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第1章 魔法神、下界に降りる
システィア伯爵家
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なぜこうなったんだろう。神界から転移しただけだが今思えば座標指定などは特にしていなかった。
でもこの状況はおかしいだろう。
敵の前でそんなことを真剣に考えていたら相手が怒り始めた。
「何者だ貴様!」
「何者って……ただの通りすがりのものだ」
危ない。危うく俺は神だとか言う頭のおかしいやつになるとこだった。
いや、実際神だけども!
「まぁいい、だが残念だなぁ!俺たちのことを見てしまったのが運の尽きだ。死んでもらう!!」
そう言って剣を持った2人が突っ込んできた。俺は冷静に雷の魔法を使った。
「なっ!!うわぁぁぁ!!!!!」
「まずは2人だな」
俺は残り8人になった男たちを見据える。
「かかってこい」
「な、舐めるなっ!」
男たちは俺に向かって走り出した。5人が剣を持ち、後の3人は後ろで杖を構えていた。
「はぁ、俺に魔法を使ってくるとは。なんか可愛そうになってくる」
そうつぶやくとまずは先程と同じ雷の魔法で5人を気絶させる。
その魔法の発動の速さに3人は驚いていたがすぐに火の魔法を撃ってきた。
「「「ファイヤーアロー!」」」
「ふむ。この世界の中では魔法の発動速度は早い方だろう。10秒を切るくらい、と言ったところか?」
俺は冷静に分析、そして対応する。
「ふぅ」
俺はため息をつく。しかしそれだけで3人の男が放った魔法は消えた。
「なっ!?」
「何をしやがった!!」
「何って、火消しただけだ」
事実、俺は火消しをしただけだ。
その事に少し怯みはしたがもう一度魔法を放とうと魔力を込める3人。
「懲りないやつらだ。でもまぁ、魔法自体は昔と変わってないとわかっただけ十分か」
そして彼らが魔法を発動する前に、先程と同じように雷の魔法を3人に放った。
3人は魔法の発動に手一杯で防御などできるはずもなくその場に崩れ落ちた。
「なるほど。俺自身もしっかり魔法は使えるようだ。1番の懸念は無くなったかな」
そう。1番心配していたことは下界に降りて魔法を使えるのかどうか、ということだった。だがその懸念は杞憂に終わったようだ。
「すいません」
「ん?」
俺は声をかけられて後ろを振り向いた。
もちろん転移した時から後ろにも人がいることはわかっていた。だが敵意はなかったため、とりあえず無視していたのだ。
「危ないところを助けていただいてありがとうございます」
そういったのは銀色の鎧に身を包んだ男だった。そしてその男の後ろには部下らしき数名と豪華そうな馬車がある。
「いえ、こちらもなぜか狙われたので退治しただけですよ」
「こちらも危ない所でしたので感謝を」
「では受け取っておきましょう。ところで、あなた達は護衛の方とお見受けしますが」
「はっ。我らはシスティア伯爵家護衛隊のものです」
「伯爵家……貴族の方でしたか」
なんかめんどくさい事になりそうだ。
「そして私が護衛隊隊長のマイラーです」
「そうですか。俺は……旅人のフェイルです」
ここで部下の1人が隊長に耳打ちする。
なんだろう……
「フェイル様、姫様がお会いになりたいとの事ですが、いかがでしょうか?」
うん、何となくそんな気がしていた。
「……ではお会いしましょう」
「ありがとうございます。では、こちらへ」
マイラーさんに案内されて馬車のドアの前に移動する。そしてそのままマイラーさんはノックし、ドアを開ける。
そこから出てきたのは見た目同い年(16歳)くらいの赤い髪の少女だった。その少女はスカートを少しあげて馬車から下り、そして華麗にお辞儀をした。
「はじめまして、私はシスティア伯爵家長女のレイラ・システィアと申します。まずは先程のご助力の感謝を。ありがとうございます」
「いえいえ、何故か俺も狙われたのでやり返しただけです」
「お名前をお聞きしても?」
「はい。俺はフェイルです。ただの旅人ですよ」
「フェイル様ですか。それにしても先程の魔法、全く魔力が感じ取れませんでしたがどうしてですの?」
あ、忘れてた。この世界で魔法を使う時は魔力を媒介にする。一部例外もあるがそれがこの世界の法則だ。
そして俺はそもそも魔力を媒介にしなくても魔法を使える。疑われるのは当たり前。しかしレイラのその目は疑う、と言うよりも単純な興味の目だ。
なので俺は誤魔化すように話した。
「そうですね。今のは魔力を隠蔽した、と言うべきでしょうか?相手に魔法の発動を悟られないようにするためですね」
「なるほど。しかし発動速度もまた凄かったですが?」
「それは慣れですかね?俺の場合は魔法理論を極めている訳では無いので」
「慣れでそこまで早くなるものでしょうか?」
レイラはこちらには聞こえないような声でボソボソと呟いた。
「どうかしました?」
「いえ、独り言です。それともうひとつお聞きしても?」
「どうしました?」
「もし良ければなんですけども、私と一緒にシスティア領までどうですか?感謝の意味も込めてうちに招待したいのですが……」
「うーん、そうですね」
正直、メリットの方が多そうだ。貴族となればそれなりに情報があるだろう。それにここがどこの国なのかも把握しておきたいところ。神界から見ていたので国さえ分かれば大体の場所が分かるのだ。
「ではお言葉に甘えさせていただきましょう」
「本当ですか!それじゃあ馬車にお乗り下さい!」
「いいのですか?」
俺はちらっとマイラーさんを見る。
「姫様がいいとおっしゃるのであれば。それに恩人ですしね」
「そうですか。それじゃあ失礼します」
「こちらですよ!」
先に乗ったレイラが手を出してくれたのでそれに掴まって馬車に乗った。
そうして馬車と馬にまたがった護衛隊一行はシスティア領に向けて走り出した。
でもこの状況はおかしいだろう。
敵の前でそんなことを真剣に考えていたら相手が怒り始めた。
「何者だ貴様!」
「何者って……ただの通りすがりのものだ」
危ない。危うく俺は神だとか言う頭のおかしいやつになるとこだった。
いや、実際神だけども!
「まぁいい、だが残念だなぁ!俺たちのことを見てしまったのが運の尽きだ。死んでもらう!!」
そう言って剣を持った2人が突っ込んできた。俺は冷静に雷の魔法を使った。
「なっ!!うわぁぁぁ!!!!!」
「まずは2人だな」
俺は残り8人になった男たちを見据える。
「かかってこい」
「な、舐めるなっ!」
男たちは俺に向かって走り出した。5人が剣を持ち、後の3人は後ろで杖を構えていた。
「はぁ、俺に魔法を使ってくるとは。なんか可愛そうになってくる」
そうつぶやくとまずは先程と同じ雷の魔法で5人を気絶させる。
その魔法の発動の速さに3人は驚いていたがすぐに火の魔法を撃ってきた。
「「「ファイヤーアロー!」」」
「ふむ。この世界の中では魔法の発動速度は早い方だろう。10秒を切るくらい、と言ったところか?」
俺は冷静に分析、そして対応する。
「ふぅ」
俺はため息をつく。しかしそれだけで3人の男が放った魔法は消えた。
「なっ!?」
「何をしやがった!!」
「何って、火消しただけだ」
事実、俺は火消しをしただけだ。
その事に少し怯みはしたがもう一度魔法を放とうと魔力を込める3人。
「懲りないやつらだ。でもまぁ、魔法自体は昔と変わってないとわかっただけ十分か」
そして彼らが魔法を発動する前に、先程と同じように雷の魔法を3人に放った。
3人は魔法の発動に手一杯で防御などできるはずもなくその場に崩れ落ちた。
「なるほど。俺自身もしっかり魔法は使えるようだ。1番の懸念は無くなったかな」
そう。1番心配していたことは下界に降りて魔法を使えるのかどうか、ということだった。だがその懸念は杞憂に終わったようだ。
「すいません」
「ん?」
俺は声をかけられて後ろを振り向いた。
もちろん転移した時から後ろにも人がいることはわかっていた。だが敵意はなかったため、とりあえず無視していたのだ。
「危ないところを助けていただいてありがとうございます」
そういったのは銀色の鎧に身を包んだ男だった。そしてその男の後ろには部下らしき数名と豪華そうな馬車がある。
「いえ、こちらもなぜか狙われたので退治しただけですよ」
「こちらも危ない所でしたので感謝を」
「では受け取っておきましょう。ところで、あなた達は護衛の方とお見受けしますが」
「はっ。我らはシスティア伯爵家護衛隊のものです」
「伯爵家……貴族の方でしたか」
なんかめんどくさい事になりそうだ。
「そして私が護衛隊隊長のマイラーです」
「そうですか。俺は……旅人のフェイルです」
ここで部下の1人が隊長に耳打ちする。
なんだろう……
「フェイル様、姫様がお会いになりたいとの事ですが、いかがでしょうか?」
うん、何となくそんな気がしていた。
「……ではお会いしましょう」
「ありがとうございます。では、こちらへ」
マイラーさんに案内されて馬車のドアの前に移動する。そしてそのままマイラーさんはノックし、ドアを開ける。
そこから出てきたのは見た目同い年(16歳)くらいの赤い髪の少女だった。その少女はスカートを少しあげて馬車から下り、そして華麗にお辞儀をした。
「はじめまして、私はシスティア伯爵家長女のレイラ・システィアと申します。まずは先程のご助力の感謝を。ありがとうございます」
「いえいえ、何故か俺も狙われたのでやり返しただけです」
「お名前をお聞きしても?」
「はい。俺はフェイルです。ただの旅人ですよ」
「フェイル様ですか。それにしても先程の魔法、全く魔力が感じ取れませんでしたがどうしてですの?」
あ、忘れてた。この世界で魔法を使う時は魔力を媒介にする。一部例外もあるがそれがこの世界の法則だ。
そして俺はそもそも魔力を媒介にしなくても魔法を使える。疑われるのは当たり前。しかしレイラのその目は疑う、と言うよりも単純な興味の目だ。
なので俺は誤魔化すように話した。
「そうですね。今のは魔力を隠蔽した、と言うべきでしょうか?相手に魔法の発動を悟られないようにするためですね」
「なるほど。しかし発動速度もまた凄かったですが?」
「それは慣れですかね?俺の場合は魔法理論を極めている訳では無いので」
「慣れでそこまで早くなるものでしょうか?」
レイラはこちらには聞こえないような声でボソボソと呟いた。
「どうかしました?」
「いえ、独り言です。それともうひとつお聞きしても?」
「どうしました?」
「もし良ければなんですけども、私と一緒にシスティア領までどうですか?感謝の意味も込めてうちに招待したいのですが……」
「うーん、そうですね」
正直、メリットの方が多そうだ。貴族となればそれなりに情報があるだろう。それにここがどこの国なのかも把握しておきたいところ。神界から見ていたので国さえ分かれば大体の場所が分かるのだ。
「ではお言葉に甘えさせていただきましょう」
「本当ですか!それじゃあ馬車にお乗り下さい!」
「いいのですか?」
俺はちらっとマイラーさんを見る。
「姫様がいいとおっしゃるのであれば。それに恩人ですしね」
「そうですか。それじゃあ失礼します」
「こちらですよ!」
先に乗ったレイラが手を出してくれたのでそれに掴まって馬車に乗った。
そうして馬車と馬にまたがった護衛隊一行はシスティア領に向けて走り出した。
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