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第十八話
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「うむ。良いモニラの木じゃ」
「モニラ?」
フェミアが見つけた正真正銘光る茸の下へとやってきた余たち。
そこにあったのは三メートルほども、思っていたよりかなり小さな木だ。
ガンドはその木の枝を一本折り、その断面をみてそう言った。
「探して居った木というのがモニラだ。魔力の伝達に優れた特殊な木でな、一般的な木の杖の5倍以上の値で取引されるのだ」
「おおぉ。よくわからんが、凄いな」
「わからないなら凄いかどうかもわからないでしょ!?」
確かに。
まぁ5倍の値段で儲けがっぽがっぽなのはわかる。
さっそくガンドは木を掴み――引っこ抜いた!?
「根っこごとか……」
「根にこそ、魔力を蓄える機関があるからの」
根っこに魔力貯蔵設備があるのか。
さすが異世界の草木は凄いな。
まぁ余が魔王として君臨していた世界でも、魔術師というのは杖を持っていたものだ。余は杖など装備せずとも、アホほどの魔力があったからなぁ。
「よし、次だ」
「え、まだいるのか?」
「当たり前だろう。これだけでは杖二本分にしかならんわい」
「ぅああー」
「なに? 見つけたのか!?」
爛々と目を輝かせたガンドの言葉に、フェミアは頷いて指を指す。
「うおおぉぉっ、行くぞ!!」
鼻息の荒いドワーフであるが、荷物持ちのワニの移動は遅い。
まぁ余の知るワニよりは足が長い分、きっと早いのだろう。
のんびり徒歩移動で二本目のモニラの木を引っこ抜き、更にフェミアが三本目を見つけ――。
どのくらい経っただろうか。
ワニが引く荷車の上には、十五本のモニラの木が積まれた。
「よしよしよし。これほど手に入るとは思っておらんかったわい。一本でも見つかれば御の字だったんだがな。かーっかっかっか」
「……一本見つけた後、即行で次を探していたじゃないか!」
「あれだけ直ぐに手に入ったからの。だったらもう一本ぐらいと」
もう一本どころか、もう十四本も引っこ抜いているじゃないか!
なんと強欲なドワーフだろう。
「まぁこれであの倒壊した家の、四分の一ぐらいはタダで作ってやってもいいぞ」
「まだ無傷ではないか。モンスターとてガンドの手を借りず倒しているぞ」
最初の犬戦以来、火属性魔法ではなく雷属性魔法に切り替えた。
そのおかげで荷車の上には、素材となるモンスターの体の部位も転がっている。
明日はこれを売って、余とフェミア、ローゼにシンシアの四人で分配することに。
「さて、フェミアのおかげで短時間でこれだけのモニラの木が集まったわい。これ以上は取り過ぎになるからの、帰るとするか」
ガンドはそう言ってフェミアの頭を撫でてやる。
撫でられて恥ずかしいのか、フェミアは困ったようにはにかむ。
「随分奥に入ってきた気がするが、町の方角はわかっているのか?」
「なに? それほど奥に来ておらんぞ」
なぬ?
フェミアに指示されあちこち歩き回ったではないか。
「ぐるりと一周するような形で進んだからの。実際はほれ――」
ガンドが遠くの空……よりは低い位置を指差す。
そこには僅かに光が見えた。
「見張り塔よ。あんた、方向音痴なの? まっすぐ進まず、ぐるっと回ってたの気づかなかったの?」
「うむ。気づかなかった」
「いや、そこ、威張って言うことじゃないでしょ」
自慢だが、余は方向音痴だ。
なんとなくこの道を進めばあの辺に出るだろう。そう思って突き進み、そして常に予想外な場所へと出る。
だが……道がある限りどこかへと繋がっているのだ!
臆するな! 突き進め!
こんな精神で生きてきた。
といっても日本男児に生まれてからであるが。
そもそも魔王時代には城から一歩すら出ることが出来なかったのだ。
城内でどうやって迷子になる?
エルフに転生していた時も、基本は森での生活だ。
森を出るときもひとりではなく、仲間のエルフがいた。帰りも彼らに着いて行けばよかったからな。
スペースファンタジーな世界に転生したときは……幼くして死んだのでよくわからん。
余だってビックリしたさ。
まさか人類の敵、世界を恐怖に陥れていたこの余が方向音痴だったとは、本人だって思うまい。
「ぅあー」
「ん? なんだフェミア」
物思いに耽っていると、フェミアが余の水法被を引っ張って何か言いたげな顔を見せる。
それから一点を指差し――。
「お、おいっ。余――俺を置いていくな!」
置いていかれていることに気づき、フェミアの手を引いて慌てて駆け出す。
なるほど。あの者らが余を置いて行こうとしたから、教えてくれたのか。
フェミアはいい子だ。
まぁ子供扱いできるほど年が離れていないというのが現実ではあるが。
そのフェミアが突然立ち止まる。
どうした――そう声を掛けると、フェミアは大きな耳をそばだて空を見つめる。
やがて余の手を引いて、あうあうと何事かを訴えようとした。
「なんだフェミア、どうした?」
「うぅー、ううぅぁ」
我らのやりとりに気づいたのか、ローゼたちが踵を返して戻って来る。
「どうしたの?」
「わからぬ。何かを言いたそうなのだが……」
「しっ。二人とも静かにせい」
ガンドの声が森に響く。
言われて口を紡ぐと、しーんっと静まり返った森に鐘の音が木霊した。
鐘……まさか!?
「「モンスターの襲撃!?」」
余とローゼが同時に声を上げる。
だがどの方角から聞こえてくるのかわからない。
音が木にぶつかって反響しているのであろう。後ろから出ないことだけはわかる。後ろが森の奥、鐘を設置した塔もない。
そして前方でないこともわかる。
塔までまだ距離があるものの、見えている方角から鳴っているようには聞こえない。
「あぁーうぅー」
「フェミア、どの方角から聞こえるかわかるか?」
「う!」
フェミアが指差すのは、塔のずっと左方向……町の位置からすると北西か。
「町の北西は?」
「農家の方々の集落が――この鐘の鳴らし方、尋常じゃないわっ」
「ずっと鳴り響いてますっ。もしかするとたくさんのモンスターが森から出たんじゃ」
農家の集落には壁がないと言っていた。
では……凄くやばいのでは?
「儂のことはいい。お前さんらは助けに向かえっ」
「で、でもガンドおじさんひとり残してなんて……あぁ、もうっ。こっちにだってモンスターはいるんだから!」
ローゼの言う通り。こうして進む間にもモンスターはぽつりぽつりと襲ってくる。
ガンドは斧を右手に持ち、戦闘準備を整えるが――。
えぇい、こうなったら!
「俺とフェミアの二人で行く! ローザ、シンシアの二人はガンドと一緒に後からきてくれっ」
「二人で平気? ううん、平気よね。あんた、思っていたより凄く強いもの」
余は任せろと親指を立てニっと笑う。
そしてさり気なく三人と一頭に"筋力増強《マッスルパワー》"と"体力増強《ハッスルパワー》"魔法を付与する。
ガンドには"被弾無効《パーフェクト・プロテクト》"も追加しておこう。
「ぬぅぅ。では任せたぞ」
「あぁ任せておけ。だからガンド、お前は戦うなっ。戦わず、そして無傷で帰るのだっ。そして新築をタダで建ててくれ!!」
「はあぁ?」
夢の新築一戸建て。
その為に余はフェミアと二人、駆けるのであった。
「あ、フェミア待ってくれ~」
「モニラ?」
フェミアが見つけた正真正銘光る茸の下へとやってきた余たち。
そこにあったのは三メートルほども、思っていたよりかなり小さな木だ。
ガンドはその木の枝を一本折り、その断面をみてそう言った。
「探して居った木というのがモニラだ。魔力の伝達に優れた特殊な木でな、一般的な木の杖の5倍以上の値で取引されるのだ」
「おおぉ。よくわからんが、凄いな」
「わからないなら凄いかどうかもわからないでしょ!?」
確かに。
まぁ5倍の値段で儲けがっぽがっぽなのはわかる。
さっそくガンドは木を掴み――引っこ抜いた!?
「根っこごとか……」
「根にこそ、魔力を蓄える機関があるからの」
根っこに魔力貯蔵設備があるのか。
さすが異世界の草木は凄いな。
まぁ余が魔王として君臨していた世界でも、魔術師というのは杖を持っていたものだ。余は杖など装備せずとも、アホほどの魔力があったからなぁ。
「よし、次だ」
「え、まだいるのか?」
「当たり前だろう。これだけでは杖二本分にしかならんわい」
「ぅああー」
「なに? 見つけたのか!?」
爛々と目を輝かせたガンドの言葉に、フェミアは頷いて指を指す。
「うおおぉぉっ、行くぞ!!」
鼻息の荒いドワーフであるが、荷物持ちのワニの移動は遅い。
まぁ余の知るワニよりは足が長い分、きっと早いのだろう。
のんびり徒歩移動で二本目のモニラの木を引っこ抜き、更にフェミアが三本目を見つけ――。
どのくらい経っただろうか。
ワニが引く荷車の上には、十五本のモニラの木が積まれた。
「よしよしよし。これほど手に入るとは思っておらんかったわい。一本でも見つかれば御の字だったんだがな。かーっかっかっか」
「……一本見つけた後、即行で次を探していたじゃないか!」
「あれだけ直ぐに手に入ったからの。だったらもう一本ぐらいと」
もう一本どころか、もう十四本も引っこ抜いているじゃないか!
なんと強欲なドワーフだろう。
「まぁこれであの倒壊した家の、四分の一ぐらいはタダで作ってやってもいいぞ」
「まだ無傷ではないか。モンスターとてガンドの手を借りず倒しているぞ」
最初の犬戦以来、火属性魔法ではなく雷属性魔法に切り替えた。
そのおかげで荷車の上には、素材となるモンスターの体の部位も転がっている。
明日はこれを売って、余とフェミア、ローゼにシンシアの四人で分配することに。
「さて、フェミアのおかげで短時間でこれだけのモニラの木が集まったわい。これ以上は取り過ぎになるからの、帰るとするか」
ガンドはそう言ってフェミアの頭を撫でてやる。
撫でられて恥ずかしいのか、フェミアは困ったようにはにかむ。
「随分奥に入ってきた気がするが、町の方角はわかっているのか?」
「なに? それほど奥に来ておらんぞ」
なぬ?
フェミアに指示されあちこち歩き回ったではないか。
「ぐるりと一周するような形で進んだからの。実際はほれ――」
ガンドが遠くの空……よりは低い位置を指差す。
そこには僅かに光が見えた。
「見張り塔よ。あんた、方向音痴なの? まっすぐ進まず、ぐるっと回ってたの気づかなかったの?」
「うむ。気づかなかった」
「いや、そこ、威張って言うことじゃないでしょ」
自慢だが、余は方向音痴だ。
なんとなくこの道を進めばあの辺に出るだろう。そう思って突き進み、そして常に予想外な場所へと出る。
だが……道がある限りどこかへと繋がっているのだ!
臆するな! 突き進め!
こんな精神で生きてきた。
といっても日本男児に生まれてからであるが。
そもそも魔王時代には城から一歩すら出ることが出来なかったのだ。
城内でどうやって迷子になる?
エルフに転生していた時も、基本は森での生活だ。
森を出るときもひとりではなく、仲間のエルフがいた。帰りも彼らに着いて行けばよかったからな。
スペースファンタジーな世界に転生したときは……幼くして死んだのでよくわからん。
余だってビックリしたさ。
まさか人類の敵、世界を恐怖に陥れていたこの余が方向音痴だったとは、本人だって思うまい。
「ぅあー」
「ん? なんだフェミア」
物思いに耽っていると、フェミアが余の水法被を引っ張って何か言いたげな顔を見せる。
それから一点を指差し――。
「お、おいっ。余――俺を置いていくな!」
置いていかれていることに気づき、フェミアの手を引いて慌てて駆け出す。
なるほど。あの者らが余を置いて行こうとしたから、教えてくれたのか。
フェミアはいい子だ。
まぁ子供扱いできるほど年が離れていないというのが現実ではあるが。
そのフェミアが突然立ち止まる。
どうした――そう声を掛けると、フェミアは大きな耳をそばだて空を見つめる。
やがて余の手を引いて、あうあうと何事かを訴えようとした。
「なんだフェミア、どうした?」
「うぅー、ううぅぁ」
我らのやりとりに気づいたのか、ローゼたちが踵を返して戻って来る。
「どうしたの?」
「わからぬ。何かを言いたそうなのだが……」
「しっ。二人とも静かにせい」
ガンドの声が森に響く。
言われて口を紡ぐと、しーんっと静まり返った森に鐘の音が木霊した。
鐘……まさか!?
「「モンスターの襲撃!?」」
余とローゼが同時に声を上げる。
だがどの方角から聞こえてくるのかわからない。
音が木にぶつかって反響しているのであろう。後ろから出ないことだけはわかる。後ろが森の奥、鐘を設置した塔もない。
そして前方でないこともわかる。
塔までまだ距離があるものの、見えている方角から鳴っているようには聞こえない。
「あぁーうぅー」
「フェミア、どの方角から聞こえるかわかるか?」
「う!」
フェミアが指差すのは、塔のずっと左方向……町の位置からすると北西か。
「町の北西は?」
「農家の方々の集落が――この鐘の鳴らし方、尋常じゃないわっ」
「ずっと鳴り響いてますっ。もしかするとたくさんのモンスターが森から出たんじゃ」
農家の集落には壁がないと言っていた。
では……凄くやばいのでは?
「儂のことはいい。お前さんらは助けに向かえっ」
「で、でもガンドおじさんひとり残してなんて……あぁ、もうっ。こっちにだってモンスターはいるんだから!」
ローゼの言う通り。こうして進む間にもモンスターはぽつりぽつりと襲ってくる。
ガンドは斧を右手に持ち、戦闘準備を整えるが――。
えぇい、こうなったら!
「俺とフェミアの二人で行く! ローザ、シンシアの二人はガンドと一緒に後からきてくれっ」
「二人で平気? ううん、平気よね。あんた、思っていたより凄く強いもの」
余は任せろと親指を立てニっと笑う。
そしてさり気なく三人と一頭に"筋力増強《マッスルパワー》"と"体力増強《ハッスルパワー》"魔法を付与する。
ガンドには"被弾無効《パーフェクト・プロテクト》"も追加しておこう。
「ぬぅぅ。では任せたぞ」
「あぁ任せておけ。だからガンド、お前は戦うなっ。戦わず、そして無傷で帰るのだっ。そして新築をタダで建ててくれ!!」
「はあぁ?」
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その為に余はフェミアと二人、駆けるのであった。
「あ、フェミア待ってくれ~」
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