10 / 52
1章
第──10
しおりを挟む
目の前に浮かぶのは超巨大シャボン玉。
どれだけ大きいかって言うと、高校の体育館ぐらい。
俺の目の前に浮かんで、腐王の屍らしき団子まですっぽり収まっている。
なんで急に巨大化したんだ?
他にシャボン玉はないようだけど──そう思って手を伸ばした。
なんとなく触れてみようかなぁって思ったんだろうな。
指先がちょんと当たった瞬間、弾けた!?
そして爆風キタアァァァァァーッ!
「「きゃあぁぁっ」」
「リシェル、シェリル!」
咄嗟に二人の手を掴み引き寄せ、そして両手で包み込んだ。
「うわあっぁぁっ」
「あ、ニキア──マスター!」
でも俺、両手塞がっちゃっててもう助けられないよ。
いいよね。ニキアスさん転がって行ったの腐王とは反対方向だし。
ニキアスさんだし。
それに爆風はすぐに収まった。
弾けたシャボン玉は小さな光の粒となって降り注ぎ、それが地面へと吸い込まれていく。
すると今度は地面がキラキラ輝き始め──。
「綺麗……何が起こったの?」
「地面の精霊力が……回復していきます。空さん、今のは?」
「この輝き、二人にも見えるのかい?」
シャボン玉は俺以外誰にも見えない。でもこの光は見えている?
「今のはスキルレベルがカンストした時に起こる現象だね。カンストした瞬間に使ったスキルは、普段の数十倍の効果を発揮するんだ。俺も何度か経験あるから、間違いないよ」
「あ、やっぱりご無事でしたかマスター」
「やっぱりって……酷い弟子だ」
「心配する必要性を感じなかったので。それよりスキルカンストって、今朝の時点でまだ96だったんですよ? 半日でレベル3つも上がるなんてそんなこと……」
ニキアスさんは有り得なくない話だと言う。
「ここの瘴気はとてつもなく濃かった。一度の浄化で通常の何十回、いや何百回分にも相当したのだろう。それでこの短期間でレベルが上がったのだよ」
「そ、そうなんですかね」
「そんなの、ステータスを確認すればいいじゃないっ」
「空さん、ステータスをご覧ください」
俺を挟むようにぴったりと寄り添うリシェルとシェリル。
二人に見つめられちょっとぐっとくるものがあるけれど、まずは言われた通りステータスを確認する。
「ステータスオープン──」
由樹 空 17歳 男
職業:空気師 LV12
属性:空気
筋力:125 体力:113 敏捷:116
器用:125 魔力:99 幸運:30
●スキル●
空気清浄99★ / 空気操作1
ほ、本当にスキルがカンストしている!?
そ、それに──。
「新しいスキルが出てる!?」
「え? 見せて見せてっ」
「空気、操作? これはどんなスキルでしょう?」
「さ、さぁ?」
攻撃系スキル……には見えないな。
強力な攻撃スキルでモンスターをばったばったと蹴散らし、森に平和をもたらす勇者に。
なぁんて夢見たこともあったけど、俺はそういう役柄ではないらしい。
いやいや。空気清浄の力で瘴気を浄化しているんだ。今でも英雄みたいな扱いをされることもあるし、十分じゃないか。
ま、加湿機能じゃなかっただけ、ラッキーだよな。
「リシェル、土を触ったりしてどうしたんだ?」
「はい空さん。土の状態を見ておりました。これならここでもノームを召喚できそうです」
「ノームって、土の精霊?」
「はい」
にこりとほほ笑んだリシェルは、さっそく精霊魔法を行った。
俺には分からない言語でごにょごにょ唱えると、足元の地面がぼこぼこっと盛り上がった。
そこから出てきたのは雪だるまを土にして、手足を生えさせたような形の物体。スノーマンの土バージョンだろうか。
大きさは俺の掌にギリギリ乗りそうな物で、高さは30センチもないだろう。
『んニー』
「穴を掘って欲しいの。お願いできる?」
『ニっ』
短い手で敬礼しているが、全然頭に届いてない。
ヤッベ。これちょっとかわいいぞ。
と思ったら足元がノームだらけ!?
「い、いつのまに出てきたんだ!?」
「あんたがリシェルをじっと見ている間によ。ふんっ」
ぷいっとそっぽを向いたシェリル。なんで機嫌悪いんだよ。
何十体ものノームが腐王の屍の近くに集まると、何故か円を作って踊りだした。
うんどこどこどこ、うんどこどこどこ。そんな感じ。
で、ぼこっと穴があく。
おいおい、嘘だろ。
そんなんで穴が掘れるのかよ!!
どれだけ大きいかって言うと、高校の体育館ぐらい。
俺の目の前に浮かんで、腐王の屍らしき団子まですっぽり収まっている。
なんで急に巨大化したんだ?
他にシャボン玉はないようだけど──そう思って手を伸ばした。
なんとなく触れてみようかなぁって思ったんだろうな。
指先がちょんと当たった瞬間、弾けた!?
そして爆風キタアァァァァァーッ!
「「きゃあぁぁっ」」
「リシェル、シェリル!」
咄嗟に二人の手を掴み引き寄せ、そして両手で包み込んだ。
「うわあっぁぁっ」
「あ、ニキア──マスター!」
でも俺、両手塞がっちゃっててもう助けられないよ。
いいよね。ニキアスさん転がって行ったの腐王とは反対方向だし。
ニキアスさんだし。
それに爆風はすぐに収まった。
弾けたシャボン玉は小さな光の粒となって降り注ぎ、それが地面へと吸い込まれていく。
すると今度は地面がキラキラ輝き始め──。
「綺麗……何が起こったの?」
「地面の精霊力が……回復していきます。空さん、今のは?」
「この輝き、二人にも見えるのかい?」
シャボン玉は俺以外誰にも見えない。でもこの光は見えている?
「今のはスキルレベルがカンストした時に起こる現象だね。カンストした瞬間に使ったスキルは、普段の数十倍の効果を発揮するんだ。俺も何度か経験あるから、間違いないよ」
「あ、やっぱりご無事でしたかマスター」
「やっぱりって……酷い弟子だ」
「心配する必要性を感じなかったので。それよりスキルカンストって、今朝の時点でまだ96だったんですよ? 半日でレベル3つも上がるなんてそんなこと……」
ニキアスさんは有り得なくない話だと言う。
「ここの瘴気はとてつもなく濃かった。一度の浄化で通常の何十回、いや何百回分にも相当したのだろう。それでこの短期間でレベルが上がったのだよ」
「そ、そうなんですかね」
「そんなの、ステータスを確認すればいいじゃないっ」
「空さん、ステータスをご覧ください」
俺を挟むようにぴったりと寄り添うリシェルとシェリル。
二人に見つめられちょっとぐっとくるものがあるけれど、まずは言われた通りステータスを確認する。
「ステータスオープン──」
由樹 空 17歳 男
職業:空気師 LV12
属性:空気
筋力:125 体力:113 敏捷:116
器用:125 魔力:99 幸運:30
●スキル●
空気清浄99★ / 空気操作1
ほ、本当にスキルがカンストしている!?
そ、それに──。
「新しいスキルが出てる!?」
「え? 見せて見せてっ」
「空気、操作? これはどんなスキルでしょう?」
「さ、さぁ?」
攻撃系スキル……には見えないな。
強力な攻撃スキルでモンスターをばったばったと蹴散らし、森に平和をもたらす勇者に。
なぁんて夢見たこともあったけど、俺はそういう役柄ではないらしい。
いやいや。空気清浄の力で瘴気を浄化しているんだ。今でも英雄みたいな扱いをされることもあるし、十分じゃないか。
ま、加湿機能じゃなかっただけ、ラッキーだよな。
「リシェル、土を触ったりしてどうしたんだ?」
「はい空さん。土の状態を見ておりました。これならここでもノームを召喚できそうです」
「ノームって、土の精霊?」
「はい」
にこりとほほ笑んだリシェルは、さっそく精霊魔法を行った。
俺には分からない言語でごにょごにょ唱えると、足元の地面がぼこぼこっと盛り上がった。
そこから出てきたのは雪だるまを土にして、手足を生えさせたような形の物体。スノーマンの土バージョンだろうか。
大きさは俺の掌にギリギリ乗りそうな物で、高さは30センチもないだろう。
『んニー』
「穴を掘って欲しいの。お願いできる?」
『ニっ』
短い手で敬礼しているが、全然頭に届いてない。
ヤッベ。これちょっとかわいいぞ。
と思ったら足元がノームだらけ!?
「い、いつのまに出てきたんだ!?」
「あんたがリシェルをじっと見ている間によ。ふんっ」
ぷいっとそっぽを向いたシェリル。なんで機嫌悪いんだよ。
何十体ものノームが腐王の屍の近くに集まると、何故か円を作って踊りだした。
うんどこどこどこ、うんどこどこどこ。そんな感じ。
で、ぼこっと穴があく。
おいおい、嘘だろ。
そんなんで穴が掘れるのかよ!!
24
あなたにおすすめの小説
学校ごと異世界に召喚された俺、拾ったスキルが強すぎたので無双します
名無し
ファンタジー
毎日のようにいじめを受けていた主人公の如月優斗は、ある日自分の学校が異世界へ転移したことを知る。召喚主によれば、生徒たちの中から救世主を探しているそうで、スマホを通してスキルをタダで配るのだという。それがきっかけで神スキルを得た如月は、あっという間に最強の男へと進化していく。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる