34 / 35
第三十四話
しおりを挟む
『ゴッギギャッギャ。ギゲッギャッギャー!』
(訳:貴様が横取りしたのか。俺様の獲物ぉーっ!)
「なん言っとるかわからんばい!」
『ゲゴギャギャ! ギゴギャッゴギャッ!!』
(訳:その肉俺の物! 全部俺の肉っ!!)
「もしやこいつら、猪の肉を狙っているのか!?」
「猪程度でゴブリンキングが出てくる訳ないでしょっ」
「そうかなぁ」
「そうよっ!」
ローゼはそう言うが、ゴブリンキングの目は明らかに猪肉を見ていると思うのだが。
『ゲギャギャ。ゴギャ! ゴッギャーッ!』
(訳:若い女は生かせ。あとは皆殺しにしろ! 肉は俺様の物っ!)
ゴブリンキングが咆哮を上げると、森から一斉にゴブリンどもが飛び出してきた。
1,2,3……いっぱいだな。百……もうちょっとか。
「シンシアッ、みんなを避難させてっ。ガンドおじさんも今回は手伝って」
「アレを儂らだけで倒そうというのか? ちと無茶が過ぎるのでは」
「わかってる。でもここで食い止めなきゃ、周辺の集落だけじゃなく町にも被害が出るわっ。シンシア、皆を避難させたら直ぐに鐘を鳴らしてっ」
「はいっ」
矢継ぎ早に指示を出すローゼ。そのままゴブリンキングの正面に立って剣を構える。
「えぇーっと、じゃあ俺は雑魚を片付けよう」
「えぇ、お願い。あんたがいくらむちゃくちゃだと言っても、魔術師に前衛をやらせるわけには――」
「"深々たる漆黒の世界よりいずる流星。穢れし大地に降り注ぎ、全てを浄化する紅き炎となれ――隕石召喚《メ・テ・オ》"」
余が右手を天にかざし――振り下ろす。
森を抜けたばかりのゴブリンと、まだ森の中でその出番を待つゴブリンの頭上に、余が召喚した隕石が降り注ぐ。
うぅん。この世界でも召喚できる隕石のサイズは小さいなぁ。
ダンプトラックサイズの隕石を、どっかーんっと落としたかったのだが。
降り注ぐのはバレーボール大のものばかり。
ただ数は十分か。
もしかすると希望したサイズの隕石が、大気圏突入と同時に砕けて降り注いでいるのかもしれない。
いぜん、魔王であったことだと宇宙だの大気圏だのの知識はなかったので、思った通りの大きさが召喚できず苛立ったこともあった。
だが今の余には宇宙の知識もほんの少しだがある。
隕石は大気との摩擦によって燃え、小さく砕けていく。
そもそもが小さければ消滅するぐらいだ。
そう考えれば、地表まで燃え尽きず残っているなら万々歳と言えよう。
そうして小さく砕けた隕石群はゴブリンたちの頭上に降り注ぐ。
ダイナマイトの直撃を受けたように爆ぜるゴブリンたち。
うっぷ。ちょっとしたスプラッタだな。
そこかしこに小さなクレーターが生まれ、爆風で吹っ飛ぶゴブリンもいた。
土煙が晴れ、そこには十数匹のゴブリンが立っていた。
「ローゼ、すまない。ゴブリンを仕留め損ねた」
「なに言ってるのよっ。ほぼ全滅でしょ!?」
「あー……儂は休んでおってもいいか?」
『ゴッギャーッ!』
(訳:俺様の肉ーっ!)
ゴブリンキングが柄の長い斧――ハルバードを構え余に突進してくる。
目前のローゼを無視し、余に向かってくるとは……。
「やはり肉か!?」
『ゴッギャーッ!』
(訳:俺様の肉ーっ!)
「だからそんな訳ないでしょ!」
二メートルを超える巨漢だが、思いのほか動きが素早い。
ひらりと躱したつもりだが、巨大なハルバードが薙ぎ払われあやうく首が吹っ飛ぶところであった。
しゃがんで事なきを得た余と、生き残った雑魚ゴブリンとの目が合う。
『ゲ、ゲギャッ』
後ずさったゴブリンの首が、次の瞬間飛んだ。
「あぃ、い。あい、じょう、う?」
「おぉ、フェミア。ジャマダハルを上手く使えるようになってきたではないか」
「う、ん」
ふ……。いつの間にやら余も助けられるようになっていっとはな。
子が自らを超えて行くのを見届ける親というのは、こういう気持ちなのだろうか。
「あっ」
『ゴギャッギャ。ゴギャッ!』
(訳:肉取り戻す。お前死ぬ!)
フェミアの声とゴブリンキングの咆哮が重なる。
同時にヒュンヒュンという風を切る音が。
咄嗟にフェミアの頭を押さえ地面に伏すと同時に、余とフェミアの上をハルバードが回転しながら飛んで行った。
あっぶなっ。
あのまま座っていたら首が飛んでいただろうし、立っていたら真っ二つ……。
「おいっ! 手斧ならまだしも、ハルバードは投げるような物ではないぞっ!!」
すっくと立ちあがって説教をする余――の背後でメキバキという音が響く。
「今の……音……」
ハルバードが飛んで行った方向。そこには――。
「ぁ……うぅ……」
マイホームがあった。
『ゴッガァァァッ!!』
(訳:俺肉食う!!)
フェミアが余の締め込みを掴む。
食い込むから止めろ。
『ゴッガァァァッ!!』
雑魚ゴブリンによって空けられた穴が塞がり、今度はその王が余の家に……。
何故だ。
余がゴブリンに何をしたというのだ。
『ゴッガァァァッ!!』
「きさんら……」
『ゴッガァァァッ!!』
「きさんらぁぁっ、もう許さんたいっ。絶対許さんったい!!」
二度に渡る余の夢と浪漫が詰まったマイホームに穴を空けた恨み……
はらさでおくべきか!!
振り向きざま、怒りに任せて打ち込んだ余の右ストレートが炸裂っ。
余とゴブリンキングの体格差が、奴の命取りとなった。
人と人同士の殴り合いであれば、この右ストレートが打ち砕くのは顔面であっただろう。
だが余より大きなゴブリンキング。
打ち砕いたのは、奴の心臓部であった。
一言も発することなく、ゴブリンキングの体がゆっくりと後ろへ傾く。
最後にはどうっという音を地面に転がり、そのままピクリともしなかった。
赤みを帯びた空の下、全ての時が止まったかのように静まり返る。
やがて烏の声が聞こえると、突然時が動き出した。
真っ先に動いたのはゴブリンであった。
『ゲギャッ』
『ゲギャギャ』
膝を折って土下座し、その頭は土が付くほど深々と下げている。
「……信じられない……ゴブリンキングをパンチ一発で倒すなんて」
「あまりの非常識さにゴブリンどもが平伏しておるぞ」
気が付くと、余の周辺にはゴブリンが集まりこちらをじっと見つめている。
"隕石召喚"を免れたゴブリンが他にもいたようだ。
あれよあれよと集まったのは三十体ほど。その全てが余を見つめている。
『ゲギャッ』
(訳:お前強い)
『ギャギャギィ』
(訳:新しいキングなる)
『グギャギャ』
(訳:命令欲しい)
グギャグギャと五月蠅い奴らだ。
くぐもった声で耳障りだし、臭いし、醜いし、余の家を壊すし。
『『グギャギャ』』
「五月蠅い。消えろ」
余が右手を振りかざすと、ゴブリンどもは血相を変えて森へと逃げて行った。
願わくば、二度と余の前に現れないでくれるといいのだが。
(訳:貴様が横取りしたのか。俺様の獲物ぉーっ!)
「なん言っとるかわからんばい!」
『ゲゴギャギャ! ギゴギャッゴギャッ!!』
(訳:その肉俺の物! 全部俺の肉っ!!)
「もしやこいつら、猪の肉を狙っているのか!?」
「猪程度でゴブリンキングが出てくる訳ないでしょっ」
「そうかなぁ」
「そうよっ!」
ローゼはそう言うが、ゴブリンキングの目は明らかに猪肉を見ていると思うのだが。
『ゲギャギャ。ゴギャ! ゴッギャーッ!』
(訳:若い女は生かせ。あとは皆殺しにしろ! 肉は俺様の物っ!)
ゴブリンキングが咆哮を上げると、森から一斉にゴブリンどもが飛び出してきた。
1,2,3……いっぱいだな。百……もうちょっとか。
「シンシアッ、みんなを避難させてっ。ガンドおじさんも今回は手伝って」
「アレを儂らだけで倒そうというのか? ちと無茶が過ぎるのでは」
「わかってる。でもここで食い止めなきゃ、周辺の集落だけじゃなく町にも被害が出るわっ。シンシア、皆を避難させたら直ぐに鐘を鳴らしてっ」
「はいっ」
矢継ぎ早に指示を出すローゼ。そのままゴブリンキングの正面に立って剣を構える。
「えぇーっと、じゃあ俺は雑魚を片付けよう」
「えぇ、お願い。あんたがいくらむちゃくちゃだと言っても、魔術師に前衛をやらせるわけには――」
「"深々たる漆黒の世界よりいずる流星。穢れし大地に降り注ぎ、全てを浄化する紅き炎となれ――隕石召喚《メ・テ・オ》"」
余が右手を天にかざし――振り下ろす。
森を抜けたばかりのゴブリンと、まだ森の中でその出番を待つゴブリンの頭上に、余が召喚した隕石が降り注ぐ。
うぅん。この世界でも召喚できる隕石のサイズは小さいなぁ。
ダンプトラックサイズの隕石を、どっかーんっと落としたかったのだが。
降り注ぐのはバレーボール大のものばかり。
ただ数は十分か。
もしかすると希望したサイズの隕石が、大気圏突入と同時に砕けて降り注いでいるのかもしれない。
いぜん、魔王であったことだと宇宙だの大気圏だのの知識はなかったので、思った通りの大きさが召喚できず苛立ったこともあった。
だが今の余には宇宙の知識もほんの少しだがある。
隕石は大気との摩擦によって燃え、小さく砕けていく。
そもそもが小さければ消滅するぐらいだ。
そう考えれば、地表まで燃え尽きず残っているなら万々歳と言えよう。
そうして小さく砕けた隕石群はゴブリンたちの頭上に降り注ぐ。
ダイナマイトの直撃を受けたように爆ぜるゴブリンたち。
うっぷ。ちょっとしたスプラッタだな。
そこかしこに小さなクレーターが生まれ、爆風で吹っ飛ぶゴブリンもいた。
土煙が晴れ、そこには十数匹のゴブリンが立っていた。
「ローゼ、すまない。ゴブリンを仕留め損ねた」
「なに言ってるのよっ。ほぼ全滅でしょ!?」
「あー……儂は休んでおってもいいか?」
『ゴッギャーッ!』
(訳:俺様の肉ーっ!)
ゴブリンキングが柄の長い斧――ハルバードを構え余に突進してくる。
目前のローゼを無視し、余に向かってくるとは……。
「やはり肉か!?」
『ゴッギャーッ!』
(訳:俺様の肉ーっ!)
「だからそんな訳ないでしょ!」
二メートルを超える巨漢だが、思いのほか動きが素早い。
ひらりと躱したつもりだが、巨大なハルバードが薙ぎ払われあやうく首が吹っ飛ぶところであった。
しゃがんで事なきを得た余と、生き残った雑魚ゴブリンとの目が合う。
『ゲ、ゲギャッ』
後ずさったゴブリンの首が、次の瞬間飛んだ。
「あぃ、い。あい、じょう、う?」
「おぉ、フェミア。ジャマダハルを上手く使えるようになってきたではないか」
「う、ん」
ふ……。いつの間にやら余も助けられるようになっていっとはな。
子が自らを超えて行くのを見届ける親というのは、こういう気持ちなのだろうか。
「あっ」
『ゴギャッギャ。ゴギャッ!』
(訳:肉取り戻す。お前死ぬ!)
フェミアの声とゴブリンキングの咆哮が重なる。
同時にヒュンヒュンという風を切る音が。
咄嗟にフェミアの頭を押さえ地面に伏すと同時に、余とフェミアの上をハルバードが回転しながら飛んで行った。
あっぶなっ。
あのまま座っていたら首が飛んでいただろうし、立っていたら真っ二つ……。
「おいっ! 手斧ならまだしも、ハルバードは投げるような物ではないぞっ!!」
すっくと立ちあがって説教をする余――の背後でメキバキという音が響く。
「今の……音……」
ハルバードが飛んで行った方向。そこには――。
「ぁ……うぅ……」
マイホームがあった。
『ゴッガァァァッ!!』
(訳:俺肉食う!!)
フェミアが余の締め込みを掴む。
食い込むから止めろ。
『ゴッガァァァッ!!』
雑魚ゴブリンによって空けられた穴が塞がり、今度はその王が余の家に……。
何故だ。
余がゴブリンに何をしたというのだ。
『ゴッガァァァッ!!』
「きさんら……」
『ゴッガァァァッ!!』
「きさんらぁぁっ、もう許さんたいっ。絶対許さんったい!!」
二度に渡る余の夢と浪漫が詰まったマイホームに穴を空けた恨み……
はらさでおくべきか!!
振り向きざま、怒りに任せて打ち込んだ余の右ストレートが炸裂っ。
余とゴブリンキングの体格差が、奴の命取りとなった。
人と人同士の殴り合いであれば、この右ストレートが打ち砕くのは顔面であっただろう。
だが余より大きなゴブリンキング。
打ち砕いたのは、奴の心臓部であった。
一言も発することなく、ゴブリンキングの体がゆっくりと後ろへ傾く。
最後にはどうっという音を地面に転がり、そのままピクリともしなかった。
赤みを帯びた空の下、全ての時が止まったかのように静まり返る。
やがて烏の声が聞こえると、突然時が動き出した。
真っ先に動いたのはゴブリンであった。
『ゲギャッ』
『ゲギャギャ』
膝を折って土下座し、その頭は土が付くほど深々と下げている。
「……信じられない……ゴブリンキングをパンチ一発で倒すなんて」
「あまりの非常識さにゴブリンどもが平伏しておるぞ」
気が付くと、余の周辺にはゴブリンが集まりこちらをじっと見つめている。
"隕石召喚"を免れたゴブリンが他にもいたようだ。
あれよあれよと集まったのは三十体ほど。その全てが余を見つめている。
『ゲギャッ』
(訳:お前強い)
『ギャギャギィ』
(訳:新しいキングなる)
『グギャギャ』
(訳:命令欲しい)
グギャグギャと五月蠅い奴らだ。
くぐもった声で耳障りだし、臭いし、醜いし、余の家を壊すし。
『『グギャギャ』』
「五月蠅い。消えろ」
余が右手を振りかざすと、ゴブリンどもは血相を変えて森へと逃げて行った。
願わくば、二度と余の前に現れないでくれるといいのだが。
1
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる