緊急! 超獣鋼猟 ウイークエンダー・ラビット ~パーフェクト朱墨の山~

リューガ

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108.安菜とノーブル・アンビル

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 全長500メートルの灰色の宇宙空母、インテグレート・ウインドウ。
 同じサイズの宇宙戦艦と静かに空で制止してる。
 そこからルルディ騎士団が下りていく。 
 中には、黒いワイバーンに乗った騎士もいる。

 2枚のコウモリのような羽根。
 するどいカギヅメの生えた足。
 肉食恐竜のような頭。
 小さいけど、飛行スピードに優れた怪獣を飼い慣らしてるんだ。
 ルルディ騎士団の象徴。
 そんな騎士とワイバーンを守る鎧は、炎のように切り立った黒。

 その黒が、背景に溶けるみたい。
 闇夜と、町の一部をおおうドームのような黒いキャプチャーに。

 下りた先で私たちへの説明、筋を通してるんだ。
 それは、うまく行ってるみたい。
 状況の周知はできたし。 
 新しい指揮系統の立ち上げもできた。
『もう、"新しい部隊が来て指揮系統をまとめるレース"があったら、ぶっちぎりの一等賞ですね』
 そうですね。
 言ったのは・・・・・・?
 朱墨ちゃんのチーム、ホクシン・フォクシスの、新入りの・・・・・・茂 しゅうじさん。
 ラポルトハテノのデモの時、「メカは仕様書通りに作れ!」のキャッチコピーを考えて、広めた人だ。
「少しは、暗号世界人を見直しましたか? 」
『まあね、ですね』
 これらの経験が役に立つ日が来るのかな。
 だったら良いな。

 その時、スマホに呼ばれた。
 呼んだのは、安菜だった。
『うさぎ、今良い? 』
 「今、仕事中なんだ」て言って切る。
 安菜以外なら。
「何かあったの? 」
『今ここに、ワイバーン付きのルルディ騎士団の4人チームが来てるんだけど。
 私の護衛だって』
 そんなゴージャスな護衛、あるんだ。
 ・・・・・・安菜が指揮系統にふくまれていたなんて知らなかった。
『私だって。
 それで、良いの? 』
「あ、待って。
 ネットワークから、そのチームのメールが来た。
 チーム・ノーブル・アンビル。
 それで間違いない? 」
『そう、そう名のってた』

 チーム・ノーブル・アンビル。
 英語で直訳すれば、高貴なる金床。
 一歩も引くことなく、戦線を維持することに定評のあるチームだ。
 鉄など金属を加工しても壊れない台、金床のように。
「去年のMVPじゃない」
『えっ、そうなの? 』
「うらやましい。
 こっちは1人なのに」

『あの、トロワグロさん! 』
 はり上がった声が、安菜のとなりに割り込んだ。
 ガマンしきれなくなった、女の子の声だった。
『無礼を承知で、申しあげます』 
 すごく緊張してる。
『貴女と、佐竹さんに何かあったら、私たちが迷うのです! 』
 ・・・・・・思ったより、大ごとになりそうだね。
『聴きましょう。
 ノーブル・アンビルさん』
『はっ。ありがとうございます。
 まずは』

 やっと安心したようすで、息をついた。
 遠くから、銃声がまた激しく聞こえ始めた。
 こん棒エンジェルスの中でも隠れる異能力に優れた人たちがいたんだ。
 透視能力や予知能力を持つ騎士たちが、それを見つけてくれる。
 戦いは、まだ続くのかな。

『当然の事ですが、日本では一部を除いて貴族が権力を持ちません。
 私たちは地球人から選ばれましたから、分かりにくい問題ではあります。
 し、しかしながら・・・・・・』

 すごく悩んで、たどたどしい。
 信じられない。
 戦歴とか、評価をみても、スゴいもの。
 自信たっぷりで良いと思うのに。

『我々は騎士として存在します。
 それに異世界・・・・・・暗号世界からのメンバーの中には、騎士であることが人生すべての指針となっている者もいます。
 そんなメンバーにとっては、この世界は指針を根こそぎ奪われる、・・・・・・生きづらい世界なのです』

 私も安菜も、話を切るような質問はしなかった。
 きっと、この話を聴くチャンスはそう多くない。
 失敗したら、二度とないくらい思ってるからだ。
 同じように。

『にもかかわらず、トロワグロさんと佐竹さんは剣に誓いを立て、主君と騎士になりました』
 包丁(20万円の)だけどね。
『それが暗号世界では大いに評価されました。
 騎士のない世界で、自ら騎士道ある人生を選んだ。
 貴女たちの存在が、私たちに騎士でいて良いと言う、指針となっているのです! 』
 
「それは、大変光栄です」
 ・・・・・・本当にそうなってるんだ!
 うわさには聞いてたけど。
 ほめられたのは、うれしい。
 でも、持ち上げすぎだよ。
 重い宿命を背負ったのかな・・・・・・。
『私はプロウォカトルの職員じゃないし、今日ここにいるのも単なる偶然だけど。
 これからも精進いたします』
 安菜も、きっと同じ気持ちだろう。

――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――

 その時。
 黒一色しかない超巨大キャプチャーから、赤い光がこぼれた。 
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