恋愛小説の悪役令嬢に転生しました!~借金のために皇子と婚約したけど、返済目処が立ったので婚約破棄されてさしあげます~

夢・風魔

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54:うちのお嬢様は凄いんですよ

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「んんー、お風呂ひろーい。気持ちいぃーっ」
「はぁ、本当に気持ちいいですねぇお嬢様」
「わたし、さっきリィナさんからお聞きしたのですが、お城の大浴場には疲れを取る効能があるとかなんとか。冷え性解消も出来るんですって」

 温泉かい!?
 えぇー、ちょっと嬉しい。
 うちの別荘にもあるのかしら?

「あ、そういえば……なんか成り行きで公爵様のお城に来ちゃったけどさ」

 なんか滞在するお部屋まで用意されてたし。

「私たち、うちの別荘に来たはずよね?」

 温泉(?)に浸かって、まったりしているのはなんか違う気が……しない訳でもない。
 
「あら、そういえば」
「でも別荘の場所、お嬢様ご存じですか?」
「ん? んー……知らないわ。二人は?」

 彼女たちは顔を見合わせ、それからへらっと笑いながら首を振る。

 うん。あとでアッシュ卿たちにも聞いてみよう。

 体が温まったところでリィナが来て、髪に香油を塗ってくれる。
 はぁ、いい香りぃ。

「あの、さきほど耳にしたのですが」
「ん、なぁに?」
「ルシアナ様は、祝福の魔法をお使いになられると」
「魔法? んー、使えるけど、でも私は祝福の魔法の使い手、とは違うの」
「え? 違う、のに使えるのですか?」

 私のはただのコピー。
 誰かの魔法陣を見せて貰わなきゃ、魔法は使えない。
 それに私の魔力そのものは一般的な量で、だからコピーと言ったって劣化コピーなのよね。

 魔法陣をそっくりそのまま作り出せても、威力まではコピーできないから。

 そう説明すると、リィナは何故か感動していた。

「凄いですルシアナ様! それってルシアナ様がどんな魔法でもお使いできるってことですよね?」
「ん、まぁ、そう、なる?」
「そうです。うちのお嬢様は凄いんですよ」
「はい。凄いです!」

 メイド同士で、なんか分かり合ってるみたい。
 凄い凄いって言われても、魔力が低いからたくさん使えないし。

 まぁでもぉ、魔獣と戦うために魔法が使える人が北部《ここ》には多いっていうし。
 いろんな魔法陣を見せて貰うつもりだもんねぇ。

「でも祝福の魔法をお使いになられるルシアナ様がこの北部にいらっしゃって、本当によかったです」
「え? そ、そう?」

 リィナの言葉の意味は、今の私には分からなかった。
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