうだ。
私の上司、プロウォカトルの長官だよ。
そうでなきゃ、おかしい!
「あのひとは、魔法炎に閉じこめれて、深い海のそこに放り込まれてんだよ! 」
そうだ。
保育園時代だったけど、いまでも覚えてる。
今も学校からいつも見えてる海、富山湾。
一番深いところで、1000メートルをこえる。
そこからの水を押し上げた大爆発を。
太刀山山脈を視界から消したあの光景を!
「魂呼さんは腕から強力な光線をだせる。
その光線をだせないと魔法炎を破壊してでれない!
でもだしたら、海水は爆発して、魔法炎は破片となって襲ってきた」
そのころ、魂呼さんは無敵で、強い味方で、ウイークエンダーを操る私も、いつか並び立てる目標だった。
だけど、それが全て壊された。
私たちは、身近な味方の裏切りで壊れてしまう、弱い存在だったんだ。
「閻魔 文華に両腕を奪われた! 」
これを聴いた、巨人の答えは。
「それがどうした! 」
・・・・・・え?
「俺は足を折られた! 」
かわらず、拳を振り下ろす。
「こちら、ウイークエンダー・ラビットのパイロット、佐竹 うさぎ! 」
私がすることは、1つ。
「これより、巨人への説得を試みます。
ウイークエンダー・ラビット方面への攻撃は控えてください」
と、一斉通信でお願いしてみた。
けど、どれだけ効果があるんだろう?
みんな、殺気立っている時に。
こっちに怒りが向くかもしれない。
「私たちは、あなたたちの立場をちゃんと知りたい。
そして、無事に帰っていただく方法を考えたい」
安菜の声は、まちがいなく巨人にとどいてる。
音量も、巨人サイズ。
なのに巨人は、あばれつづけてる。
「そのための、こん棒エンジェルスの皆さんにとどく言葉を考えたい。
あなただから伝えられる言葉があるのではないですか? 」
どこに?!
と飛びだしそうになる怒りの言葉をグッと飲み込んで。
そう言えばそう言えば。
ラポルトハテノでの会議のあと、私が朱墨ちゃんに語った言葉。
――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――
「世界が代われば、ルールも違う。
それがほんのわずかな雰囲気の違いでも、相手の世界では「話を聞く価値なし」とされちゃうかもしれないよ」
――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――
自分が言ったとき、考えてたイメージ以上のことを、安菜はやってるんだ。
それにくらべて私は。
スゴいや。素敵だ。
そのていどのほめ言葉しか、とっさにでてこない。
はあ。
教養がないな、私。
グシャグシャと不愉快な、かき混ぜるような音が響いてきた。
巨人が、私たちのキャプチャーを引きちぎっていた。
背中からしがみついたはずなのに、こっちを見下ろして!
逃げて、またうしろを取ろうとした。
だけど、巨人の上半身は、私たちを見下ろしつづけ、拳を落としつづける。
そうだ。
相手は魔法炎、エネルギーだから。
形は自由に変えれるんだ。
こっちは、何をするにしてもキャプチャーが割れる前に移動するしかなくなった。
「帰る条件は、すでに示してるではないか!
バカ者! 」
巨人が、どなる。
「どういうことですか? 」
安菜の質問に、キャプチャーを殴って答える!
「閻魔 文華さまは、どこだ!
それを示せ!
どこへ行けば良いか、言え! 」
閻魔 文華。
さま、をつけるの?
不愉快なイメージしかない名前。
でも、はーちゃんを送りつけたのは、閻魔 文華のはずだよ。
その後に、行方不明になったの?
「それはラッキーですね」
それでも、安菜は冷静だ。
「私は、その閻魔 文華を研究してる者です。
ですが、残念なことです。
地球をでてからの彼女の行き先については、だれも把握していません」
一瞬、巨人のパンチが安菜の言葉を聞くためか、止まった。
「ふざけるなぁ! 」
だけど、すぐまた殴りはじめた!
「それをするための道は、すでに用意した!
見ただろ! あのこん棒を!
破滅の鎧も! 」
なんだ、何言ってるの?!
"弱き者たちの念"てのは、MCOのことだよね。
だけど、それがアイツらの思い道理に私たちを変えていく力?
そんなの、あれのこと?
「はーちゃんに。
失礼しました。
破滅の鎧が、異能力をもたない貴族とだけ付き合うようにセットされてた、そのことでしょうか? 」
安菜のの答えが、巨人は気に入らなかった。
「あれに込められた弱き者たちの念が、お前たちを鍛えてくれるんだぁ! 」
さらに怒りを爆発させてきた。
「鍛えられた機械文明なら、科学技術が進歩するはず!
何も進歩していないと言うことは、怠けてたと言うことだ! 」
なんて身勝手な言い分!
こん棒を空から落としつづけて、縁もゆかりもないMCOが地球に満ちると、どうなるの?!
つごう良く地球の住人と結びついて、アイツらが喜びそうなもの、産みだされるの?!
怒りが、止めれない。
「あなたたち、閻魔 文華が何をしたか、知らないの?! 」
叫んでしまった。
「ちょっと、うさぎ?! 」
安菜があわてた様子で止めてくる。
「黙っててよ! 」
かまうもんか!
侵略者に、好きにさせるくらいなら!
「私の、ウイークエンダー・ラビットのことを知ってるなら、落人 魂呼さんのことも知ってるよね」
そうだ。
私の上司、プロウォカトルの長官だよ。
そうでなきゃ、おかしい!
「あのひとは、魔法炎に閉じこめれて、深い海のそこに放り込まれてんだよ! 」
そうだ。
保育園時代だったけど、いまでも覚えてる。
今も学校からいつも見えてる海、富山湾。
一番深いところで、1000メートルをこえる。
そこからの水を押し上げた大爆発を。
太刀山山脈を視界から消したあの光景を!
「魂呼さんは腕から強力な光線をだせる。
その光線をだせないと魔法炎を破壊してでれない!
でもだしたら、海水は爆発して、魔法炎は破片となって襲ってきた」
そのころ、魂呼さんは無敵で、強い味方で、ウイークエンダーを操る私も、いつか並び立てる目標だった。
だけど、それが全て壊された。
私たちは、身近な味方の裏切りで壊れてしまう、弱い存在だったんだ。
「閻魔 文華に両腕を奪われた! 」
これを聴いた、巨人の答えは。
「それがどうした! 」
・・・・・・え?
「俺は足を折られた! 」
かわらず、拳を振り下ろす。
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