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元魔王は不快な何かを察知する。
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大神殿の一角を聖域で囲う事件から数日後。
「"母なる大地を聖なる光で照らせ――聖・大地"!」
『グギャオオアアァァァッ』
『ギヒイイィィィッ』
天に掲げた右手を振り下ろせば、それに合わせて頭上から強烈な光が降り注ぐ。
大地を明るく照らす光は、そのまま魔物の体を蒸発させた。
ふふふ。
昔は神聖魔法を嫌悪していたが、使ってみるとなかなか楽しい。
味方には回復効果を――
敵にはダメージ効果を――
ひとつの魔法で対局した効果をもたらすのだ。
もう少し試し打ちをしたいところだが……最近はここの森の魔物も数が激減してきたな。
東の山脈にはまだ行ってないが――そろそろ夜の巡回が来る頃だ。
帰ろう。
あれからマリアロゼはちょこちょことぼくの下へとやって来ていた。
どうしてもぼくを手元に置きたいらしいがお断りだ。
そもそもぼくは治癒魔法を使える! それは巨大聖域を作り出したので実証済み。
侯爵令嬢の口添えがなくとも、聖職者への道はもう開けているのだ。
その証拠に、最高司祭のじーさんが先日ぼくを尋ねに来て、次代の最高司祭候補だなんだと騒いでいたから。
だがぼくは最高司祭になるつもりもない。
ポッソ曰く――
「最高司祭さまって、ずーっと神殿で事務仕事ばっかりなのね」
と言っていた。
正直、それを聞いて最高司祭には同情したね。
まるで魔王時代のぼくのようだ。
大聖堂と範囲は広くても、きっと彼はそこから外には出れないのだろう。
同情はするが代わってやる気はない。
自室へと帰りつくと法衣と体を洗浄しベッドへ――。
「何故ぼくのベッドでお前が寝ている」
と突っ込むぼくの声も聞こえないのか、女はがっつり寝息を立て起きる気配がない。
森林シープの羊毛を編み込んだ毛布からが、銀色の髪が垂れ下がっているのが見える。
「おい、マリアロゼ。起きろ。起きてそこをどけ」
「ん……んん……」
ようやく目を開いたマリアロゼ。だが寝ぼけているようで、辺りをきょろきょろ見渡しぼくと目が合うと固まった。
何故か毛布を捲り、何かを確認しだす。
「わ、私に何もしていないのですか!?」
「……は?」
「この美しい私を前にして、欲情しないのかと言っているのです!?」
「……十三歳前後の小娘相手に、何をどう欲情すると?」
言ってはなんだが、顔は良くても肉体はまだまだ子供だ。
無い物は無い。
そうだな。
八年前。村を救ってくれた、あのエリー神官ぐらいの大人な女性であれば。
もちろん胸は大きい方がいい。大きすぎて垂れていたり、不自然なほど重力に逆らっていたりなどは論外だ。
「――という訳で、貴様に欲情する理由が何一つない」
「ふぎぎぎ……こ、この私を侮辱いたしますのね」
「侮辱? いや、そんなつもりはない。ただありのままの事実を話しただけだ」
「ぎぎぎぎ。それが侮辱なのです!」
マリアロゼが声を荒げ怒りを露わにする。
その瞬間、ぼくは全身の毛が逆立つような感覚に襲われる。
地の底から湧き上がるこの気配は――そのまま揺れへと変わった。
「きゃっ」
「くっ」
倒れ込むマリアロゼを支え、なんとか踏ん張る――が、揺れよりも不快な気配で足元がふらつく。
彼女を支えたままベッドへと倒れ込み覆いかぶさった。
揺れはまだ収まらず、棚から物が落ちてくる。
「な、何をするの!?」
「怪我をしたくなければじっとしていろっ」
「いや、放してっ」
「黙れ! じっとしていろ!!」
マリアロゼの口を塞ぎ無理やり黙らせる。
程なくして揺れはようやく収まった。
あの不快な気配――よくない。よくないぞ。
あれはぼくの最強スローライフを確実に邪魔するモノだ。
「おい」
マリアロゼを解放し立たせる。
「帰れ」
彼女は顔を赤らめ、そして小さく頷いた。
揺れたことがよっぽど答えたのか、随分と素直じゃないか。
マリアロゼを追い出し、頃合いを見計らって暇人を呼ぶ。
「おい、暇人!」
『暇人って呼ばないでえぇぇえぇっ』
「呼んだらすぐ来るって、暇だからだろう?」
『ぐぅぅ。それで、なんですか? さっきの揺れの事ですか?』
分かっているじゃないか。
女神ローリエは金髪を揺らし、鼻を鳴らす。
ん? ローリエってこんな姿だったか?
稲穂のほうな黄金の髪に新緑の瞳。十七、八歳ぐらいの娘の姿だ。
以前見たときは確か、黄ばんだ髪にボタンの形をした瞳だったはず。
あ、あれは母上の人形だったか。はっはっは。
『あの……念話じゃないので、あなたが何を考えているか分からないから怖いのですが』
「気にするな。で、何故揺れた? 下から感じた気配はなんだ?」
『……スルーですか。まぁいいでしょう。あなたが感じた気配は、狂気の女神です』
「お前が倒し、封印した奴か」
頷き、ローリエはこの大神殿の地下に、狂気の女神を封印しているのだと説明する。
そしてたまーに、封印を解こうと暴れて揺れるのだと。
『数年に一度ぐらいは揺れています。先日はあなたが揺らしたのですがね』
「そんなこともあったか。忘れていたな」
『忘れないでぇー』
「それで、あれは気にしなくていい訳か?」
ガックリ肩を落とした女神ローリアは、小さく頷く。
『わたくしは聖女の出現を夢に見て、信徒に啓示を与えました。同様に光の神アポロノスは勇者の出現を夢見ました。何か起これば彼らが救ってくれるでしょう』
「な……に?」
『あなたが……あ、いえ、魔王ルディンヴァートが勇者に倒されてから百五十年度、闇の女神の封印が解けかかった事がありまして』
その時にも勇者と聖女の出現を夢見て、まともな者が現れた。そして封印を掛けなおしたのだと言う。
ちなみに女神ローリエやアポロノスらは、神話の大戦争時に力を使い果たし、今だその力は戻ってきていない。だから自分たちでは封印をし直すことは出来ないといい訳をしている。
闇の女神の封印か……
「もしかして、魔物に闇属性がついたのも」
ローリエは頷く。
まったく、余計な真似をしやがって。
狂気の女神の封印も弱まっているなら、その影響も出てくるかもしれん。
どいつもこいつも……ぼくの邪魔をするなら容赦なく地獄へ叩き落としてやる。
『あ、あの……揺れてます。揺れてますからあぁぁっ』
「あ? あぁ、魔力駄々洩れだったか。すまんすまん」
いつの間にかまた、魔力を垂れ流し過ぎて揺らしてしまっていたようだ。
「"母なる大地を聖なる光で照らせ――聖・大地"!」
『グギャオオアアァァァッ』
『ギヒイイィィィッ』
天に掲げた右手を振り下ろせば、それに合わせて頭上から強烈な光が降り注ぐ。
大地を明るく照らす光は、そのまま魔物の体を蒸発させた。
ふふふ。
昔は神聖魔法を嫌悪していたが、使ってみるとなかなか楽しい。
味方には回復効果を――
敵にはダメージ効果を――
ひとつの魔法で対局した効果をもたらすのだ。
もう少し試し打ちをしたいところだが……最近はここの森の魔物も数が激減してきたな。
東の山脈にはまだ行ってないが――そろそろ夜の巡回が来る頃だ。
帰ろう。
あれからマリアロゼはちょこちょことぼくの下へとやって来ていた。
どうしてもぼくを手元に置きたいらしいがお断りだ。
そもそもぼくは治癒魔法を使える! それは巨大聖域を作り出したので実証済み。
侯爵令嬢の口添えがなくとも、聖職者への道はもう開けているのだ。
その証拠に、最高司祭のじーさんが先日ぼくを尋ねに来て、次代の最高司祭候補だなんだと騒いでいたから。
だがぼくは最高司祭になるつもりもない。
ポッソ曰く――
「最高司祭さまって、ずーっと神殿で事務仕事ばっかりなのね」
と言っていた。
正直、それを聞いて最高司祭には同情したね。
まるで魔王時代のぼくのようだ。
大聖堂と範囲は広くても、きっと彼はそこから外には出れないのだろう。
同情はするが代わってやる気はない。
自室へと帰りつくと法衣と体を洗浄しベッドへ――。
「何故ぼくのベッドでお前が寝ている」
と突っ込むぼくの声も聞こえないのか、女はがっつり寝息を立て起きる気配がない。
森林シープの羊毛を編み込んだ毛布からが、銀色の髪が垂れ下がっているのが見える。
「おい、マリアロゼ。起きろ。起きてそこをどけ」
「ん……んん……」
ようやく目を開いたマリアロゼ。だが寝ぼけているようで、辺りをきょろきょろ見渡しぼくと目が合うと固まった。
何故か毛布を捲り、何かを確認しだす。
「わ、私に何もしていないのですか!?」
「……は?」
「この美しい私を前にして、欲情しないのかと言っているのです!?」
「……十三歳前後の小娘相手に、何をどう欲情すると?」
言ってはなんだが、顔は良くても肉体はまだまだ子供だ。
無い物は無い。
そうだな。
八年前。村を救ってくれた、あのエリー神官ぐらいの大人な女性であれば。
もちろん胸は大きい方がいい。大きすぎて垂れていたり、不自然なほど重力に逆らっていたりなどは論外だ。
「――という訳で、貴様に欲情する理由が何一つない」
「ふぎぎぎ……こ、この私を侮辱いたしますのね」
「侮辱? いや、そんなつもりはない。ただありのままの事実を話しただけだ」
「ぎぎぎぎ。それが侮辱なのです!」
マリアロゼが声を荒げ怒りを露わにする。
その瞬間、ぼくは全身の毛が逆立つような感覚に襲われる。
地の底から湧き上がるこの気配は――そのまま揺れへと変わった。
「きゃっ」
「くっ」
倒れ込むマリアロゼを支え、なんとか踏ん張る――が、揺れよりも不快な気配で足元がふらつく。
彼女を支えたままベッドへと倒れ込み覆いかぶさった。
揺れはまだ収まらず、棚から物が落ちてくる。
「な、何をするの!?」
「怪我をしたくなければじっとしていろっ」
「いや、放してっ」
「黙れ! じっとしていろ!!」
マリアロゼの口を塞ぎ無理やり黙らせる。
程なくして揺れはようやく収まった。
あの不快な気配――よくない。よくないぞ。
あれはぼくの最強スローライフを確実に邪魔するモノだ。
「おい」
マリアロゼを解放し立たせる。
「帰れ」
彼女は顔を赤らめ、そして小さく頷いた。
揺れたことがよっぽど答えたのか、随分と素直じゃないか。
マリアロゼを追い出し、頃合いを見計らって暇人を呼ぶ。
「おい、暇人!」
『暇人って呼ばないでえぇぇえぇっ』
「呼んだらすぐ来るって、暇だからだろう?」
『ぐぅぅ。それで、なんですか? さっきの揺れの事ですか?』
分かっているじゃないか。
女神ローリエは金髪を揺らし、鼻を鳴らす。
ん? ローリエってこんな姿だったか?
稲穂のほうな黄金の髪に新緑の瞳。十七、八歳ぐらいの娘の姿だ。
以前見たときは確か、黄ばんだ髪にボタンの形をした瞳だったはず。
あ、あれは母上の人形だったか。はっはっは。
『あの……念話じゃないので、あなたが何を考えているか分からないから怖いのですが』
「気にするな。で、何故揺れた? 下から感じた気配はなんだ?」
『……スルーですか。まぁいいでしょう。あなたが感じた気配は、狂気の女神です』
「お前が倒し、封印した奴か」
頷き、ローリエはこの大神殿の地下に、狂気の女神を封印しているのだと説明する。
そしてたまーに、封印を解こうと暴れて揺れるのだと。
『数年に一度ぐらいは揺れています。先日はあなたが揺らしたのですがね』
「そんなこともあったか。忘れていたな」
『忘れないでぇー』
「それで、あれは気にしなくていい訳か?」
ガックリ肩を落とした女神ローリアは、小さく頷く。
『わたくしは聖女の出現を夢に見て、信徒に啓示を与えました。同様に光の神アポロノスは勇者の出現を夢見ました。何か起これば彼らが救ってくれるでしょう』
「な……に?」
『あなたが……あ、いえ、魔王ルディンヴァートが勇者に倒されてから百五十年度、闇の女神の封印が解けかかった事がありまして』
その時にも勇者と聖女の出現を夢見て、まともな者が現れた。そして封印を掛けなおしたのだと言う。
ちなみに女神ローリエやアポロノスらは、神話の大戦争時に力を使い果たし、今だその力は戻ってきていない。だから自分たちでは封印をし直すことは出来ないといい訳をしている。
闇の女神の封印か……
「もしかして、魔物に闇属性がついたのも」
ローリエは頷く。
まったく、余計な真似をしやがって。
狂気の女神の封印も弱まっているなら、その影響も出てくるかもしれん。
どいつもこいつも……ぼくの邪魔をするなら容赦なく地獄へ叩き落としてやる。
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